ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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絆と現実のはざまで。
合法ではなかなか里親になれない夫婦に養子を斡旋することにより生計を立てている。
その当事者たちも同じような育ち方をしている。
母性と現実とお金。その葛藤で満ち溢れている作品。
疑似家族として過ごすことによって本当の家族の温かさを感じていく。
血縁ではなく、心の通うものが本当の家族といえるのだろう。
そういう意味では万引き家族とテイスト的に近い。
昨日鑑賞、2本立て1本目。是枝監督の韓国作品。 大いに期待したが、...
昨日鑑賞、2本立て1本目。是枝監督の韓国作品。 大いに期待したが、疑似家族の物語ってことで、なんか既視感ありあり、話にも大きな盛り上がりがなかったので、よい作品とは思いつつもあまり乗れなかった。赤ちゃんポストも今やインパクトを呼べず。 韓国での評価はあまり…なようですね、なぜか、探ると面白そう。
期待してた故に、もう少し強く残る何かが欲しい
2022年劇場鑑賞48本目 佳作 54点 言わずもがな、日韓共同の話題作。 正直是枝さんは昨今おきにきているというか、いかにもアカデミーに受けそうなテーマを選びがちで、それなりに期待もしていましたが、ああこんな感じかあで個人的に流れてしまった。 特殊な家族の描きは前作の万引き家族でも折り紙付なので言及しませんが、個人的に一番の見所は撮影現場の韓国の汚さと、ロードムービー×擬似家族の汚さと是枝さんの撮り方が相まった映像美が見どころかなあと思いました。 ラストは粋な演出そうだったので、またの機会に考察動画だったり鑑賞し直したりしようと思います。
需要と供給は対をなすが、法は需要と供給のいずれにも対をなす
韓国映画。 ブローカーの男2人と赤子の母が赤子を売るに相応しい相手を探す、ところが女警官が現行犯逮捕するべく彼らを常に見張っている。赤子の母をはじめ、それぞれが事情を抱えていることによる単純ではない心理描写は見もの。 良い点 ・演技 ・子役がよいアクセント 悪い点 ・韓国名なので名前が覚えにくい
温かい日常と旅
是枝監督が撮る海がとても綺麗。 この映画で1番好きな画は、蛇行した道路と海の景色。 ストーリーは、赤ちゃんのミルク当番を決めたり、洗車が子供にとってアトラクションだったり、温かくほっこりした。 ドンスがピュアで、観覧車のシーンはときめくやら母の気持ちに胸が詰まるやら。 旅をしているとあっという間の2時間。最後に感情が溢れる。
韓国名俳優たちと日本の名監督のコラボは遥か高みに到達。
救いのない世界で心が救われるようなお話し。 赤ちゃんポストは日本にもある。あれがなければ救える命も救われない。やむにやまれず一人で出産の負担を背負わされるのは常に女性だ。若い女性が一人でどうすることもできず駅のトイレで出産しそのまま遺棄、その罪を背負うのも女性だ。男性側が罪を負うことなどないこの理不尽な世界 。出産する女性に全ての負担を押し付けてる社会、少子化に歯止めがかからないのもうなづける。 イーロンマスク氏が言う通り、ろくな少子化対策も打てない国は衰退の一途をたどるばかりである。 本作で赤ん坊を赤ちゃんポストに委ねるソヨンもやはり複雑な事情を抱えていた。そんな赤ちゃんポストを利用して金儲けを企むサンヒョンとドンスだが、どうにも憎めない存在。なにしろ違法な行為ではあっても逆に法整備が整ってない点にも問題があるし、また彼らのブローカーとしての行為もけして非人道的ではなく赤ちゃんのことも考えての養子縁組仲介業ともとれる。 そんな三人が最良の赤ちゃん引き取り手を探すヘンテコロードムービー、ついでに彼らを検挙しようとする女刑事コンビも引き連れて。 さすが是枝監督作品。登場人物一人一人の描きこみに手抜きがなく、一見ライトな人間ドラマと思わせておいて実はかなりの重厚さも兼ね備えていて、観るものをぐいぐい引っ張って離さない。 そして是枝監督の見事な演出にこたえた韓国役者陣、主役級のメンバーをこれだけ贅沢に揃えて見事な作品に作り上げた。 本年度ベスト5に入る傑作。
いい映画なんでしようね。多分。
秀逸な作品とあったのですが、万引き家族と同じコンセプト。他人だからうまく家族の役をピースに嵌め込むことができたという内容。ガンソンホのお父さんに実の娘が(もう連絡しないでほしい)これ、本音ですよね。家族に捨てられたメンバーが家族ごっこを演じる、ベタベタして気持ち悪いとさえ思う。今や日本の家族間は複雑。虐待、ケアラー、毒親、宗教の人の子供など、いっそのことこんなレンタルみたいな家族だったらどんなに楽だろうとさえ思った。人間の善を描いているんでしょうが、心情的に付いていけませんでした。低評価でごめんなさい。
家族とは何か?
