パリのどこかで、あなたとのレビュー・感想・評価
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続編は観客それぞれの中で。
想定していた内容と全く違っていましたが良い方に転がってます。 予告編を観た結論・・・なんの接点もない訳あり男女が奇跡的に出会って恋に落ちていく・・・ よくありがちなお話かなー?って。 全然違います。違いますからね!!!邦題・・・思わせぶりすぎる! 原題は(Google先生翻訳によると・・・)「二人の私」 これは、新しいアプローチの(恋愛)物語ではないでしょうか? なんだろうなー?観賞後なぜか幸せな気持ちになっちゃったのです。 予想できたラスト展開だけどなんという幸福感、充足感。そして、、、ムフフ感。 ベタ展開のラストなのにこれほど「あぁ、よかった!うんうんよかったよ!」と思える作品があったでしょうか? ラストシーンが終わりエンドロールが始ると、ラストシーン以降の物語が勝手に頭の中で生まれていき、それがニコニコやニヤニヤを作るんです。 不思議な感覚です。だって想像していることが心に響くんですから。 この感覚なんだろう?って考えると、 仲の良い自分の男友達と女友達・・・・あいつら付き合ったらうまくいくと思うんだよなぁ・・・ って思う感覚と似てるんだなぁ。 もしかしたら、そーいう感じを狙っているのかなぁ? とにかく、とにかく丁寧に丁寧に主人公男女それぞれのパーソナリティが描かれます。 不器用だけど誠実に生きる二人を好きになるはずです。愛おしく思うはずです。 どうか、どうかもう一度笑顔を取り戻してほしい!って心から願います。 とても等身大の二人。ふと、自分の友達と重ね合わせちゃうくらいに。いや、自分にも重なるかも? ですから感情が乗っていきます。 また演出もなかなかクールです。 「近いけど遠い」って都会でありがちな状態をうまーーーく観せてくれています。 すれ違いとは異なる観せ方・・・小粋だなぁ。 言いたいことは細々とありますが、これは誰か仲良しさん、大切な方、ご家族と一緒にご覧になってぜひ!感想を言い合ったら楽しいと思います。 寒い日が始まりましたが、ほんのり手足が暖かくなる・・・うん、ストーブやヒーターの点火した直後の「ほわぁ」とした感じを味わえますよ。
もう一人の自分と…
それぞれに悩みを抱えた30歳の男女、レミーとメラニー。隣通しのアパートに住みながらも交わることのない二人が織りなすドラマ作品。 まず、主人公のレミーの抱える悩みにかなり共感できる部分があり、程度の差こそあれど自分とよく似ている(顔が似てりゃあ良かったんだけど)。 前半はあまり緩急の無い二人の生活をずっと描いているけど、ぼんやりと、しかしどうしようもないような孤独感がうまく伝わってくるし、異なるようでどこかシンクロする二人の対比が◎。 劇中で聞けるセラピーの話は、レミーらと同じく一人で(寂しく)暮らしている自分にもなかなか響くものが多かった。話せることが無い、ってよく思っちゃうけど。人との繋がりは大切ですよね♪ 終盤はちょっといきなりな展開を出してきて戸惑ったけど、二人が変わっていく様子や、わかってはいたけど素晴らしいラストも、爽やかな風が吹くような感動と爽快感。 でも、どうせならロマンチックな音楽が良かったかな(笑) その他、引退間近のセラピストやお節介焼きの店主、さらには可愛すぎる白猫等々、脇を固めるキャラ達もグッド。 おまけにこの映画にも日本ネタがちらっと…。嬉しいですね♪ ちょっとした笑いも織り交ぜながら、少し勇気をもらえる作品。私もその一人、同じような悩みを抱える人は実は多いのではないでしょうか。 似ている境遇の二人 セラピーを通して変わっていく心 出逢ったのは、もう一人の自分なのかもしれませんね。
チープな感じだけど良かったです。
ラブストーリーなんだろうと、よくあるボーイ・ミーツ・ガールなんだろうと思っていました。お互い気になっているけど、すれ違ったり、誤解したり、なんだかんだで最後にはひっつく系のラブストーリーなんだろうと…全然、二人の関係が交錯しない。会ってるはいるのに交わらない。ラブストーリーって思っていたが、ヒューマンドラマ系なんだろうかと思っていたところで、なるほど。この後は、子猫がキューピットになるのかしらん?
