「アンナが手に入れたものとは?」ヒトラーに盗られたうさぎ あささんの映画レビュー(感想・評価)
アンナが手に入れたものとは?
ドイツ、スイス、パリ、ロンドン が舞台。スイスの広大な山々の景色はため息が出るほど美しかった。
私からすれば憧れの土地を転々とするアンナ。
しかしアンナの引越しはワケが違う。家族と共に言語の異なる地で逞しく、明るく、強く生き抜く。
そんなアンナがヒトラーに盗まれたものはウサギだけではない。家政婦のパインピーだって、ユリウスだって…。だけど、アンナが手に入れたものは?盗まれたものよりも大きいはず。
本作で再認識したことだが、子どもの柔軟性と吸収力は目を見張るものがある。
そして私がもう1人注目したのは、アンナの母、ドロテア。
ドイツにいた頃はお手伝いさんを雇い、夫人として何不自由なく暮らしていた。彼女が子どもを2人連れてスイスに入国するシーンや、パリでの貧乏生活にも屈することなく家族を支えるシーンからは、環境の変化により柔軟に変化し、強く、逞しく、美しく、しなやかに生きる彼女の姿には、勇気をもらえる。
プロレビュアーが書かれているように、withコロナの激動の時代に相応しい、前向きになれる良作ではないだろうか。
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