「そして父になる」「万引き家族」と家族とは何か、血縁とは何かを新しい表現方法で映像化した作品「ベイビー・ブローカー」遅くなったが鑑賞させていただきました。 生んだばかりの子供をベイビーボックスへ預ける若い母親、でも当然当事者には手放さなければいけない理由がある。 子供を大変な思いで産む、その子供を理由もなく手放すわけがない。 ブローカーと聞くと悪でしかないが、ここにも理由がある。 やはり、是枝監督は映像の魔術師、映画が進みにつれスクリーンへ引きずり込まれる。 世界各国から監督のオファーがやまないであろう。 アメリカ映画のような解り易さはない無い、複雑怪奇な人間模様。 でも、そうなんだよね、だから面白いんだよね。 切口も良い、表現方法も良い、俳優陣の質が高く本当に上質な映画をありがとう!
どの乗り物にも留まれない、けど
是枝監督のティーチイン付き上映で見ました! 最後の展開が読み取れなかったのですが、質問してくれた方ありがとうございます!(感じたままで良いと思いつつも) 乗り物(ゆりかごも含む)の中でのシーンが特に良いと感じて心に残っています。 どの乗り物にも留まれないことが切なく尊い。 家族も、人が生まれて育ちゆくこともかなあ。 ロードムービーの中でそんなことを思っていたら、 最後のあの乗り物が出てくるシーンはそういう事だったのか、 とティーチインで知ることができ、 より深い鑑賞となりました。 是枝監督が「言い過ぎな感じがしたから最後のシーンは切った(入れなかった?)」とおっしゃっていたような。 ティーチインの場を尊重してネタバレは無しにします。
捨てられた赤ちゃんの行く末は?
本作の舞台は韓国。タイトルの通り捨てられた赤ちゃんを横流しし、赤ちゃんを欲しがる顧客に取引を持ちかけるブローカーと赤ちゃんを取り戻そうとしてきた若き母親が成り行きで引き取り手探しをする物語。
警察などさまざまな追手が迫る中、
登場人物達はそれぞれに抱える過去や思惑がありながらも、最後は一つの「落とし所」に着地する。
親子や家族いうものは
血縁や法律から生まれるものばかりではないと。
「成り行き」から家族が形成される過程を描いた本作は一方的な大人たちの欲求や善意や福祉ではまかなえないポッカリと空いた穴を意識させる。
ひとりの赤子への想いがバラバラだった大人たちを一つにする。
やはり子は鎹なのだろう。
ストーリー 7 演技 7.5 芸術 6.5 エンタ 6.5 総合 ...