うつ病(?)でもマッチングアプリはするのね
パリの線路脇のアパートメントが素敵でした 女がベランダでタバコ吸って、煙りだけ男のアパートの窓に漂うシーンが好き。 風呂で大音響で歌うのは駄目だけど、お返しが粋だった。 Super Marche Sabbha Orientale の店長がなかなかやり手だった。 最重要人物。 「魚沼産のコシヒカリを食べてみろ、最高だぜ」 その他、オリーブ選びのウンチク。客に商品を押し付ける独善性。バイトへの罵声。 プレゼンの前の日にあれは駄目でしょう。バカなの? 妹の方がかわいかった。 白い子猫がいちばんかわいかったけど。 2029と2129の恋はうまく行きそうだったのにね。ハンバーガー🍔は駄目って?シュール過ぎ。 最初は胡散臭い精神科医(カウンセラー)がなんだかんだ、だんだん良くなっていくのが不思議とよかった。 でも、あの二人は付き合ってうまくいくかなぁ? 同じ精神科医に別々に相談するのでしょうか?
ネコセラピー
味もそっけもない生活には理由がある。 いかにもパートナーがいる方が良いみたいな誘導で話は進むが、1人でいる事が決してそっけない理由でも無いし、2人でいても通じ合わない孤独もある。 形式的に行き着いた先がセラピストだった展開はまるでシュールなコメディの様で笑どころだったが、セラピーマジックで意外にも深い心の奥まで分解されちゃう2人の姿もまた笑える。 そして白ネコと遊ぶ姿がめちゃくちゃ楽しそうで、セラピーよりも効果絶大な癒し効果を目の当たりにする。 冗談の様な妙なテンポだが、気がつくと共感。 実は出会いはおまけ。いかに肩の力を抜くか、素直になるかってメッセージに思えた。
退屈だった
制作側のやりたいことは判ります。 でも、その術中にはまるためには、主人公自身が魅力的で、主人公の日常も魅力的である必要があると思います。 申し訳ないですが、この映画の主人公の2人とも、ビジュアル的にも役柄的にも、全く魅力を感じませんでした。 ごくごく普通の人の冴えない日常を延々見せられても退屈でしかなかったです。 ラストも意外でもなく、読めますよね。 多分情緒的な感性が欠如しているので、やっぱ自分にはフランス映画は合いませんでした。
地に足のついた優しい作品
フランス映画やアメリカ映画では屡々精神科医のカウンセリングのシーンが登場するが、邦画ではあまり見かけたことがない。その理由は社会構造に由来すると思う。 日本は忖度社会だ。それは日本の社会が未だに封建的であることを示している。忖度するのは常に立場が下の者であって、部下が上司を相手に、官僚が大臣を相手にするのが忖度である。その動機はと言えば、どうすれば相手の望むようになって、結果的に自分が不利にならずに済むかという保身に過ぎない。忖度は思いやりでも配慮でもないのだ。 そういう精神性は当然カウンセリングの場でも現れる。日本でカウンセリングを受けるのは、会社が契約している産業医の定期カウンセリングを受けるか、鬱病で会社を休んだり退職したりするために自分で病院に行くときである。そしてカウンセリングでは本当のことは言わない。自分が鬱だと判断されずに済むためにはどう言えばいいか、あるいは逆に病気だと判断されて会社を休んだり辞めたりするためにはどんな台詞が相応しいかを忖度しながら発言する。カウンセラーは深入りしないから、本人の発言を尊重する。結局問題は何も解決しない。日本ではカウンセリングはまだまだ一般的ではないのだ。だから邦画のシーンに登場しない。 本作品はたまたま住んでいるアパルトマンが隣の建物で、部屋が隣り合っているだけの男女の話である。舞台はパリ。