劇場公開日 2020年12月11日

「情熱の目力に圧倒。」天外者(てんがらもん) バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0情熱の目力に圧倒。

2020年12月16日
PCから投稿

改めて三浦春馬さんのご冥福をお祈りします。
本当に本当に残念です。本作鑑賞し改めて思います。

五代さんの存在はNHK朝ドラでディーンさんが演じられて知りました。
そのくらいの知識しかないレベルなんです。ですからどんな映画になるか楽しみでした。

三浦春馬さんのクライマックスの演説シーン、素晴らしかったな。
あの目。命懸けって伝わってきましたよ。
ぐぐぐーーーーってきました、気持ちが。

以下、どーしても気に入らない点です。
本作品、脚本も演出も「冗長感」たっぷりなんですよね。それは

・五代さんの生涯を満遍なく見せようとしている
・感動につなげるシーン(五代さんが苦労している、頑張っているシーン)多すぎ
・不要と思えるロマンスエピソード

漫然とエピソードがだらららーと流れている感じ。
だから、物語としてのまとまりと盛り上がりに欠けます。
こんなにドラマティックな人生を49年という短い期間で走った五代さんの
描き方として、どーなんだろ?物語からのカタルシスを感じられなかったです。

もっとテーマにそってブラッシュアップできたのでは?
「国民から一番嫌われている男が日本を救った」
「金も名誉も地位もいらない、俺は国民全員が夢を見れる国にしたい」
この2点に絞り込んでここを際立たせることできたんじゃないかな?

あくまでWiKiですが、五代さんの功績すごいものがあります。(質、量ともに)
官にも属されていたのでそこでのご苦労もあったと思います。
五代さんの純粋な「夢」を達成するためにどれほどの尽力をしてきたか?を
もっともっともーーーーーーーーーーーーっと掘り下げて描くべきだったと
腹の底から思ってます。

もし、そうなっていたら商工会議所のシーンも、ラストシーンももっと
見る側に訴えるものがあったのでは?と思います。

あぁ、三浦春馬さん。
次作を見ることができない悔しさと悲しみでいっぱいです。

合掌

バリカタ