ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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生まれて着てくれてありがと。ただそれだけ
相変わらず内容色なん方が考察しているので、自分のための感想文です。
見終わったあと、個人的に見終わった後に母親に連絡したくなるような映画でした。
ほんとに色々考えさせられる映画ですし、特に家族とはと考えさせれます。特に自分は子供がいないのでそこまでほんとにわかっているのかと言われるとわかってないのかもしれませんが、それでも色々な家族の形があっていいのではないかと思いました。
そもそも、人が100人いたらみんな違う考え方なのだから、色々な意見があっていいし、色んな家族があって良いのにいつの間にか、世に言う普通と言う言葉に縛られているんだなとも強く思って自分ってダメだなと思いズーンとなったり。
凄く印象に残ったのが生まれて来てくれてありがとう、と言う言葉のシーンで、なんか自分にも言われてるようでなんか目頭が暑くなりました。僕達はその言葉を求めてるだろうし、その言葉で何度も救われてるな改めて思いました。それが家族であれ友達であれ恋人であれ。もちろん綺麗事じゃあねーかそんなの、色々迷惑かけてるやつもいるだろうがと言うのもわかりますが、それでも生まれてきた事に罪はないと私は思います。
色々な家族がいて良いし、色んな形で色んな思いがある家族が増えればよりいいなと個人的には思いました。逆にこう言うが普通すぎて映画にも取り上げられず、ニュースにもならない様になれば良いと思いました。
長々と読んでくれる方がいたらすいませんでした。
邦画で、このレベルのモノが作れない事に悔しさも感じつつ。
ソウルに向かう新幹線の中でのソヨンの心象表現にドキッてなった。まごう事なく、是枝作品の真骨頂ですよ。日の指す明るさの中では、自嘲気味の冷たい言葉。トンネルに入り表情を読み取れない暗がりの中では、弱さと本音を垣間見せ、再び明るさの中に入れば、また強がる。コレが灯りを消したホテルのベッドに仰向けになりながら、皆に語りかけるシーンに繋がって行きます。
韓国人監督の韓国映画にゃ、こんなの無いからw
もう、コレとか、観覧車のモザイク再現からの涙のシーンとか、是枝は死んでない!ってのを実感しました。
今月の「滑ってしまった失敗作」になりそうな映画の大本命だった本作ですが、とんでも無いです。なんで、あーんなに賞を獲りまくったのか分からなかった、あの韓国映画が想像レベルだったんですが、コレはガッツリ芯を食ってます。
良かった。とっても。
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(6/26追記)
考察、って言うほどのものでもありませんが少しだけ妄想。
「人身売買」の買い手は、あの夫婦だが、売り手側には実の母親がいるため、ブローカーとしてのサンヒョンとドンスの立件は検察次第。おそらく立件していない。つまりドンスはフリー。
ホテルで殺害された男は例のヤクザの組員で、4,000万ウォンは夫婦から受け取っていた赤ちゃんの売買代金だが、警察は売買代金として処理していない。ソウルの警察とプサンのスジンとは所轄も違うので、スジンが黙っていれば分からない。つまり、夫婦は人身売買の代金を払っていないとして裁判を受けている。よって罪が軽い。
ヤクザが殺害されたのは、サンヒョン達が泊まっていたホテルでは無く、ヤクザのホテル。4,000万ウォンを届けたサンヒョンが、その場で殺害。サンヒョンは「指名手配」ではなく「行方不明」扱いなのでソウル警察はサンヒョンを容疑者と特定できなかった。
ソヨンの罪は傷害致死だったが刑期途中で仮出所。ソヨンは「家族」で撮った写真を持っている。クルマの中には同じ写真が掛けてある。ドンスはソヨンに「みんなで家族になろう」と話しているので、運転手はソヨンにプロポーズしたドンス。ヘジンは未だ施設にいてヒッチハイクで逃げ出そうとしては連れ戻されているが、ソヨンの正式な刑期が終われば養父母の資格を得て養子になれる。
この時点でサンヒョンの居所は判らないが、クリーニング店はドンスが引き継いでいるので、ソンヒョンが帰る場所はある。ただしヤクザに赤ん坊の居所がしれるとマズいので、ドンスとソヨンはウソンを引き取れない。
と言う、ちょっと切ないラスト。
そこまで一人の赤ちゃんに関われるのか?
多分ブローカー達は赤ちゃんに情が移るんだろうなぁ、というところまでは予想出来ましたが、実際はどんな展開になるんだろうと期待しながら見たんですが。。
まさか捜査した警察官が預かって育てるなんて思いもしませんでした。ちょっと都合良すぎるというか。。そこまでたった1人の赤ちゃんにかかりきりになれるものなのか?
