ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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各シーンはハイクオリティ、でもトータルとしては妙にアンバランス
うーん…万引き家族がインパクト大だったので、あの是枝監督が海外で撮った作品ということで色々と期待値が上がりすぎていたのか。。
なんというか、色々あったけど最後は小綺麗にまとめたなあ、という印象でした。まあ、タイトルからしてその印象はありましたが、登場人物に毒が無さすぎるというか…登場人物(脇役含む)の言動やバックグラウンドが用意されたもの感が強くて感情移入できずサラサラと鑑終えてしまった感じです。言葉を選ばずに言えば浅薄。
列車移動時のトンネルでの陰影の使い方、車の窓に張り付いた花びらを取る仕草、観覧車での目隠し会話やモーテルで電気を消して感謝を伝える場面など各所で見どころは多くあったのですが、なんというか全体で有機的に繋がっておらず、各シーンで良いカットを撮るためだけに用意された設定、演技、演出の感が強い。
もう少し俯瞰的に見ても、ブローカーという設定、序盤のビデオを消したりするところのやりとり(結構洗練された犯罪組織なのか?と思ったら全然そんなことなく、何の伏線などでも無くただのバイトやクリーニング屋さん)、警察の執拗さ(ここまで四六時中張り付くような事案なの?てか利用とか言ってるけど、殺人事件の犯人逮捕の方が圧倒的に優先事項では?)、疑似家族としてのやりとり(何だかんだ道中みんな仲良しで特に変化なし、ヒロインと警察との取引って必要だったの?)などなど、それぞれが妙にアンバランスで。韓国の人が見たら色々共感できるのかなあ。。
大きなお世話かもしれませんが、是枝監督が本当に表現したかった作品になっているのか疑問です。キャスト、スタッフと細部までしっかりコミュニケーション取れていたのかなあ…韓国側の関係者のスキルの高さは伺えましたが、うまく監督の表現したいテーマとそこが噛み合ってなかったような感想を持ってしまいました。
期待して見たが、「う~ん、どうなんだろう」な作品
カンヌ映画祭で、ソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞した話題作なので、期待して見に行った。
まず、設定が面白い。産んだ子を赤ちゃんボックスに預ける若い母親。その赤ちゃんを密かに売るブローカーと彼らを追う刑事。ブローカーと母親が一緒になって、養父母探しに出るロードムービーだ。是枝監督が「家族のあり方」をどう見せてくれるか。
カンヌでは、上映後スタンディング・オーベーションの拍手が12分間続いたそうだが、少なくとも私はそういう気にならなかった。生まれた命やその人生がテーマなので、監督のヒューマニズムを映像で提示することが必要だと思う。しかし、部分的にはあったが、後半の展開が全体の構成を壊してしまったまま終わり、私には「?」だった。
愛情深いブローカー
赤ちゃんを捨てる
赤ちゃんを育てられない親
ソヨンはこの愛情あるブローカーに
よって助けられた…と思う
この二人と行動を共にすることで
家族の様な役割をもって生活できたし
赤ちゃんとソヨンを守ってくれた
それによってソヨンは更生する気持ちにもなった
メッセージ性としては
生まれてきてありがとう
という言葉で締め括られているけど
…ちょっと弱い
どこか核心に届いていない
たどり着いていない気がする
少し物足りなさを感じた
親から見放された子供
どうして自分は親に
捨てられたのか
捨てるれた子供は
捨てた親の気持ちを知りたい……
予想以上に
赤ちゃん売買人(ソンガンホ)が
愛情深く愛嬌もあって
いい味を出していた
特に洗車の場面は大笑いです
家族の様な和やかな雰囲気
…ベイビーブローカー
里親探しとは違い
お金で赤ちゃんを売買するので
…犯罪です
万引き家族の様な疑似家族
そして赤ちゃんの里親を探して
赤ちゃんが来ることを
望んでいる夫婦を見た時は
朝が来るの様な印象を受けた
刑事役に
空気人形に出ていたペドゥナも
見られたので良かった~
皆それぞれに母親との過去を持っていて
母親と子供の関わりを描いている
是枝監督は
…疑似家族も助け合う家族
…人生やり直しができること
是枝監督の想いが詰まってます
今回初めて是枝監督の映画を劇場で
観ました
追う側、追われる側のドラマ
赤ん坊を捨てた母親。