それぞれが仕事に悩み、親族との関係に悩んでカウンセリングを受ける。自分の心の中を探っていくうちに、さらなる迷宮に迷い込む。しかしやがて一筋の光のようなものに辿り着く。それが必ずしも正解とは言えないのがカウンセリングの限界でもあるが、最終的には本人が決めることだ。自殺も否定されない。 レミーとメラニーは隣とは言っても建物が違うから交流はない。パリも東京と同じように殆どの隣人は他人なのだ。近くに住んでいるからアパルトマン周辺で何度もすれ違うが、他人にいきなり話しかけることはない。ストーリーが進むにつれて、観客はこの二人はいつ出逢うのだろうかと疑いながら観ることになる。出逢いそうで出逢わない二人だが、それぞれに抱えている問題に向き合ううちに、少しだけ心が自由になっていく。 なるほどと思った。心が病んでいる状態で出逢ったら、互いに行き場のない悩みをぶつけ合って傷つけ合ってしまう。カウンセリングの成果が吹っ飛んでしまい、以前にも増して苦しい日々となるのだ。だから敢えて出逢わない設定にしたのかもしれない。粋な作品である。同時に、自分の悩みは自分でしか解決できないという突き放した実存主義的でもある。スーパーのオーナーの、おせっかいの一歩手前ぎりぎりとも言える親切でエスプリの効いた声掛けが凄くよかった。近くにこんなスーパーがあれば毎日通うだろう。フランス映画らしく、哲学的だが恋愛の度合いも高いという国民性をよく描いている。地に足のついた優しい作品である。観ていて楽しかった。
【ナゲット】
アパートの後ろに見えるのはモンマルトルのサクレ・クール寺院だと思うが、パリはやっぱり絵になる場所が多い。 「癌は敵ではない。不均衡の結果なのだ」 メラニーの言葉だ。 実は、悩み事も同じかもしれない。 敵ではないのだ。 免疫が癌細胞と向き合うように、悩み事も自分自身で向き合ってみないと解決にはつながらないのだ。 蓋をして先送りしたところで、解決などしないのだ。 僕には不眠症を患っていたことがある友人がいて、当時、医者から睡眠導入剤を処方されていた。 一応眠れるようになったらしい…が、ひとつ問題があって、夢遊病の症状が出ると云うのだ。 意識のないまま、ベッドから出て、そして、いろいろなものを食べるらしいのだ。 それで、太る。 しかし、それは大した問題ではなくて、ある時、彼の妻の取り置きしていたチョコレートを食べてしまっていたのだ。 翌朝、その妻は激オコで、どこぞのセレブの街のブティックチョコレート店で同じものを即買ってこいと、その店が休業日なのに無理難題を命じられ…。 結局、その後、彼は離婚して、今では夜はグッスリ眠ることが出来る様になって、たまに昼も眠くなると言っている。 自分を赦したり、愛せなかったら、他人(ひと)を赦したり、愛したり出来ない。 僕達の生きる世界は結構窮屈だ。 この作品にあるように、塞ぎ込んでる人が、ちょっと外に出て、他の人と少しずつでも交流して、レミーとメラニーのようにダンスが出来たら素敵だと思う。 きっと、猫のナゲットが近々、二人のキューピットになって、物語が急展開するという続きを想像してしまう。 早くコロナが収束して、もっと人々が外に出られるようになることを祈ります。
愁い
凄く凄く好きな雰囲気の映画でした。 どこがどう好きなのかうまく言葉に出来ませんが…。 夜、電車から見えたビルでひとつだけ電気がついているのを見て あそこで誰か残業しているんだなあ、と思う感覚に近いというか。 部屋から遠くで光るエッフェル塔がパリを感じさせてくれて素敵でした。
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