「戦後の東欧諸国で前を向いて生きるということ」この世界に残されて エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
戦後の東欧諸国で前を向いて生きるということ
1948年のハンガリー、16歳の少女クララと42歳の医師アルドが出会い、一緒に暮らし始めた。二人はホロコーストを生き延びたが家族を失っていた。強いトラウマがあった。
お互いの傷がわかる二人だから痛みを分かち合うことができたんだろうねぇ。お互いが絶対的な存在になったが、時とともにそれぞれのパートナーと出会い、新たな人生が始まろうとしていた。
1948年、そしてそれからの40年。
ソ連の影響下で自由が失われた東欧諸国。
アンジェイ・ワイダやタル・ベーラの作品、そして昨年の『異端の鳥』などではの絶望的な閉塞感が描かれた。一縷の光も無かった。
今作では緊迫した状況の中にあって前を向いて生き始めようとする人々がいた。これもまた真実だろう。
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