THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女のレビュー・感想・評価
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ギリギリで紙一重の境界
深圳と香港の位置関係を分かっていなかったので、当然、大陸と香港間で通学する学生の存在も驚き。毎日、国境をまたぐというのもへえって感じだった。
国境を超える緊張感よりも、若い出演者の青春映画だね。恵まれない家族関係に反発し、日本旅行という逃避がささやかな希望になっている主人公。実現させてあげたい、危険なバイトはやめてほしい、と何とも親目線で見てしまった。
瑞々しく生活感のある若者の演技、街中の雑踏や裏社会の描写、スマホを巻き付けるシーンの緊張感と妖しい艶っぽさ、中国映画の質の高さを感じさせる。香港が中国になって、こういうテーマの作品は維持されていくのか、とても気になる。
無防備で危うい思春期の少女の描き方が秀逸
中国本土から香港の高校に越境通学する複雑な家庭で育った少女ペイ(ホアン・ヤオ)が、早熟な友人ジョー
(カルメン・タン)に誘われパーティーに行き、ひょんな事から「運び屋」として犯罪に手を染めていく様に目が離せなかった。
海で溺れそうになる少女の姿と、夜の街に漂う少女の姿が重なって見えた。
監督が捉えた、少女達のしなやかで活き活きとした描写が秀逸。
「これが香港ね」
BS-12を録画にて鑑賞
アジアン映画祭で観るか迷ったけど、他のにしといてよかったかな。TV...
アジアン映画祭で観るか迷ったけど、他のにしといてよかったかな。TVで十分。
実際ありそうな犯罪が書かれてるだけで、本人たちの感情があまり書かれてなくて残念。
自分も深圳↔️香港何度か行き来したのでああいう学生さんたちねというのは理解。
題材はユニークで興味深いが…
中国の一国ニ制度を背景に、香港と大陸部深センを越境通学する女子高生が、北海道旅行の金欲しさに、スマホの密輸に手を染めていくというユニークで興味深い作品。主人公も新垣結衣に似た感じで可愛らしく、青春映画にもなっている。
しかし、背景がある程度分かっていないと、それぞれのシーンが香港部なのか大陸部なのか、登場人物の関係がどうなっているのか、すぐには飲み込みづらい。
主人公と相手役が互いにスマホを体に巻き付けあうシーンなど、印象深いシーンはあるが、全体としては、それぞれのシーンがぶつ切りで終わって、羅列的になっているように感じた。
親子関係や友人関係も含めて「越境」することが作品全体のテーマだと思うが、主人公のエモーションをもっと描いてほしかった。
一方で、現実の社会政治情勢では、香港の中国化が進んで、こうした作品が作られなくなるだろうと思うと、感慨深い。
不安定さと危うさとちょっぴり希望
心情を映像化するのが上手い監督さんだなぁと感心しました。
離婚し別居してる父を頼りに行った食堂シーン。
ガラスに映る父と主人公のカット、ぜつみょー!
観ていただくとわかりますが、父は食堂の外でタバコを吸っているだけなんですが
ガラスに映ってる姿含め絶妙に「一つの絵」になっているんですね。
離れてる父の心まるわかり。
いやー、うまい、これうまい!(よくある手法なら、僕が不勉強です。。すみません)
それと、親友の彼氏との密輸準備シーンのなんとまぁ蒼いエロティックよ!
ただ、お腹に密輸商品を巻きあってるだけなんだけど、そこまで積み上げてきた
物語や、織り成し映し出してきた心情の結果至るこのシーンが、
色ーーーんな意味で危うい男女の関係性を映し出しています。
急いでいるだけの息づかいが、そうにも見えるような見えないような・・・。
うまいなぁって思いました。
とにかく全編に渡って映像で語ることがうまいです。
作品自体は主人公少女の家庭環境含め、また年齢的な面、人間関係の面で
不安定な心を埋めようともがいていく様を描いていますが、
考えすぎでしょうが、そのストーリーを使いながら
まさに今の政情に混乱する香港自体を映し出そうとしているのでは?
なーんて考えちゃいました。
あっちなのか?こっちなのか?どう進むべきか?
頼れるかつての親(英国)はもういないように思える・・・
自身達だけでいけるかなぁ?不安だなぁ・・・でみたいな。
深読みしすぎ?かな?
夜景はビクトリアピークじゃなくて、九龍ピークの方かなぁ?
主人公が母と夜景を見るときのセリフが、ズンと響きます。
本作品は、香港に生まれた「香港人」が自身のアイデンティティへの
静かで高らかな宣言なのではないでしょうか?
