「序盤から感情を揺らし続ける・・・そして揺れたまま終わる映画」ハッピー・オールド・イヤー sweet back mantraさんの映画レビュー(感想・評価)
序盤から感情を揺らし続ける・・・そして揺れたまま終わる映画
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関係の決着の仕方はひとそれぞれ最善の選択をする。それがお互い合意の上ならよし。決着に失敗すれば、わだかまりを持ち続けるか(エム)、忘れるか(ジーン)、もう一度清算しなおすか(ジーン、ピンク)、美しい記憶として前向きにとらえるか(兄)、日常に埋没させるか(母)。決着の仕方を他人に強要できないし、巻き込めない。
時と場合によってやり方を変えて対応したけど、人間同士で割り切れない部分もある。
ものに宿る記憶がドラマを生む。捨てる人と捨てられる人、忘れる人と忘れられない人。
無意識なまま捨てる側と忘れる側にならないように気を配りたいと思いました。
マリー・ローランサン曰く「死んだ女より 悲しいのは 忘れられた女」
エムも勝手にジーンに忘れられて辛かったろうに。それを近くで感じ続けるミー。
最後のシーンで母の想いより自分の気持ちを優先させたジーン。兄の心労を察します。
チェロを返却された友達との物語も気になるところ。
ジーンは最後に自分のしてきたことや至らなかったことを理解したのだろうけど、
それでも自分にとって最善の選択をする。
他人(父親)に大事にされた経験が少ないから他人を思いやれないのか?それとも、他人を犠牲にしてでも譲れない選択だったのか。
ドラマの山場が一転に集中している映画ではなく、わりと序盤から静かにアップダウンしていて退屈しなかったです。
あと、意外と日本製の馴染み深いものがタイにはあふれていました。
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