「こういう観せ方があるとは」パリのどこかで、あなたと Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
こういう観せ方があるとは
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ラブストーリーなの。多分ね。でも二人が出会ったところでエンドロールが来るっていう。
オープニングから、それと知らない二人が電車に並んで座ってんのね。「この二人がいつか出会うんだ」と思って、「どこで出会うんだろう?」とずーっと観てるの。でも出会わないんだよね。
そのうち二人の事情も解消されて「これ、出会いそうで出会わないっていう作品なのか。それでも面白いな」と思うの。
最後、ダンス教室に行って「これで、あの職場の同僚の女の人とうまくいくんだ」と思ってると、鮮やかに二人が出会うシーンが来ていいの。「触れただけで電流が走った」と観てる方が勝手に思うような描写になってるんだけど、冷静に考えると、そんなこと解んないよね。でも、ここまで二人がずーっと描かれてきたから、それでそう観ちゃうのが面白かったな。
二人のエピソードが面白いんだよね。二人とも鬱で、職場のストレスが原因なんだろうなと観てくと、実は家族に起因する事情があって、火事のエピソードでそれが鮮やかに解消して、「良かったなあ、二人とも」って思うのね。
キャラクターを描いていくことで、出会いそうで出会わない話を成立させる手腕が見事だと思ったよ。
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