「制服はパスポート」THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)
制服はパスポート
iPhone 6(?)時代の話なのか、現在よりも少し前の設定らしい。
映画のテーマとしては「少女」であって、「CROSSING」に重点はなかった。裏社会を含む人間ドラマであり、恋物語でもあるが、政治・経済的な話ではない。
また、公式サイトの「世界の若者が直面する道徳的な問題に立ち向かう様子が本作では表現されている」というのは、ちょっと大げさだ。
ただ、「香港-深セン」だけでなく、日本の若い女の子にも通底する内容をもった話であることは確かだろう。
犯罪に走る少女の描かれ方は繊細かつ自然で、そこが一番の見どころかも。
話はややエグいが、直球勝負の“青春”映画である。
「2020東京・中国映画週間」で自分が観た映画の中で、本作だけが「電影管理局 公映許可証」の表示が出なかったと記憶する。
それでも、中国当局を刺激するような内容ではなく、ラストでは「現在は管理が厳しくなっている」的なフォローも入っており、気を遣っているように感じられた。
それにしても、日本に来る中国映画は、このようなリアルな肌合いの“ノワール系”が多いような気がするのだが、なぜだろう?
コメントする