秀作です。
もうちょっとひねりがほしかった
香港で新しいiphoneが発売になると深セン側のイミグレで密輸犯が税関に捕まるのはもはや風物詩と言っても過言ではないが、それを香港生まれ、深セン在住の高校生が越境通学のついでに密輸にのめり込んでいくというお話を映画化したもの。
物語の流れを理解するには主人公が現在香港側にいるのか、それとも深セン側にいるのかを把握する必要があるだろう。例外もあったが大雑把に言えば広東語での会話の時は香港側、普通話での会話の時は深セン側だ。
私も仕事で香港~深セン間は何度も行き来したことがあるので、本作の背景やストーリーは非常に分かりやすかった。ただ結末もどうなるかは簡単に予想はできたのでもうちょっとひねりがほしかったところである。
香港のJKが住んでる香港(?)の今感がイイ!
最近の中国映画が注目されてます。
でも、この映画は"本当に国内で作れたの"って思っちゃうほどに、あからさまな中国の普段が
描かれています。(中国の映画も開けてきたのかなぁー)(中国国内で映画を学び、国内で撮ったんだから、凄いなー)だ言っても内容は
香港JKの今、香港、広州/シンセンの日常が、ドキュメントのように見ることができて、面白い(iphone6発売時の話なので、少し前だね)
北海道の話しが出てくるので、より身近に感じたのかもね。
脚本が監督のアイデアから生まれたのも、見ていて、すんなり映画に入り込めたのかも
(徹底したリサーチがベースで、監督の個人的な過去や情緒な点で構成されてないのが、素晴らしくいい)(日本の若手監督には、少ないね)
次回作も、監督作品は、必見です。
白雪とゆう名前は、忘れようにも忘れられないしね。
邦題の感じだとドキュメンタリーなの かなぁなんて思っていて、そ...
邦題の感じだとドキュメンタリーなの
かなぁなんて思っていて、それはそれで
面白いかもと鑑賞を決めていた作品。
先月の第三週に鑑賞。
「深圳」
「香港」
「iPhone」
2つの場所とスマホを巡るちょっとした
社会問題を軸に進む思春期成長ストーリー
主人公は高校生のペイ 。
全編にわたり街の雑踏さがよく判るけど、人口密度の高い人混みのなかで、
ペイの瑞々しさと透明感が光る。
ペイの親友ジョーの彼氏のハオ
ハオの短パンに長めのソックス姿と
ちょっと危なげな雰囲気が魅力
夕闇前の青みがかった空に煌めく
香港の街並みと、薄赤色に照らされた
あの部屋の色彩がとても印象的
薄赤色の部屋のなかの秘密の行為は
濃厚なキスよりも官能的
あのサメはここに住む人々を写す
メタファーだったのかな
ペイにもジョーにも雪の降るなかで、
いつか日本酒を呑んでもらいたいなぁ
想像していた作風とは全く違ったけど
大好きテイストの作品でした
中国の怖さを感じる
お金の為に危ない橋を渡ろうとする若い人は中国の女子高生に限らずどこの国にもいるだろう。この映画の問題はそこではない。香港と中国の深セン間で闇取引が頻繁に行われていて、それをいかにも青春映画っぽい作りに見せているけど、この映画は中国で制作されている事に中国の怖さを感じる。一国ニ制度を謳ってきたけど、そんなものは存在しない。スクリーンからそう語り掛けてくる感じがする。
主演女優が可愛かった
主演の女子高生ペイを演じている女優さんが、松井玲奈や新垣結衣と似たタイプの顔立ちで、表情が永尾まりやにも似て可愛かった。
背中にある、あれだけの後ろボタンをとめて登校するのは、毎朝大変だろうなと思った。
高校で仲の良い友達とクリスマスに日本へ旅行に行き、雪を見てみたいペイは、飛行機代を稼ぐために、制服を着た越境通学なら警戒が甘いのを利用して、学校がある香港から母と暮らしている深圳へ、新型iPhoneの密輸送に加担して行く。
香港・深圳の10代の生活が垣間見られて興味深かった。
一国二制度の狭間で
中国の深圳から香港の高校へ税関を通過して通っている女子高生が日本旅行の資金欲しさにiPhoneの密輸に手を染めていく青春映画。
組織犯罪を題材にしているものの基本的には友情、恋愛、家族の確執が物語の中核である。
ヒロインのペイは親友ジョーに誘われるがまま船上パーティーに授業をさぼって参加。泳げないのに海に飛び込んだり酒を飲んだり、大いに青春を謳歌する。両親は離婚していて父親はトラック運転手として香港在住。時々遊びに行くが父親が新しい家族とレストランにいるところに出くわすと何も言わずに帰るような気づかいもしていた。母親は定職につかない人間で男に貢いではカネだけ取られてしまうことも。こういった複雑な家庭環境を随所に見せながらヒロインの心の揺れを繊細に描いた佳作である。
因果応報について深く考えさせられる高校生版『運び屋』