その赤ん坊を拾って、売ろうとする男二人。
その三人をおう刑事。
それぞれに問題を抱えなが、旅をする。
まさに群衆劇として、これほどまでにドラマをしっかりと見せ、それぞれのキャラクターに感情移入せずにはいられなかった。
こんなにも魅力的なキャラクターを描ける是枝監督は本当に天才だなと感じた。
余談になるが、『ショーシャンクの空に』のラストで、監督はアンディとレッドの再開する場面までは描かないつもりでいたが、プロデューサーの「文芸作品でなく、エンターテインメントを作っている」と言う一言で、再会するシーンまで描いたとの事だっが、この映画では、それぞれが遊園地で再会しに行ったような表現で終わらせている。
この映画は、純粋にエンターテインメントではなく、文芸作品にしているのかもしれない。
だからこそ、カンヌで選ばれたのかもしれない。
様々なカタチの家族を描いてきた是枝監督の、これは一つのanswer
『真実』は仏日共同製作だったが、こちらは韓国映画で、是枝裕和初の海外単独資本の監督作品。
カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークらを揃えた『真実』は正直是枝監督作品の中でまずまずであったものの、仏米のトップスターを日本人監督が演出するなんて日本人として誇らしかったが、こちらも一切引けを取らない。
ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナら韓国を代表するトップスターたち。
何と言っても、是枝裕和×ソン・ガンホ!
『万引き家族』の監督と『パラサイト 半地下の家族』の主演俳優という、カンヌ国際映画祭パルムドール覇者がコラボ!
現在考えられる、アジア圏屈指の監督と名優の贅沢夢の顔合わせ!
是枝監督作品好きでソン・ガンホ好きの自分としては、今年の作品の中でも特に見逃せない一本だった。
様々なカタチの“家族”を描いてきた是枝監督だが、本作もそれに纏わる。
“赤ちゃんポスト”。
正直それがどういうものか詳しく知らなかったが、本作で見知り、後からWikipediaで調べて衝撃。
何らかの理由で子供を育てられない親が、特定の場所に設置されたポストに子供を預ける。
…いや、はっきり言おう。我が子を“捨てる”。
“物”や“ゴミ”ではないというのに…。人の命を何だと思っているんだ? ましてや、我が子を。
親にも苦悩の末の理由があるのは分かる。生活苦、子供を育てられないような状況、自ら下した親の資格ナシ…。
劇中のある台詞が響く。「育てられないなら産むな」
日本にも2ヶ所あるという赤ちゃんポスト。
『そして父になる』製作中に存在を知り、企画を考え始めたという。
ならば何故日本映画としてではなく、韓国映画として?…と一瞬思うが、韓国の赤ちゃんポストの数は日本とは桁違いだという。
日本より韓国での方がしっくり来る題材で、折しも海外進出。ソン・ガンホら韓国人キャストと兼ねてから仕事したかったという熱望もあり、タイミング的にも熟したと言えよう。
赤ちゃんポストが題材だが、ただそれだけが主題ではない。
ある赤ちゃんを巡って、それぞれの事情、立場が交錯していく。
ある雨の夜、赤ちゃんポストの前に赤ちゃんを置いていく若い母親。
それを離れた車の中から見ている二人の女性。
若い母親が居なくなってから、二人の女性の内一人が、赤ちゃんをポストへ。
するとその赤ちゃんを、児童養護施設の若い男と中年の男がこっそり連れ去る。
中年の男=サンヒョンと若い男=ドンスの裏稼業は、子宝に恵まれない親に赤ちゃんを売買する“ベイビー・ブローカー”。
二人の女性は、刑事。先輩のスジンと後輩のイ。“ベイビー・ブローカー”の情報を追い、現行犯逮捕しようと張っていたのだ。
サンヒョンとドンスの目的は、赤ちゃんの売買。
スジンとイの目的は、逮捕。
が、ここで思わぬ事態が。一度は赤ちゃんを手離した母親=ソヨンが思い直して、赤ちゃんを連れ戻しに来た。
赤ちゃん売買の事がバレてしまったが、すでに“買い手”が決まり、里親探しの旅にソヨンも同行する事に。
そんな彼らの後を追うスジンとイ…。
里親探しに実の母親が同行するって、オイオイ…。安心して預けられるかどうかの“品定め”でもある。
最初の交渉相手の夫婦が赤ちゃんを見るなり、眉毛が薄い、父親の職業、分割払いなど難癖や注文を付けてくる。
ブチ切れるソヨン。腐ってもこの子の母親。私が認めたいい夫婦にしか譲らない!…って、そもそも赤ちゃんを手離したのはアナタですよ!
