「少女目線の「戦争」が分かりやすく描かれていました」ヒトラーに盗られたうさぎ ニッカさんの映画レビュー(感想・評価)
少女目線の「戦争」が分かりやすく描かれていました
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2020年12月31日@シネリーブル梅田
ヒトラーに批判的な父を持つリーバ・クリマロフスキ演じるアンナが家族とともにベルリンを離れ、スイス→パリ→ロンドンへと亡命する中で、様々な人や物との別れを経験しながらも、懸命に生きていく話です。
悲しいシチュエーションにも関わらず、前向きに生きる兄妹に惹かれました。
まず、この映画は戦争物ですが、ヒトラーはもちろん、軍服や戦争シーンも出てきません。おそらくアンナが戦場を知らないからなのでしょう。アンナ目線で広げられる映画が全体的にポジティブというかゆるっとしているように見えました。
本作で、「ヒトラーに盗られたうさぎ」がどういう意味を持つのかですが、
うさぎの人形とは、アンナのお気に入りです。それは、彼女が生まれ育ったベルリンの家、使用人のハインピー、アンナの名付け親のユリウスなどを意味し、ヒトラーの弾圧によって失ったものを指すのでしょう。
また、アンナが亡命するたびに大人びしていくという印象を受けました。
大人の気持ちを考えて言葉を飲みこんだり、大人の喜ぶよう騙されているフリをしたり、思いの詰まった場所に別れを告げてまわるアンナの姿や、いつかは帰れると指折り数えていたアンナが過去を捨てるシーンが印象的でした。
あとは余談ですが、アンナを演じたリーバ・クリマロフスキのパーマが可愛いです。
亡命先の街並みの風景が綺麗でした。
アウフヴィーダーゼーン
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