ストーリー 7 演技 7.5 芸術 6.5 エンタ 6.5 総合 6.5 いいですね。ストーリーや映像はもう少し見たいところで切るので余韻が出る一方で、音で人間臭さを演出してる感じ。でも是枝さんこんなんばっかちゃう?と総合は突き抜けず。
社会問題をエンタメに
さすが是枝監督ですね。 細かい内容に触れるのは避けますが、まず俳優が素晴らしい。テーマも明瞭で、切り込んでいる。 才能にお金が集まると、やはり素晴らしいものができるなと思いました。 才能ある日本の監督は、韓国に出て行くべきかもしれません。
キャストが良い
子役も含めて、とにかくキャストが良いのよ、とっても。 ソン・ガンホ、本当にステキ。 ストーリーは、ちょっと解らないところがあったのだけど… グレーなハッピーエンドな感じが、あっさりとした余韻で楽しめます。
意外とマイルド。
是枝監督作品は大好きなので飛び付きました。 感想としては意外とマイルドで、取り扱うテーマの割にバイオレンス感も無く淡々と進んでいった印象でした。 是枝作品といえば!の子役の活躍が少し物足りなく感じて、もう1人くらい子供を一緒に連れてくバージョンも見たかったなぁ。とゆう気持ちになりました。子供同士のフラットな絡みがあればもう少し罪悪感を引き立たせれたんじゃないかな?と偉そうに思いました。 子供に万引きさせてたり、子供を放置していたり、子供を血縁だけで見る。といった[やっちゃダメな事をしちゃってる大人]と[そんな事知ったこっちゃ無く生きてる子供]の組み合わせが不思議な掛け算で魅力的になり、 また、感情移入先が無力で無垢な子供に向かう事で残酷な現実と絶望感を表現するのが個人的な是枝作品の好きな所なのですが、今作は大人側に感情移入しやすいため、物語全般を「仕方ないよね」という気持ちメインで見る事になり、見終わった後はなんだかフワッとした感じでした。 なので、もう少し派手に暴力的な場面があるか(是枝監督っぽくないですが)、子供達の純粋無垢な絡みが多めにあれば[やっちゃダメな事をしちゃってる感]が強まってメリハリがあったのかなぁ。などといった事を思いました。 取り扱うテーマがテーマだけに、優し過ぎて薄味になり、物足りなさを感じましたが、話全体の流れとして優しさと愛情に溢れた心温まるモノだし、音楽も良いし何より役者さんの演技は正直日本人太刀打ち出来ないんじゃない?ってくらい凄かったので[観るべき映画]である事は間違いないです!
予想通りの筋立て、と思わせておいて、そこから一気に掘り下げていく語り口がみごとな一作
子役の演技指導に定評のある是枝裕和監督だけど、今回は新生児なので、もちろん意図的な演技指導は不可能。それなのにこの赤ちゃんの振る舞いは作品に完全に溶け込んでいて、どうやって撮影したんだろう、と驚くほど。是枝監督によると”奇跡の連続”の撮影だったらしいけど。 基本的には赤ちゃんの(人身)売買を生業とする男達とそれを追う警察、そして事情があって赤ちゃんを手放すことに決めた母親らが引き起こす状況を追った物語で、少なくとも冒頭の流れとしては予告編が提示する内容に沿っています。だが是枝監督の本領は、そこから一人ひとりの人物像を掘り下げていくところにあって、今回もその手腕はいかんなく発揮されています。 同じ「車」を多用する映画と言っても、『モガディシュ』のような派手なアクションは一切ないんだけど、とにかく鑑賞中ずっと、「この人達のことをもっと知りたい」と思わせてくれる、そんな作品です。ソン・ガンホらがなぜ人身売買に手を染めるようになったのか、なぜ母親は子供を手放さなければならなかったのか、といった動機が明らかになっていくのはもちろんのこと、なぜ刑事二人がこれほど執拗に事件を追い続けているのかにも焦点を当てており、それまで脇役にしか見えなかった若い刑事(イ・ジュヨン)の、静かだが、鬼気迫る一言で、一気にその存在感が増してくる様はみごとです。 赤ちゃんだけでなく、もちろん俳優達の演技も素晴らしく、主演のソン・ガンホは顔の向きだけで極端な二面性を持った人物を演じるというすごさ。結末での彼の振る舞いのさりげなさも印象深い作品です。
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