赤ちゃんポストに置かれて不遇な状況の赤ちゃんを毎回引き取るまで助けてまわることは現実的に無理というか。
正式な養父母になるなら育てるの分かるけど、赤ちゃんから預かるとミルク、おむつ、離乳食、すぐサイズの大きいものが必要になる服、保育園にしても毎日の送迎、遊び、教育。。。簡単に預かれるものではないはずです。経済的にも、時間的にもかなり割くんですけど、養父母でもないのに。
引き取ろうとしてた夫婦にも生みの母にも会わせるなら警察官は親になってないのに。何故ここまで関われるのか、あまりに現実的でなくてご都合主義に見えてしまいました。
またウソンちゃんは3歳にもなるというなら、はっきり言って警察官夫婦を親だと思ってるだろうし、今更養子縁組を申し出た夫婦や実母に会わせても子どものアイデンティティが混乱して。。逆に子どもが可哀想だと思います。落としどころとしてあまり腑に落ちなくて残念でした。
あと生みの母は何ヶ月か育ててから赤ちゃんポストに連れてきたのか?ブローカーの2人がビデオを消して誘拐したのはポストに置いた当日か翌日なのに赤ちゃんの首が座っていて違和感でした。
産んですぐ赤ちゃんポストに捨てたのなら首は座ってないので縦だっこ、縦向きの抱っこ紐は出来ません。産まれてすぐなら横抱っこしか出来ません。そしてもし、4〜5か月は育てたけど赤ちゃんの父親である男性を殺したから追われるので、逃げやすくするために捨てた、のなら既に赤ちゃんは生みの母にもっと懐いていると思うし彼女も子どもの少しの熱でうろたえるなんて。。本当にワンオペをしていた子育て経験が感じられない。
本当に産んですぐ連れてきてまともに育てた日数が少ないからうろたえた?ならやはり首の座ってる月齢がおかしい。つまりどちらの月齢にしても生みの母の演技設定に矛盾があるので物語に入り込みきれませんでした。
製作陣の誰も子育て経験無かったんだろうか。。
また、主人公のブローカー2人組は今まで何人も赤ちゃんを売り物として売ってきたはずなのに何故今回の赤ちゃんだけはいくら生みの母も売る現場に付いてくるというレアケースだったにせよこの赤ちゃんだけ特別扱いしたのか明確な理由が提示されず、モヤモヤしました。
映画の脚本としては、若いブローカーも捨て子で養護施設育ちで、でもお母さんへのモヤモヤした気持ちが今回の生みの母と話すことで「何かどうしてもどうしても俺を捨てなきゃいけなかった理由が母さんにあったに違いない」と気持ちを落ち着けることが出来て良かったし、
出来れば彼の提案通り、生みの母とブローカーの青年がこの子を育てる=プロポーズする、というシンプルなハッピーエンドになってほしかったです。
切ないないなあ。
赤ちゃんを売る仕事
ベビーロッカーに赤ちゃんを捨てるお母さん。
かって捨てられた人
家族と別れて暮らす人
家族になりたい人
事情のある人達が集まり
旅をするロードムービー
監督のテーマなんだな。
優しい人たち
赤ちゃん売買や殺人という題材を扱いながら是枝監督らしい優しい落とし所の物語
万引き家族のような擬似家族ものだけど、子どもとのコミュニケーションを挟むことで歳も年齢も違う赤の他人が自然に家族のようになっていく感じが良かったな
ラスト近くの「生まれてきてくれてありがとう」という言葉は泣けた
ブローカーのソンガンホの悪人なんだけど憎めない感じがうまかった
産んでくれて、ありがとう。
韓国映画だと思って観れば何か物足りなく、日本映画と思えば是枝色は感じます。
観覧車の中のシーンは印象に残ったし、子役の演技指導はさすが。
気になったのがエイミー・マンが歌う「Wise Up」が流れるシーン。
映画「マグノリア」を思い出した。何か特別な意図があるのか。それが知りたい。
世界を渡り歩くということ
是枝節というか監督自身も自分のメソッドがどれだけ世界に通ずるかということにチャレンジ
している作品群の一つと感じた
自分は、過去の日本の名監督作品を生(監督ご存命時)で鑑賞はしていない。その時はここまで映画を鑑賞する興味がなかったからである。では嬉々としてドブに金を捨てるが如く映画を観ている現在に、活躍する監督の動向を追うことが可能な一人が是枝監督だと、ありがたく感じる。
この人の作品なら観てみたいと思わせる方の一人だ。
今作品を鑑賞した人達の中でどれほどその想いに同調してくれる人がいるか分らない。だからこそ