…と言うように、ユニークで一癖も二癖もある人間模様。
赤ちゃんを売買するなんて当然犯罪。でも、やってる本人に悪意はない。サンヒョン曰く、“善意”。
普段はクリーニング店を営み、借金に追われるサンヒョン。だからどうしても金が要る。
養護施設で働く好青年のドンス。実は彼も赤ちゃんの頃施設の前に置き去りにされ、施設で育った身。
ソヨンも赤ちゃんが絡むある“訳アリ”が…。
各々が何かしら複雑な事情を抱えている。
ここに、施設の少年も同行。
基本各地をドライブし、窓を開けて洗車してはしゃいだり、端から見れば“仲良し家族”そのもの。
何かを抱えた者同士が集った時、家族以上の“家族”となる。
やってる事は犯罪だけど、彼らの交流が温かい。
そんな光景を、スジンは…。
法の番人である以上、法で取り締まるのは正しい。
が、自分たちがやってる事は、赤ちゃん一人のこれからに影響が出るのではないか…?
それがいい方か悪い方かに転ぶかは分からない。
もっと分からないのは、“子供を捨てる”という行為。
スジンは夫との間に子供が出来ない。
だからこそ一際、子供を捨てる親の気持ちが理解出来ない。
彼女が逮捕するのは、自分たち夫婦のように子宝に恵まれない親に赤ちゃんを売買する輩。
何かこれ、皮肉にも感じた。
最も複雑な板挟み状態なのがスジンなのかもしれない。
とあるホテルで暴力団幹部の男の死体が発見。
この男こそソヨンの赤ちゃんの父親であり、ソヨンは男を殺して逃げてる身。
暴力団員も赤ちゃんの行方を追う。
そんな時、これ以上ないくらいの好条件で赤ちゃんを買いたいという夫婦が。金額的にも良し、何よりこの夫婦の性格も良し。
決めたいサンヒョンとドンス、決断か否かのソヨン、またとない逮捕の機会のスジンとイ。
“赤ちゃんポスト”から始まった幼い一人の赤ちゃんを巡るそれぞれの思惑の行方は…?
赤ちゃんの幸せか、自分らにとっての良き結末か…?
キャストたちのアンサンブル演技がやはり魅力。
本作で韓国人俳優初のカンヌ国際映画祭男優賞を受賞。ソン・ガンホの人間味たっぷりの味わい深さ。是枝監督とも阿吽の呼吸だったという。
カン・ドンウォンも複雑な役柄を好演。
特に難しい役所をこなしたのは女優陣。刑事役のペ・ドゥナ、母親役のイ・ジウン、母として女性としての苦悩や姿を体現。
ズバリ本作、ハッピーエンドな形で終わる。
韓国映画のこういう社会派題材や『そして父になる』『万引き家族』で観客に委ねてきた是枝監督としては意外な気がした。
ひょっとしたら本作は、これまで投げ掛けてきた“家族のカタチ”の、一つのanswerなのかもしれない。
突き刺さる台詞もあった。
「産まれる前に殺すのと産まれてから殺すのと、どう違うの?」
だけど本作は、誰もが一人の赤ちゃんの幸せを願い、思いやっている。
そこに、優しさを感じた。answerは、是枝監督ならではの優しさであった。
だからこそ、この台詞が響く。
「産まれてきてくれてありがとう」
私的3つの弱点を感じるも、終盤のシーンの到達にやはり素晴らしい映画であるとは
(完全ネタバレですので、必ず映画を見てから読んで下さい)
個人的にはこの映画『ベイビー・ブローカー』には以下の3つの弱点を感じました。
1.養護施設出身の人(ユン・ドンス)が赤ちゃんブローカーに関わるだろうか?
