パリのどこかで、あなたとのレビュー・感想・評価
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白猫
となり合わせのアパートメントに住む不眠症の男レミーと過眠症の女メラニーがすれ違いを重ねながら最後に運命的な出会いを果たすというパリを舞台にしたラブストーリー。
冒頭レミーがいきなり車内で倒れ病院に担ぎこまれる。いわゆる仕事上のストレスが原因。物流倉庫の商品管理が仕事なのだが、ロボット導入による人員整理が進む中、他部署に異動になったり同僚が解雇されたりして精神が参っていたのだ。一方メラニーは癌の免疫治療の研究員。1年前に大失恋して今も引きずっている様子。マッチングアプリでデートを重ねても気が晴れることもない。
こんな二人がいつどうやって出会うのか、興味の中心はここに絞られる。しかしじれったい位二人はすれ違いを繰り返す。食料品店でニアミスはあるものの出会いはラストシーンまでお預けになる。
同じアパートの隣人から無理やり白猫を飼うように言われたレミーは渋々世話をするうちに情が移っていく。ナゲットと名付けられた猫は目を離した隙に外に出てしまいメラニーに拾われる。てっきりこの猫がキューピッドになると思ったらそうではなかった。その役回りは食料品店の店主。義弟が教えているコンパという名のダンス教室のチラシを二人に渡したのだ。ラストシーンで二人はパートナーとして向かい合い微笑みを交わすところで映画は終わる。
ある程度、予想はできたエンディングであると同時に、特にパリらしさはさほど感じられなかったが、悪くないストーリー展開ではあった。
東京でもどこかで、あなたと
窓から線路の向こうにモンマルトルの丘らしきものが見える。大きな街は絵に描いたようなパリではない。
隣りのアパートにそれぞれ一人で暮らす、互いに見知らぬ男と女。ともに仕事に恋愛に家族関係にうまくいかず、心の治療をしている。
フランス風にお洒落な展開という訳ではない。きほん真面目で、やさしい二人を丁寧に描いていて、素直に話の流れに身を任す。
二人が結末にやっと出会うのが、ハイチダンスの教室でしたっけ?良い。
ねえ、自分を認めること、人と向き合うこと。
静かなヒューマンラブストーリー。
前情報なしで観に行って、恋愛ものかと思いきや全然違いました!
大きな意味でのヒューマンラブストーリー。
それぞれの登場人物の心象も想像できる細やかな描写がとても良かった。
思っていたのとちょっと違ったから最初は、ん?ってなったけど、静かに日々変化していく二人にどんどん引き込まれていきました。最後にはちょっとジーンと温かい気持ちに。
パンフレットが作られてなかったのが残念!2021年、いい映画初めができました!
途中で寝てしまうかも・・と、始まってからは危惧しましたが・・・。 ...
途中で寝てしまうかも・・と、始まってからは危惧しましたが・・・。
理解出来ない人には全く分からない世界観かも・・・。良い映画でした。
自分がセラピーというか、カウンセリングを受けた感じで、スッキリして見終わる事ができてとてもよかった♪
お洒落じゃない、パリで オシャレじゃない男女の物語なんですが・・。結構、世界中に共感する人が多いのでは?
