「片方が忘れても終わらない。両方が忘れて初めて終わりになるの」ハッピー・オールド・イヤー 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
片方が忘れても終わらない。両方が忘れて初めて終わりになるの
海外留学から帰ってきてイケイケのジーン。自らをミニマム主義者であると宣言し、早速"断捨離"を決行するリアリスト。でもね、平然と本屋で写メ撮っちゃうとこはNGだよ。そんなんだから友達が寄り付かないんだよ。
そんな出発点から始まるミニマム生活が、いろんなところで反故が起こる。そりゃあ、起こるべくして起こるわけだよ、自分の都合や主義を押し付けて、相手の事情や感情はまるっきり無視だもの。だけど、だからこそ自分の過ちに気付くことができたとも言える。当たり障りのない生き方をしていれば波風は立たないが、主張を曲げなかったことが、自分に足りないものに気付く近道だった。そのかわり、随分と自分も周りも傷ついたけど。
「みんな自分に最善の選択をする。みんな同じだ。」と言った。ただ、その行為が独善的でなく、相手を思いやる気持ちをもっているかどうか。すべてが丸く収まるわけではないが、せめて、自分も周りも少しでも幸せには近づける。
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