ACTION アクション!!のレビュー・感想・評価

突然歌い踊る「ムトゥ踊るマハラジャ」の頃を思い出すような典型的なマサラムービー。インド映画慣れしていなかったらナンジャコリャになったかもしれない事を思うと、大いに楽しめてしまった自分をほめたい。

内容はスパイアクションもの。意外と脳筋系の「ミッションインポッシブル」よりもよっぽどスパイ大作戦している。
スリルとサスペンス、そしてアクション、どうせ勝つとか、どうせ逃げ切れるとか、どうせ失敗しないとか、わかっていてもハラハラしてしまう勢いはインド映画ならではな気がする。

そしてなにより笑えるのがいい。これはコメディシーンなどについてではない。なので大概の人にとってはマイナスかもしれないが、自分にとっては違う。

まず冒頭で監督らしき人が、他所の国に行っても全員タミル語を話しますと説明してくれる。ナニコレ変に親切。面白い。
更に冒頭で、飲酒や喫煙は良くないよと警告文みたいなのが出るのだけれど、本編内で該当シーンになる度におそらくタミル語で「良くないよ！」と左下に出る。ナニコレ面白い。

女暗殺者のシーンで、多分この人だけだったと思うんだけど胸元にちょこちょこモザイクが入るのね。
そんなモザイク入れるくらいなら始めから露出の少ない衣装にしとけよと笑わずにはいられないし、モザイクも入ったり入らなかったりして基準が全然わからないのもまた笑える。ナニコレ一種の視力検査か？面白い。

扉を開けて三枚目が出てきた時に「この人味方だな」と妻。
主人公と悪役は二枚目でとにかく強く、三枚目はとにかく可哀想な目に合い、美女は過剰なほどに美女なインド映画あるある。
ナニコレキャラクター設定まで分かりやすい。面白い。

よく使われる音楽が主に二種類で、アクション場面のものと色恋場面のもの。これが非常に分かりやすくて、美女登場と色恋テーマだけでフォーリンラブ確定。
ナニコレインドのテンプレ分かりやすすぎ。面白い。

ハイクオリティ版アクションインド映画が最近のだと「バーフバリ」などあるけど、その低クオリティ版で、ハイクオリティ作品はもちろん良いけれど低クオリティには低クオリティの楽しさがあると思うのね。
絶妙にＣＧがショボかったり、今ワイヤーで吊られたなとかわかってしまったり、それが面白いんだよね。

無駄な長文である意味マイナスポイントばかり書いてしまったけれど、細けぇことはいいんだよの精神で観られるならば普通以上に面白い。

インドのスパイ大作戦でイケメンの主人公とインドの美女が大活躍する。
当然のことながら、途中で何回か歌と踊りがあり、緊張緩和かな。

そして長過ぎる。
ストーリーが面白いわけでもないからけっこう退屈。

題名通りアクションに力を入れてるのはわかるが、雑なCGとカメラワークで残念な感じに。特に肉弾戦の際、攻撃が当たる瞬間にカメラが切り替わるのがめっちゃ見辛い。
肉弾戦、バイクアクション、ハッキングやスパイ要素等、色々詰め込み過ぎてて忙しいし、それを可能にする主人公が万能過ぎてちょっと冷める。主人公補正が過ぎるぞ。
そしてインド映画定番のダンスと歌も長いし回数も多くてダルい。ミュージカル映画なら別にいいんだけど、アクション映画でダンスと歌に時間かけ過ぎんのはどうかと思う。