2.例えどんな善良な夫婦だとしても、相手の素性を良く知らないまま養子を引き取るなどあるだろうか?
3.女性刑事の描き方が中途半端になっていたのでは?
1.の問題は、(私はよく理解出来ていなかったのですが)赤ちゃんポストで赤ちゃんを迎えに来るというメッセージが添えられていた場合に、その赤ちゃんは親の迎えを待つために養子縁組はされずずっと施設に預けられる。
しかし大抵の親はそのメッセージに反して赤ちゃんを迎えに来ず、それは不幸だ、というのが、養護施設出身のユン・ドンス(カン・ドンウォンさん)がブローカーに関わる理由だったようです。
しかし、その描かれ方はサラリとしていてしっかりと伝わって来ていませんでした。
この解釈(親が迎えに来るメッセージが添えられた赤ちゃんは逆に見捨てられ不幸になる)の動機のまま、養護施設出身のドンスの行動を理解すると、ドンスは100%善意の人になってしまいます。
しかし、100%善意の人が赤ちゃんブローカーに関わることはあるのでしょうか?
もっと別の安全で公にも褒められるやり方を選択していたのではないかと思われます。
つまり養護施設出身のドンスが赤ちゃんブローカーに関わるのであれば、100%善意でない別の理由が必要だったと思われます。
それが明確に描かれているとは思えませんでした。
2.の問題は、例え善良な夫婦だとしても相手の素性を良く知らないまま養子を引き取るなどあるだろうか?の問題です。
今回は特に殺人犯の赤ちゃん(子)になります。
どんなに善意な人であっても、殺人犯の子を自身の子として赤ちゃんから育てるというのは相当な乗り越えが必要だと思われます。
親の素性が良く分からない赤ちゃんを引き取る夫婦はいるのだろうか‥の疑問に対して、この映画では明確に答えられているとは思えませんでした。
3.の問題は、女性刑事の描き方の問題です。
アン・スジン刑事(ペ・ドゥナさん)とイ刑事(イ・ジュヨンさん)は、赤ちゃんブローカーであるハ・サンヒョン(ソン・ガンホさん)とドンスを逮捕するために、赤ちゃんの親のム・ソヨン(イ・ジウンさん)とも内通しながら尾行しています。
スジン刑事・イ刑事の2人は、サンヒョンやドンスが赤ちゃんを売らなければその罪で逮捕できないので、まるで女性刑事側が赤ちゃん売買に熱心かのような逆転現象が起きています。
ところで私はこの女性刑事の描かれ方が中途半端だな、とは思われました。
是枝監督の『万引き家族』では、(私の記憶が違ってなければ)刑事は最後以外は出て来ません。
なぜなら、『万引き家族』では、法的には万引きや子供誘拐の犯罪を行った”家族”を、そのような分かり易い法的な結論理解から先延ばしすることで、私達と変わらぬ人間であることを伝える必要があったからです。
そのために『万引き家族』での刑事の登場は最終盤に引き伸ばされる必要があったと思われます。
ところがこの映画『ベイビー・ブローカー』では、サンヒョンやドンスに関わるスジン刑事・イ刑事の2人の刑事は初っ端から出て来ます。
するとサンヒョンやドンスは(本当は)法的に犯罪の分かり易い結論に初めからさらされることになります。
犯罪者と刑事が双方出てきて、カットバック的に双方の事情を描いて、立体的に映画あるいはドラマを見せるのは全く普通のやり方です。
しかし是枝監督の作風としては、ドキュメンタリー風に登場人物の心情について行く表現方法なので、サンヒョンやドンスが主人公である限り、スジン刑事・イ刑事の描き方は比較的には風景的にならざるを得ません。
