「不条理なキャラクター」きまじめ楽隊のぼんやり戦争 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
不条理なキャラクター
戦時下の国家に暮らす人々をカリカチュアした、舞台劇のような映画でした。
不条理なキャラクターの存在と、世界を俯瞰した視点は面白いです。
・兵士が仕事だと思ってる
・町のためだから人を殺しても、殺されても仕方ないと思っている
・戦争の意味は一切考えず、命令を忠実に守ることが大事
という価値観のまま、一切の疑問も持たない人々の反応として、実力派の役者たちにわざと間延びした棒演技・棒セリフの応酬をさせるというスタイル。
私のように皮肉を好み、斜めから穿ったものの見方をすれば楽しめる可能性が高いですが……
ストレートに表現を受け止める、心の綺麗な方々にとってはシュールな前衛劇にしか見えず、まったく面白く思えないとも感じました。
観る人を選ぶというか、性格のねじれ具合が必要というか。
また、淡々と時間が流れていくので、眠気を誘発しやすいのが難ではあります。
コメントする