試写鑑賞での酷評なんていう、無料で棍棒を振るう様な輩にどうにも我慢が出来ない。観に行くなと言いたいし、そもそもディスリありきのゲス野郎なのだと思うのだが、反論があったらどうぞコメント欄に^^
確かに、現在の韓国と日本の映画作品の方向性はベクトルが違っている。特に穏やかな分だけ邦画の勢いは弱く見える。それは歴史や民族性、過去の痛ましい関係性等々、複雑な要素で説明可能かもしれないが、しかし、上記の通り、その方向性を跳び越えようとするコスモポリタンな個人は必ず出現し、物議を醸すが一滴の破壊力は徐々にドミノのように拡がる。
今作品、韓国では不人気、日本では何故日本人俳優を起用しなかったのか、というネガティヴな批評が渦巻くであろうことは難くない。鑑賞した誰もが感じる、イ・ジウン=松岡茉優 カン・ドンウォン=坂口健太郎 等々、充分当てはめられる俳優がいたにも拘わらずだ・・・
なかなかソン・ガンホに当てはまる俳優は見当たらないが、線は細いがリリーフランキーでも観客はそれなりに納得したかと思う。勿論、そもそもが韓国の映画界とコラボをしたいという監督の意思がきっかけでの、周りの大人の皮算用がここまで膨れあがってスタートには違いないが、それでも是枝監督の”肉を切らせて骨を切る”強かさには尊敬する。先ずは交わる。そして結局は自分の世界を浸透させる。韓国の映画界も多分充分な成果をもたらしてくれたことだと思う。なにせこんな形で日本のマーケットの侵略の足掛かりをもたらせてくれたのだから…
結局、強かさが足りず、脊髄反射のように否定ばかりするアンチ是枝な連中、今作品をフラットに観れない、韓流ドラマアディクトな連中には、主人公のソヨンのような自由さは羨ましいだけなのだろう。
観覧車内でのシーンに感動しない者は、今後絶対に今監督クレジットの作品は観ないこと、ましてやレビューなど表明しないこと願うばかりだ
"あざとい演出に…またか?"な映画
「あざといなぁ…相変わらず」
観終わっての最初の感想が、これ(笑)
良くも悪くも、いつもの是枝節でした。
個人的には、赤ちゃんが養子縁組先の女性から母乳を与えられる場面からの、ドンスとソヨン(赤ちゃんの実母)が観覧車で対話する場面がピークでした。
とても生身な人間臭さが漂っていて、思わず涙腺が緩んでしまいました。
その他は…
この監督は、台詞や演出に変な"ひねり"を加えて来て、素直に胸にストンと落ちて来ないんですよね…。既視感のあるものにしたくないのか?よく分かりませんが…笑
是枝作品が好きな方は、十分満足の行く作品ではないでしょうか…。評価も良いようですし…(笑)
*刑事役の女性が、Aimee Mannの"Wise Up"が町のBGMで流れて来た場面で、夫に「昔、観た映画…云々」とセンチメンタルになる場面があるけど、それ『マグノリア』やん。
わしの1番好きな洋画や、それ!
そういう音楽の使い方とか、ほんとあざとくて"クサイ"…もうやめてくれ、頼むから。
カエルは間違っても降って来んよ…。
生まれてきてくれてありがとう。すべては赤ちゃんのために。
恵まれない出自を持つ人達と祝福されずに生を得た赤ちゃんが主人公である。彼らは話が進むにつれ「万引き家族」がそうであったように疑似家族となっていく。それは微笑ましくもある。
過去の是枝作品である「万引き家族」「そして父になる」「海街diary」に出てくる人達も恵まれない出自の子どもだったり、あるいはそうした過去を抱えた大人たちである。この監督の得意とするこうした設定は僕自身の心を揺さぶり涙腺をひどく刺激する。弱いんだなあ。こういうの(自分語りはしないけど金持ちのボンボンである学生時代の友人は「万引き家族」のどこが良いのか分かんないって言ってたな)。
この映画のラストは目まぐるしく、残された赤ちゃんは「どうなるんだ」と心配になるのだが、それは杞憂に終わる。何が何やらという感じでクライマックスを迎えるが、結局はすべての人達は赤ちゃんの幸せのために動く。疑似家族のようだった大人たち(一人の小学生を含む)は自分達の二の舞にならぬよう、また女刑事や養父母になろうとする夫婦の思慮深い行動は赤ちゃんを助ける。
「万引き家族」とは異なり、ハッピーなラストでした。めでたしめでたし。