こういう世界観を、格好悪いやら、おしゃれじゃないやらと クサす方々は一定数日本にいるでしょうけど・・その価値観の結果が・・今・・。
パリの食料品店の、アラブ系のおっさんがすごく良くて♪ こういうの、子供の頃の近所の商店街であったよなぁ・・。
魚沼産の米が絶賛されてたり♪
シャッター商店街の復活はこういうことがヒントなんじゃなかろか?と 本筋を外れて思いました♪
こういう観せ方があるとは
ラブストーリーなの。多分ね。でも二人が出会ったところでエンドロールが来るっていう。
オープニングから、それと知らない二人が電車に並んで座ってんのね。「この二人がいつか出会うんだ」と思って、「どこで出会うんだろう?」とずーっと観てるの。でも出会わないんだよね。
そのうち二人の事情も解消されて「これ、出会いそうで出会わないっていう作品なのか。それでも面白いな」と思うの。
最後、ダンス教室に行って「これで、あの職場の同僚の女の人とうまくいくんだ」と思ってると、鮮やかに二人が出会うシーンが来ていいの。「触れただけで電流が走った」と観てる方が勝手に思うような描写になってるんだけど、冷静に考えると、そんなこと解んないよね。でも、ここまで二人がずーっと描かれてきたから、それでそう観ちゃうのが面白かったな。
二人のエピソードが面白いんだよね。二人とも鬱で、職場のストレスが原因なんだろうなと観てくと、実は家族に起因する事情があって、火事のエピソードでそれが鮮やかに解消して、「良かったなあ、二人とも」って思うのね。
キャラクターを描いていくことで、出会いそうで出会わない話を成立させる手腕が見事だと思ったよ。
普通の一般人を描いてるのは好感が持てる作品
パリで普通に隣あったアパートメントに住む男女が出会うまでを描いた作品
女性は積極的に出会いサイトなどを使い男と会っているが交際まで発展しない
その心理的な部分をカウンセリングで指摘されたりする
男性はあまり出会いがないが出会いサイトなどには興味がなく
猫の動画などを観て楽しんだりしてる
このわずかな事柄でも現代の人が抱える問題を浮き彫りにしていて考えさせられる
現実でもそうゆうのあるよね
恋することを煩わしく感じてペットに愛情注いだりして
自分が恋人がいないことと向き合わない人って居ると思うしね
また短絡的に会って体ばかりの関係に終始してうまく交際に発展しないのもあると思う
現代人の抱える出会いの上手くいかなさが象徴的に描かれてると思った
そして一貫して普通である男女の生活が描かれていて共感を呼ぶ
監督が最後のダンスで言いたかった事、伝えたかった事について考える
どこか出会いサイトに頼ったり、動画サイトに頼ったり
それで充足してしまう面があるが
本当に人間に必要なのはお互いを意識しながら踊るような
直接的なコミュニケーションなのかもしれないね
そうゆう意味でダンスは男女の関係としては深いなぁって感じました
監督の意図は別のところにあったのかもしれないけど
最後踊りながら終わるのは映画として物語としてとても良かった
他の映画と評価を比較してこの評価だけど星4つでも良かったかもね
ラブストーリーではなく克服する物語
パリで一人暮らししている男女が、それぞれ抱えている問題に向き合いながら生きている姿を描いた映画。
隣に住んでいながら、全くの他人のままラストまで進んでしまう。しかも2人はそれぞれ少しメンタルヘルスの問題を抱え、苦しんでいる状況。映画自体はラブストーリーではなく、過去のトラウマやダメージを克服する話だった。そういう意味で心に滲みた。
何気ない日常を描いていながら、2人の抱えている問題が徐々に明らかになっていく展開はとても好きなタイプの映画。あー、ここで出会うんだろうなと思いながらもあの子が見つからない。男女のペアをつくるよう言われてて周りを見渡したときにあの子がふわぁーっと現れるあのシーンが好き。周りを許し、自分を好きになった2人の笑顔がとても素敵だった。そして猫のナゲットとの再会が決まったことにも一安心。
あなたみたいな人?
なんというか、身近な感じ?の二人。
ふるさとは空気はきれいだけど(すぐ噂になったりするから)、都会のほうが息しやすい。みたいな事をレミーが言っていて。これ、わかります、私も同感。
ただ、そのぶん都会の人は、たとえ隣に住んでいても、距離があって孤独。
他人ゴトとしてちょっと引いて見ると、笑えるようでもあり。
いや、本人は切実にツライんでしょうけど。
メラニーは。
仕事の重圧が半端じゃないのよね。だからって大切な発表の前の日に、知らない人を部屋に呼んだりするんだ。これって今や普通の事なんですかね、おそらく。
父との別れが男性と付き合う時のトラウマになっていて。誰でもいいから側にいてほしくて、でも心は満たされない。
そして、レミー。
セラピーに通っても恋人をつくるように言われ続けるんじゃ、いつまでも誰とも出会えなかったり、人に声を掛けられないシャイな性格の人はどうすればいいの? 自信を持てって言われてもね。
