ハッピー・バースデー 家族のいる時間のレビュー・感想・評価
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穏やかな喜劇かと思いきや、家族間の確執や企みが露わに
影響力の強い高齢の母親のもとに、子らがそれぞれの家族やパートナーを連れて集まるという設定では、昨年4月公開のイザベル・ユペール主演作「ポルトガル、夏の終わり」が記憶に新しい。あるいは精神に問題を抱えた人物が久しぶりに家族のもとに帰ってきて波紋を広げるという展開は、アン・ハサウェイ主演作「レイチェルの結婚」や、ジュリア・ロバーツが母親役の「ベン・イズ・バック」を想起させる。「ハッピー・バースデー 家族のいる時間」という題やいかにも家族団らん風のキービジュアルから、楽しげな家族劇と早合点してはいけない。先に挙げた3作品のように、家族間の積年の確執、隠し事や企みが次第に明らかになり、観客もはらはらと気をもみ、似たような経験があればキリキリと胃が痛むといった案配だ。
監督・脚本のセドリック・カーンが長男を演じていることに加え、長女役の女優、次男役の俳優(いい歳して映画監督志望という設定)もそれぞれ監督業もこなすというから、かなり作為的なキャスティング。孫娘が少年たちを従えて披露する劇中劇の扱いも含め、「演じるという行為」と「家族と関わること」の類似性を示唆する意図を感じた。
色々ある
エマニュエル・ブレコはエキセントリックな役をやらせると、本当上手いですね。カトリーヌ・ドヌーブも貫禄があり良かったです。アダルトチルドレンと機能不全家族は今に始まったことではないと思いますが、現代でやっと認識された概念ということですよね。アメリカ映画にはよくありますが、フランス映画では珍しかったです。
誕生日おめでとう…?💦
贔屓にしてるスターチャンネル・ムービーではありましたが
ややの期待外れ…
母親であるアンドレア70歳の誕生日に消息不明だった長女が現れ誕生会は大混乱に陥って行く…
まっ、人様の家族トラブルなんてどうでもいいんですけど😅
「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」一家がお馴染みな私にはひたすら息苦しく面倒くさいだけで「こんな誕生日やだ!」と思うのみ…
「渡鬼」の岡倉家でも1日にこんだけの騒ぎは無かろう💦
自分の子供達のトラブルさえも他人事の様に
バースデーケーキを前に飄々としてるアンドレア…演じる大御所ドヌーブさんのしらっっと感は素晴らしかったですけどね!
唯一まともに育った長男家族(特に無垢な息子達)が救いではありましたね😁
共感はできました 評価点をみて期待薄でしたが、その分高い評価になっ...
共感はできました
評価点をみて期待薄でしたが、その分高い評価になっているかも。
私も兄弟数4人、高齢父母がおり、4人もいれば考え方、裕福度、家庭環境は異なってきます。
さらに私の場合には、認知症の介護という問題が加わります。
「あるある」「そうそう」と思いながらみてました。
楽しく笑いたいという方にはちがうかも。
好きじゃないや
へんな家族
姉と弟、アウトでしょ。
隔世遺伝?!
なんで、こんなオッサンとオバサンに育てちゃったの、お母さん。
まぁ、こういう家族もいるだろうけど、
姉には、甘やかすのではなく、
本人のことを思ったら然るべき対応をすべきだし、
弟はアホ過ぎるし、なんだかなぁ…って感じでしたね。
カトリーヌ・ドヌーブは、チャーミングだったけども…。
気まずさを味わえる映画
70歳のお婆ちゃんの誕生日に久々に家族が揃うが、皆様々な問題を抱えており事あるごとに騒動が巻き起こるヒューマンドラマ。
例えばお正月等に久々に親戚同士で集まったら喧嘩が始まって気まずい雰囲気になる感じをたっぷり味わえる映画だった。
無理矢理ハッピーバースデーで終わったようなそんな感じ…。
結局1番狂っていたのは次男だけど、そんな次男がお咎め無しなこの家庭自体にやはり問題があるように感じた。
一見優しそうだが事なかれ主義のお婆ちゃんに、
実直真面目だが口を出し過ぎる長男、
完全にクズな次男、
精神を患ってはいるが実は1番言っていることがまともな長女。
それに振り回される次男の彼女と子供達…。
子供達の純粋さだけが救いでした。
どうか擦れずに成長して欲しい…