主人公は深圳から香港の高校に通う女子高生ペイ。時折香港で別の家庭を持つ父の元をフラッと訪ねるが、普段は毎夜麻雀三昧の自堕落な暮らしを送る母と2人暮らし。そんな複雑な家庭事情を抱えるペイの夢は親友のジョーと日本へ旅行に行くこと。放課後にバイトをしたり手製のスマホケースをクラスメートに売ったりしてコツコツと小遣いを貯めながら放課後のわずかな時間を楽しく過ごしていた。ある日学校をサボってジョーと一緒に参加した船上パーティでハオと彼の仲間達と出会う。ジョーがハオと付き合い始めたのを横目で見ていただけのペイだったが、ふとしたきっかけでハオ達が密かに手を染めていた深圳へのiPhone密輸の片棒を担いでしまう。バイトとは桁違いの収入を受け取って味をしめたペイはその後も密輸を手伝い、少しずつ手口が大胆になっていく・・・という女子高生版『運び屋』。
複雑な家庭環境と社会情勢の中で辛うじてバランスを保っていたキラキラした放課後が少しずつ崩れていく様子を淡々と見つめるドラマに『82年生まれ、キム・ジヨン』や『はちどり』といった今年公開された他作品と通底する深い陰影が宿っています。『運び屋』にあった突き抜けた明るさは殆ど泣く、因果応報の果てに失うものと手元に戻ってきたものが果たして等価と言えるのかを深く考えさせられる小品です。
評価二分の作品だが
私は良かったと思う。
香港と深圳。一国二制度の政治で渦中の街。かたやAI先進都市。その片鱗は全くもって出てこない。
まあ、5年前の物語だからね。
深圳から香港、越境通学の女子高生の青春物語。
逞しく生き抜く中国人女子高生を見事に描ききった印象。そういえば、主人公を演じた女優は、イップマンが道場開いた仏山市の出身であることをパンフレットで知った。
だから、広東語と北京語が自由自在なんですね。
アップルガール
深圳に住み香港の学校に通う16歳の女子校生が、iPhoneの密輸の運び屋になり巻き起こる話。
仲良し2人で今年の冬は北海道旅行!と意気込んで、お金を稼ぎ貯める主人公が、ある日出入境検査場を通りかかったら、入管に追われるパーティーで知り合った男にスマホを渡されて、裏の世界に足を踏み入れていく。
最初は巻き込まれだったが、自分から運び屋をやると言い出して、どんどんハマって行く主人公。
金目的から始まって、惰性なのか、背徳感にハマったのか、男に惹かれていったのか、はたまた母親の住む家に居たくないからなのか、明確には語られないけれど、そういう世界の恐さを知らず軽い気持ちで続けていく様にみえる。
友達とのやり取りをみるに少なからず男に対する思いもあったのかな。
大切なものを失うけれど、学んだことも大きい一夏の経験物語という感じで、あまり感情の振れがハッキリとは描かれず物足りなさはあったけど、なかなか面白かった。
画面から伝わってくる瑞々しさ
異世界を知れたり、擬似体験出来ることは映画の醍醐味の一つだと改めて感じる作品だった。
主演女優と映像の瑞々しさが素晴らしい。長回しも効果的。独特な音楽の演出も心の昂りを感じさせるおもしろい作品!
香港JK青春アンダーグラウンド物語
主人公のビジュアルが美少女の一歩手前でリアリティある。
日本のJKも様々な形で稼いでいるけど、iPhoneの運び屋がシノギになる設定は我々日本人にとっては縁遠いファンタジーで、なかなか面白かった。
そのアンダーグラウンドと三角関係の青春がストーリーの2本柱なんだけど、感情の描写の演出が控え目で惜しい。
ミニマルテクノのBGMが近代香港に似合っていて好き。
喜怒哀楽が見えてこない
現状の香港の騒ぎを察して本作品を見に行きましたが、あまり関係が無い内容ですね・・・
中国に住み香港の学校に通い、現在の中国のある意味問題点である貧困と富の差に襲いかかっている人間の価値観のちがいなどで行る人間関係などで悩む女子高が、中国と香港の間にあるこれも問題のひとつである関税の事で、徐々に密輸に手に染めていく話なんですが・・・・
お話としては別に特別に悪くも無く、題材もいいのですが、本作品の制作する方の作り手の手法が私と合わないかな・・・
作りては、何ともシュールに作り上げているのだろうけど、まるで緊張感や人物の感情論などが上手く出てこないと言うか、こちらに伝わらない・・・
見ていてイライラするかな・・・・
もっとこれが爽やかな青春映画だからこの手の表現方法でも良いと思うけどね・・・
作りては、ドキュメントタッチで作り上げている感覚なんだろうけど・・・いまひとつ伝わってこないよな・・・
演じている方はなかなか芸達者の人が集まっているのだから・・・私の視点から言えば勿体ないとしか言葉が出ない・・・
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