是枝監督の作風としては、犯人はこうだ、一方その頃刑事たちは!‥のような具体的で際立つカットバック的な描き方は全く合わないからです。
もちろん『万引き家族』のように刑事を最終盤以外は出さないという手もあったと思われます。
その方が分かり易くもっとサンヒョンやドンスや母親のソヨン達に感情移入が出来たかもしれません。
しかし是枝監督はもうそれは『万引き家族』でやったので、次の新たな表現のために今回の2人の刑事を初っ端からの登場させるやり方をしたと思われました。
ただ、であるなら、もっと特にスジン刑事の背景を(セリフでなく)具体的な描写で描く必要があったと思われます。
もちろんスジン刑事の背景は伝わりはしたのですが、場面の積み重なりとしては若干弱かったと思われました。
様々立場の人物の際立つカットバック的な描写は、是枝監督の作風を弱めてしまう危険性があり、だからこそ刑事の方の描写の踏み込みが(一見は描いてるようで)弱くなったように感じれらました。
(※あとは上で挙げた3点以外に、赤ちゃんブローカーに対する韓国社会としての立ち位置が正解なのかの疑問はありました。
私的には、韓国映画は最後暴力的で決断的、日本映画は曖昧だけど横断的、という一長一短があると感じています。
やはりその国で育った人は本当の意味で深度を分かっているその国で映画を撮った方が良いのではないか、との引っ掛かりはありました。)
ただしかし私的な様々な弱点をこの映画に感じながらも、観覧車の場面で、子を捨てる母親であるソヨンと、母から捨てられた子であるドンスが、疑似的な母子の会話を交わす場面は、感動する他なかったと思われます。
また、ホテルでソヨンが「生まれてきてくれてありがとう」と疑似的な母になって皆に伝える場面は、この映画の優れた到達を感じ、素晴らしい作品であったと言わざるを得ないと思われました。
観覧車の場面と最後のホテルの会話の場面に説得力があったのは、ひとえにそこまで積み重ねられた丹念な映画の時間があったからと思われました。
『ベイビー・ブローカー』は、私的弱点を感じられながらも、それを凌駕する素晴らしい作品であったことは間違いないと思われています。
初めて見る是枝監督作品です
この映画のテーマは「生まれてきてくれてありがとう」なのかな…と思いました。
この擬似家族は長く一緒にいたように感じたけどほんの数日?1週間くらい?
途中からは、もうこのままずっと一緒にいちゃいなよ。赤ちゃんを誰にも渡さずにみんなで育ててほしいよ。って思いながら観ていました。
洗車機に入ってびしょ濡れになるシーンが一番好きです。
最後にもう一度みんなで洗車機に入ってびしょ濡れになってほしかった…
「赤ちゃんポスト」には是非があるとは思う。
産まれる前に命を絶つのは良くて、産んだ後に捨てるのは罪なのか。
母の気持ちは「捨てる」ではなく「託す」なのかも。
命の売買はもちろん罪だと思う。
でも孤児として育つのがいいのか、養子として育つのがいいのかそれはわからない。
孤児として育ったヘジンは養子になりたがっていたがサンちゃん達は年齢的にもう手遅れだと言っていた。
養子として育てられても途中で実子が生まれたりすると問題が起こる場合があるとも言っていた。
ラストで女刑事さんの家族と暮らす赤ちゃんを見た時、犯罪者が母親になる資格はない!って子供を奪われたのかと思った。でもそうじゃなかった…
5人そろった笑顔の姿が見れなかったのはさみしいけど、赤ちゃんの未来はいくつも選択肢があって明るくひらけているよっていうことなんですよね。
最終的にはいい話…かな?
