「二人のてんがらもん」天外者(てんがらもん) conpeitoさんの映画レビュー(感想・評価)
二人のてんがらもん
なるほど、青春群像劇というコピーがぴったりだ。
歴史物にはあまり馴染みがない私は、はたして史実に沿っているのか映画用に脚色されているのか、よくわからなかった。
エピソードが次々と現れては場面が変わっていくので、流れについていけなかった。五代友厚なる人物、時代背景などを予備知識として少し入れておけば、また違ったのかもしれない。彼の功績は、100分程の枠ではとても収まりきれないものなのだろうから。あと少し音楽がうるさいなぁと思う。途中、なぜこんなに流れるのかと疑問に感じたほど。
後日、カンテレの映画制作の舞台裏をまとめたドキュメンタリーを見た。こちらの方がある意味、感動的だ。有志による五代プロジェクトが立ち上がってから、さまざまな困難の中やっと公開まで辿り着いたのだということがよくわかる。その関わった人々の熱意も、たっぷり伝わってきた。五代友厚の功績もわかりやすく紹介している。
三浦春馬を始め他の役者さんやスタッフの方々の現場での雰囲気も伝わってきて、プロモーションで語られていた言葉は本当だったのだと胸が熱くなった。彼の穏やかな中にも真剣な眼差しで真面目に想いを語る表情にもなぜかほっとさせられた。この時、とても充実していて幸せな時間を過ごしていたのだと勝手に安心してしまった。
オープニングすぐ辺りに見せる無邪気な笑顔とラスト近くで見せる全てを見通したような穏やかな笑顔。その笑顔の対比に彼の人生を重ねていた。安らかな場所にいることをいつまでも祈りつつ……
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