【”生まれてきてくれてありがとう。”と一度は我が子を捨てた女性は、共に旅をする”疑似家族”達一人一人の名を呼びながら言った。”家族の形とは何だろう。”とロードムービー形式で問いかけてくる作品である。】
■是枝監督が、拘りを持って描き続ける、様々な”家族”の姿。
今作は血のつながりもない哀しき過去を持つ5人の”疑似家族”
ー社会から疎外された人たちー
が、若き女性ソヨン(イ・ジウン)が産んだウソンを売るために、韓国各地を借金塗れのサンヒョン(ソン・ガンホ)のオンボロのバンで旅をする中で、徐々に心を通い合わせて行く姿を、是枝監督が温かき視点で映し出している作品である。
◆感想
・冒頭、雨降る夜、一人の女性が赤ちゃんを教会の”赤ちゃんポスト”の中では無く、前に置いて去るシーン。”必ず、迎えに来るからね”と言うメモを残して。
ー ソヨンは何故、ウソンを赤ちゃんポストの中に入れずにその前の地面に置いたのか。そのままでは死んでしまうのに・・。
私は、大きな罪を犯したソヨンも自ら死のうと思ったのではないかと解釈した。大罪を犯した子として我が子が施設に入れられる事を懸念して。
だが、ウソンが、博打により借金塗れとなった妻女と別れたサンヒョンや施設育ちのドンス(カン・ドンウォン)により、”金を稼ぐために”連れ去られた事を知ったソヨンは、死を選ばずに彼らと自らの子と共に旅をする決断をしたのだろう。-
・ウソンを売るために、サンヒョンのオンボロのバンで”疑似家族”が共に旅をするロードムービー形式の設定にした事が、この物語を豊饒なモノにしている。
・血の繋がりがないのに、限られた狭きバンの空間の中で彼らは、徐々に打ち解けていく。それまで偽名を使っていたソヨンも本名を名乗る。
ー そして、観る側は、彼らが哀しき過去を持つことに、気づいて行くのである。ー
・旅の途中で、ドンスが門の前に置かれていた施設を”疑似家族”が訪問するシーン。皆に歓待されるドンスの姿。
ー 彼の家族は、血が繋がっていなくとも沢山いて、施設が彼にとって大切な家である事が分かる。ー
・出発したバンの中には、サッカー好きのヤンチャな男の子ヘジンがいつの間にか、乗っていた。”疑似家族”が一人増えたのである。
へジン(羽星と書くらしい・・。”遠くまで行けるようにという意味だよ”とソヨンが優しく言っていたね。)が旅に加わる事で、物語は温かいトーンになって行く。
・彼の悪戯により、皆がびしょ濡れになったり、ウソンが熱を出してしまった時にも、皆で病院へ直行する。
ー 赤ちゃん売買は、勿論、罪である。
だが、今作でウソンを売ろうとするサンヒョンやドンスは自らの哀しき過去故からか、ウソンの面倒をキチンと見て、大切にしている。ー
・ウソンを買いに来た夫婦が、ウソンの顔を観て値段を下げ、更に分割払いを提案してきた時の、ソヨンが血相を変えて罵るシーンも印象的である。
・そんな”疑似家族”を冒頭から尾行する刑事コンビのスジン(ペ・ドゥナ)、後輩のイ(イ・ジョユン)の姿も、何だか可笑しい。現行犯逮捕を目論む彼女達は、時には”囮夫婦“まで使うが、巧く行かない。
ー 彼女達も、少しづつ、この”疑似家族”が好きになって行ったのではないだろうか・・。-
■沁みたシーン
・ホテルの一室で、ソヨンが部屋の電気を消し、皆の名前を一人一人呼び”生まれてきてくれて有難う”と言うシーン。
そして、彼女は最後に、ウソンに対し、”生まれて来てくれて有難う”と言う。それまで、愛情が移ってしまうことを避けるために、敢えて深く接しなかったのに・・。
- ”疑似家族”の結束が、更に高まったシーンであると思う。-
・観覧車の中で、ソヨンとドンスが会話を交わし、ソヨンが静に涙を流すシーンも、心に沁みる。
<ラストも良い。
サンヒョンは、ウソンを守るために大きな罪を犯す。
一方、自首したソヨンの満期出所を待って少し大きくなった、ウソンの面倒を見るスジン刑事夫婦の海岸での楽し気な姿。
是枝監督が書き下ろした、瑕疵なき脚本の秀逸さは言うに及ばず、監督の”社会の弱者”を温かき視点で描いた作品である。
今作の随所で微かに流れるアコースティック音楽も、作品の趣を高めている作品でもある。>
■2022年6月25日追記
・申し訳ありません。今作品、一晩考え、当初、4.0にしていましたが、4.5に上方修正させて頂きます。
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