基本、できるだけ
事前情報を入れないで見るけど、
この作品は、
事前に韓国事情というか
地理くらいは
入れておいたほうがよかったかな。
ロードムービー的なとこもあるから
距離感とか、田舎か都会かとか
よくわかんなくて何となくで見てた。
パンフレットには地図が載ってて
「あぁなるほど」ってなった。
最終的には逮捕されちゃうから
ハッピーエンドじゃないんでしょうけど、
当初の目的とは変わって
赤ちゃんのためにってなってて
「これで良かった」って感じ。
爽やかな終わり方です。
そういえば以前、クリーニング屋さんが
「映画で『貧しい人が就く職業』って
扱われることが多くて嫌だ」って
「万引き家族」のときに言ってたけど、
コレも主人公クリーニング屋さんですね。
生命の讃歌
ベイビー・ブローカーによって描かれる
生命の讃歌。
非人道的に思える行為の中に滲む優しさと赦し。
血縁や過ごした時間では括れないのが家族。
赤ん坊を捨てたソヨンが
おそらく初めて経験したであろう
家族らしさや温もり。
徐々に柔らかくなる表情が愛しい。
ネタバレ。劇中で考えされれた台詞。
生まれる前に殺すのと
生まれてから捨てるのでは
どちらの罪が重い?
ばぶー👶
どの人が主人公か、途中で分かりにくくなりました。ちょっと話を詰め込み過ぎのような感じがして、残念でした💦
結局、いろんな人が赤ちゃんをたらい回しにする結末になるのでしょうか…。
途中でも、ホイホイ、赤ちゃんをやりとりしてなんかモノ扱いのような…。
赤ちゃんは、犬や猫ではないのに💦
赤ちゃんの扱いが雑な感じがし、残念でした💦
でも、血縁だけを重視しない家族の在り方を肯定する監督の思いは伝わりました。
ソン・ガンホを撮りたかった気持ちもしっかり伝わってきました。
とにかく普通
台詞の巧妙さや、間の使い方などが是枝さんの技法の特徴と思っていたんですけど、ディテールにこだわったシーンとかはあまり感じられませんでした。
あまりにど直球な演出が多くてちょっと退屈でした。印象に残ったシーンがないというか、何から何まで思っていることを説明しなくてもなぁと。国の違いもあるのかも知れません。全員がピュア過ぎて少女漫画の印象を受けましたね。
前半の警察のシーンはとにかく食事をしていましたが意図が分からなかったです。咀嚼音が必要以上にあって正直不快でした。これも国の違いかもしれませんが。
ラストはキレイ風に撮ってますけど、かなり異常な状態だと思いました。冷静に考えると不気味です。
このテーマなら「朝が来る」の方が心は揺さぶられましたね。話は粗かったですけど。
5年経ったら忘れられる映画だと思いました。
タイトルなし(ネタバレ)
所々で寝てしまった。15:40上映だったから朝から起きてた私に睡魔が襲う。映画の内容も派手なアクションがあるとか、コメディで面白い、わけでもなく、特に盛り上がりがなく進んでいくので、刺激が無くて眠い。
是枝監督作品をまともに見るのは初めてだ。AmazonPrimeでさらっと過去作を観たことはあるけれど。まぁ、彼らしさの映画なんじゃない?ヒューマンドラマで社会問題を切る。
本作のテーマは貧困と赤ちゃんポスト。貧しくて赤ちゃんを捨てるわけではないんだけど、ブローカーは借金返済のために赤ちゃんをさらって売ってる。
中絶したほうが良かった、それを赤子に言えるのか?こんなやり取りがあって考えさせられる。
結局赤ちゃんは売られることなく、ブローカーを追っていた女性刑事に引き取られたようだ。なんで?
