劇場公開日 2020年12月11日

「惜しいなあ、と感じた作品」天外者(てんがらもん) 京極氏勝さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0惜しいなあ、と感じた作品

2020年12月25日
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先ず、本作で主演をお務めになった三浦春馬さんのご逝去を心よりお悔やみ申し上げます。
私はあまり邦画やドラマなどを観ないタイプの人間ですので、お名前を耳にした事がある程度でしたが、今回この映画で演技を拝見して素晴らしい俳優さんだと思いました。

さて、本作ですが五代友厚の波瀾万丈な人生を描いた内容となっております。
五代友厚という名前を聞いても、具体的に何をした人なのかピンと来ない人も多いのではないでしょうか。
幕末・明治と激動の時代を生き、日本の産業の発展に多大なる貢献をした存在でありながら、作品の主役として取り上げられる事が殆ど無い。
そんな彼にスポットライトを当てて、映画という作品に仕上げた事は十分評価に値すると思います。

そんな作品に何故☆2の評価を付けているかと申しますと、想像以上に内容が希薄であったからです。
脚本家がこの作品で表現したかった事は何なのか。
彼の成した偉業なのか、それとも彼と志を同じくする者たちとの友情なのか、はたまた彼を取り巻く女性との恋愛模様なのか。
一体何を物語の主軸に置いているのか、最後まで見えてきませんでした。

惜しいなあと思ったのは、映画という2時間未満の作品に仕上げてしまったこと。
これが十二分な時間を確保できる大河ドラマであれば、それぞれのエピソードを掘り下げていく事が出来たでしょう。
何かもかもを描こうとして、結果としてどれもこれも中途半端になってしまった。
それが私の率直な感想です。

ともあれ、三浦春馬さんの演技に関しては、皆様が絶賛する通り素晴らしい物があります。
彼のファンであれば、鑑賞する価値は十二分にあるでしょう。

五代友厚を演じている「三浦春馬さん」を観たい人にはお勧め出来る作品です。
一方で、三浦春馬さんが演じている「五代友厚」を観たい人にはあまりお勧め出来ません。
観たい存在がどちらなのか。それによって評価が分かれる作品であると思いました。

京極氏勝
momottiさんのコメント
2020年12月27日

仮にもし、「映画五代友厚」となっていたら、五代友厚を知らない人は見に行かなかったと思います。
こうして三浦春馬主演の青春群像劇になったことで幅広い年齢層の人に五代友厚を知ってもらえた。予算のない中、人の半生を描くとはいかに難しいかがわかる映画です。大河ドラマになってもおかしくない。「地位も名誉も金もいらない、大切なのは目的だ。」という五代友厚の
十分に目的は果たせている映画だと思う。

momotti
しろくろぱんださんのコメント
2020年12月26日

三浦春馬と五代友厚の両方観たかったのですが五代さんのことが上手く表現されていなかったので春馬くんの良さも活かされずに終わってしまった印象です。

しろくろぱんだ