レミーの場合は、妹の死が根っこにあると、後半でわかります。故郷に帰った時のあの苦しそうな表情は、そういうわけだったのね。
車内で少女と目があったあと倒れてしまったのも、妹のことを思い出したせい。
友人役でピエール・ニネが出てました。
中盤、ちょっと長いかな、と感じました。なかなか二人が出逢わないし。
メラニーとレミー、はたして上手くいくのでしょうか?それはまた別の話になるけれど。
眠れない男と眠り過ぎな女のサイコロジーな話
この映画を、パリを舞台にした出会いのストーリーと捉えるだろうか。
たしかに、ホントに、パリがそこにある。
パリの街が舞台の、パリの日常を切り取ったような展開。
一方で、話はサイコロジストとクライエントの会話を軸に進んでいく。
話すことに意義を見いだせなかったクライエントが、自分の課題と向き合う様が、とてもわかりやすく描かれている。
その心理療法がどのように進むのか、そこがよく捉えられているように感じました。
眠れない男にはロジャース的に、寝すぎる女は精神分析さながらの寝椅子を使って(形だけ?)。
心理師、必見の映画と言えます。
映画ですから、細かいところははしょってますが、カウンセリングをよく知っている脚本です。
「私は、彼らの役に立ったのだろうか」
引退を決意してもなお、自らを振り返る心理師の言葉を見習いたいと思いました。
治療を終わらせることができるのは、素晴らしいことです。
教材としても、使えたらと感じました。
前向きな積極的行動が運命を引き寄せ、そして幸を呼ぶ
恋愛映画と思ってたら恋愛描写がメインではなくとても不思議な作品だった。
主人公のレミとメラニーは過去の失恋や妹を失った過去を今だに彼らを苦しみ続けトラウマと化してる。
そんな2人はどこか心ここに在らずな状態で日々を過ごしている為仕事でうまくいっていても幸福感を得られていない。
そんな不安定な精神状態が故にレミは不眠症をメラニーは過眠症を抱えてしまう。
互いに精神的な充実が改善に繋がると周囲に勧められた事もありレミは同僚と恋をしようとしたり、猫を飼ったり…メラニーもまたマッチングアプリで恋をしようとしたりするがうまくいかない。
どちらも気持ちが完全に前向きではなく傷を塞ぐ事ありきな姿勢が原因にもみえる。
この作品を観客視線でみると2人は合いそうなカップルのように終始描かれている。
横のアパートながら隣り合わせに暮らし、同じ薬局、スーパー、心療内科に通い、時には同じ曲で心躍ったり同じ物に惹かれあったりもする。
ただ最後のコンパのレッスン場まで彼らは互いの存在を知り合わない。
それは最後のシーン迄は常にどこか心ここに在らずな状態で何をするにしても後ろ向きな気持ちもあったからだろう。
運命の人は意外と身近に存在してたりする。その運命をそして幸せを引き寄せるには、前向きな気持ちで積極的な行動こそがそれらを引き寄せるのではないか。そんな事を心に与えてくれる作品である。
恋愛映画の様で、恋愛映画じゃない様で、やっぱり恋愛映画かな
オープニングが格好いいんですよ。
落ち着いた映画を期待していたから少し不安になっちゃいました。
でも、始まってみるとしっかり落ち着いた映画でした。
それで、まずなによりレミー役のフランソワ・シビルさんが格好いいの。
憂いの表情がとても絵になるんです。
レミーの笑顔を見たいと思わせるの。なんだけど、なかなか笑顔を見せてくれない。
メラニーの方は笑わないわけではないんだけど、見たい笑顔とは違うかな。
こうなってくると、早く二人が出会って笑顔になる所を見たいんだけど、全然二人が出会ってくれないんですよね。
そんな感じなんで、恋愛映画って言うより、人生について考える映画って感じで展開して行くんです。
そして、結局二人が出会ったのは映画の最後。
なので、恋愛映画じゃないとも言えるんだけど、ここまでの二人を見ていたら、この出会いはきっと二人を幸せにしてくれると思えてくるの。
そんな感じだから、やっぱり恋愛映画なんだなと思います。
もっと観たいと思わせるのも、良い映画の一つの形なんでしょうね。
これからの2人に幸あれ!
ゴリゴリのラブストーリーと思いきや
30代の男女が仕事や恋愛のストレスから心を病み孤独な日常を生きる現代のヒューマンドラマ…フランス作品的な深みを感じました
パリの街や景色
隣り合わせのアパートに行きつけの店
そして白猫…
トレンディドラマを思わせる様なシチュエーションにいつ、何処で2人が出会うのか待ち通しさが募る中、物語も終盤へ…
個々のストーリーが2人のストーリーの始まりになるラストの締め具合が実に冴えわたり好感が持てました!
…エスニック店のおっちゃん!
偶然とはいえどマッチングアプリ以上の役割を果たしているわぁ😊
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