始めは少し分かりにくかった。ソン・ガンホが帰宅する際に刑事が追いかけてきた。そこまでの流れが理解できないでいた。なんで捕まえないんだろう?と思っていたら、赤子を攫ってから売るまでを見届けて現行犯逮捕したいらしい。
母が赤ちゃんポストに入れなかった、というやり取りもあって不思議だった。確実にポストに入れてたし、ブローカーが動画を編集して証拠隠滅してたのに。よくわからない。
母役はIU。写真で見ると大変綺麗だが、映画だと役作りもあってか普通だった。ヤンママみたいだったからな。
ブローカーはソン・ガンホ。パラサイト半地下の家族で知った。それからタクシー運転手 約束は海を越えて、グエムル−漢江の怪物−も見たよ。役者として凄い人なんだと思っている。
子供の幸せとは
雨の夜のソウルの教会。若い母親がベイビーボックスの前に赤ん坊を置き去りにした。この教会が人身売買に絡んでいると疑う女刑事二人は、母親と赤ん坊を追うが・・・
冷たいと思われた母親は実はわが子の事を案じていて、周りも次第に利己的な考えを捨てていきます。
サンヒョンとドンスには父親のような気持ちが芽生えます。
ソヨンにとってわが子は自分自身でもあるので、否定されたことが悲しく、苦しかったのでしょう。
スジン刑事は多くを語らないけれど、もしかしたら子供が欲しいのに恵まれず、その原因は夫にあったのかもしれません。子を捨てる親に憤りを感じていたのに、子供のことより犯人検挙を優先していたのでした。
皆で子供の将来を守ろうとする社会、実現したいです。
ちょっと気になったところ。
大事なわが子を雨の夜にベイビーボックスに入れずに地面に置き去りにした理由が全くわかりません。雰囲気としては良かったですが。あと、ベイビーボックスの扉が前に倒れるのは使い勝手が悪いです。赤ちゃんを入れる籠も果物カゴみたいなので何か敷かないと危ないです。
子供を買う側(本気で親になろうとしていて、しかも未遂)が執行猶予期間中なのに、売る側が刑期を終えているのは、変な感じでした。
でも、観て良かったです。
既視感・消せない罪
まず冒頭、雨の降る寒い日に赤ちゃんを赤ちゃんポストの外に置き去りにする。刑事さんが張り込んでいなかったら確実に命を落としていただろう行為に拒否感が爆発してしまった。
その後、40人に1人の本当に迎えに来るつもりの人だったとしても、不幸な過去により教育を受けることができていなかったとしても、オムツを甲斐甲斐しく交換しても、擬似家族と共に楽しい時間を過ごしても、この2人目の殺人未遂行為により全て薄っぺらく感じてしまった。
そして、その行為の償いがたかが数年で終わってしまう。韓国の法律は全く分からないが何て軽い罪なのだろうか。
歪な関係の擬似家族のまやかしのような楽しい時間が崩れていってしまうというのは、どうしても「万引き家族」や「パラサイト半地下の家族」をチラつかせ、またこういうお話かと思ってしまった。
何回も観返せば新たな発見もあり、また別の感想を抱くのかもしれないが、何度も観る程の情熱が生まれる作品ではなかった。
血の繋がりと、そうでない繋がりと。
韓国で赤ちゃんポストに預けられる子の数は日本の比ではないそう。そして養子縁組はかなり難しくブローカーが存在すると知り今回韓国で撮影されたことに説得力が。ソンガンホはじめ皆さん実在?と思うほどの上手さだし、是枝さんの力でもある。またキムソニョンさん出てた!売れっ子だなあ。
しかし万引きが犯罪であったように、今回やってることは「人さらい」なので、これはやはり認められないことだと思うよ…母親が後悔して取り戻しに来ても、誘拐されてしまっていたらもう会えない。登場人物みな家庭や生い立ちに問題を抱え、それを細やかに描かれていて良いのだけど、頷き切れない自分もいる。ましてや万引きとは違って、犯罪対象が人間だからね。しかしそこも含めて韓国の出産・育児放棄・養子縁組問題の闇であると捉えることもできるね。
万国共通で言えるのは、「あのさー、これは『女の問題』じゃあないんだけどな?父親どこ行った?」だよね。
いちばん心に響いて泣けたのはソンガンホの「ひとりでぜんぶやる必要はない」だった。追い詰められた母親が必要としてるのはその言葉だ。
本当にこの結末にしたかったんですか
邦画の児童養護施設の作品もそうですが、男子は窃盗女子は売春っていう展開多くないですか。たまたまですか。
そしてこの結末。
本当にこれにしたかったんでしょうか。
全体的に尺が長いわりに本の展開が迷子になっていることが多く、正直観ていてかなりしんどかったです。
レイトショーで観たのも悪かったのか、映画館内各所から健やかな寝息も聞かれていました。
結局、主題はなんだったんでしょう???
ソン・ガンホ氏の演技は素晴らしかったですが、この焦点が定まらないストーリーのキャラでよく受賞されましたなと。
全70件中、41~60件目を表示