あと長男の奥さんは「あぁ親戚にこういう人だいたい1人は居るな」って感じが出ていて良かった。
うちの親戚にも居る。
こんなに極端な家庭は儘無いとは思うが、どこにでもある家庭の話しといえばそうなのかもしれないな。
そして大体は解決せずに時間だけが過ぎていき、ひと時の幸せを「解決」だと願うのだ。
誰かの誕生日を祝う日のように。
【家族のこと】
騒々しく、カメラのアングルはどんどん変わる。
だが、これは小津安二郎へのオマージュだと、僕は思う。
映画を制作しているというロマンが、小津安二郎の話題を持ち出すこともそうだが、やはり、家族の関係がテーマになっているからだ。
そう、小津安二郎の描いた日本の家族に対して、フランスの現代の家族像だ。
映画は見ての通りだ。
あれが、フランスの典型的な家族だとは思わない。
しかし、そこかしこに、きっとあるであろう家族の関係や問題を映画に散りばめているのだ。
戦後とは異なり、日本も欧米化して個人主義的なところが増えたと考えると、多かれ少なかれ、大なり小なり、こうした家族の関係や問題は、僕達にもあるのではないか。
主要な家族の一人ひとりのバックグラウンドを伺い知りながら、ロマンは…、ヴァンサンは…、ラミは…、こう考えるだろうなとか、クレールは…このように行動するだろうなとか、そして、翻弄されることなしに落ち着いて行動しているように見えるカトリーヌ・ドヌーヴ演じるアンドレアの気持ちを考えながら、僕達は、映画を眺めることになる。
しかし。この作品は、結論を示さず、僕達に考える余地を与え、想像力を要求する構成にもなっている。
なぜなら、それが、家族が続いていくということだからだ。
考え続けると言うことだからだ。
好き嫌いは別にして、そういう余韻が残る作品だ。
僕は好きな作品だ。
全部あとまわし
母親の誕生日に長男家族に次男カップル、3年間行方不明だった精神疾患の過去を持つ長女が集まり、ゴタゴタしていく話。
神経質そうな長男とわがままそうな次男、泣きながら登場する姉と面子が揃い、囲んだ食卓で、長女が暴走?やっぱりヤバい人?
ストーリーが進んで行くと、次男はメチャクチャ、長女は壊れてはいるものの言い分は理解出来る、ママと旦那は許容は出来るけど…。ホントにまともにみえるのは長男夫婦と孫や彼氏達だけかぁ。
ドラマとしての展開に引き込まれたし、鑑賞しながらグルグルと頭の中を様々な思いが駆け巡ったけれど、常に俯瞰でみている感覚で、誰目線でみれば良いのでしょう?
何が起きているかは良く分かるけれど、これをみせられて何を思えば良いのかが良くわからなかった。
妙にリアルで観ていて疲れるが
フランス映画祭2020横浜にて鑑賞。
訳あり一家を描いたまるでドキュメンタリー映画の様な作品であった。
カトリーヌドヌーブ演じるアンドレアの誕生日パーティーをきっかけに子供たち3人が母の元に集まるが、
長女は精神疾患を抱えており娘とも別々に暮らしている。
次男は一定の年齢をむかえてるがいまだ映画監督として花開くことはなく、薬中そして安定した経済力がなくこらまた問題を抱えている。
まともな長男だが、そんな彼らの姿を必要以上に強く当たり時には非難したりする。
そんな子供たちを抱えるアンドレアはどことなく真剣に彼らをなんとかしようとしてるようには見えず。
優しさや後回しでなんとか事を乗り越えようとしているように見える。これがこの普通と異なる家庭環境のカオスな状況を生み出してるのであろう。
誕生日という幸せな一日でも各々が抱えてる問題を「家族」という安心した空間にいる事で各々の未熟さ大人になりきれない子供の部分を果敢なく発揮し、
カトリーヌもまたなんとか事を真剣に更生させようとせず流す様に身を任せるあたり妙にリアルさを感じる。普通な姿ではないだけに没入すればするほど観ていて疲れはするが、どこかこの家族を見捨てられない気持ちも生まれる。
家族がぶつかり合うシーンが多い為自然と荒げたシーンも多いが、コメディシーンもまた多々あるのでストレスなく鑑賞できる。
この家族は極端な問題を抱えてるが大なり小なり家族というのは各々問題は抱えているものだ。
問題と向き合う事も大切だが、必要以上に己を否定する事なくこの家族の様に流れにまかせて時間をかけて解決
するのも一つの家族の在り方なのかもしれない。
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