ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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明暗対比の鋭い実験的人間ドラマ。
内容は、舞台は現代韓国貧しいながらも犯罪で生計を立てる社会の低階級にいる人々が、ある新生児売買を巡り犯罪逃避行の中で血の繋がりのない家族について其々が自省する映画。印象的な台詞『何でだろう何も見えない方が凄く怖い…』観覧車で母親として最後の本心を語る場面。舞台上の景色で薄暗く雨模様の多い暗い映画ですが、しかし周囲が暗転(トンネル・部屋消灯)すると本心が語れ明るい場面になる。カタルシスの解放が上手く表現さらていて面白い。手で視覚を遮られ周りが明るく自分だけが暗くなると凄く怖くなるという台詞には心象を上手に表してるなと感じました。観覧車の内側の落書きが周りからの意見としての母親への周囲の見方というティストに繋がり物語で一番面白かった様に感じます。現代社会に潜む病巣の様な感じの問題提起は素晴らしい。印象的な場面は、最後の皆んなで撮った遊園地プリクラを大事に車の中で吊るす新生児売買コンビ年配の逃走中の男の人が、どうして出所した子供の母親を見つける事が出来たのか?全く描かれてなかったのでハッピーエンドが??になってしまった所です。其々の個人的な背景を細かく追ってるわりに肝心の物語進行がおざなりになり都合の良いオチになってしまった事が残念でした。印象的な演出は、半地下を思わせる様な坂の多い韓国のダウンタウンや雨を多様した演出です。キアロスクーロの様にあからさまに影を濃くした演出は実験的で面白かったです。光が強ければ影も濃い。『生まれて来てくれて、ありがとう…』誰にも望まれてないという実在が絶望感を増すよという主題が分かりやすく、それでいて深い言葉だと印象に残りました。でも、この撮影中新生児ウソン大きくなり過ぎたのが個人的に気になります。映画の撮影中どんどん大きくなるからしょうがないのでしょうが、子供を主役にする時は時間との勝負ですね。ハリーポッターやストレンジャーシングスも同じく難しさを感じてしまいました。
ドンスとスジン
ドンスとスジンの関係性が好き。 ドンスは自分の母親とスジンを重ね合わせている。 スジンのことを知ることで、自分の母親も何か理由があったのだと思うことができた。スジンを許すことで前に進むことができた。 あのラストはウソンにとって最良の結果だったのか。 彼がドンスくらいの年になった時、何を思うのか。
ウソンは幸せ
やはり振り回され、たらい回しになる赤ちゃんウソンがかわいそう!がまず思ったことだが、よく考えれば登場人物の中では確実にウソンが一番幸せだ。みんなから愛され、今後もたくさんの人に愛されながら育つのだろう。母親の判断は正しかったと言える。児童養護施設出身者も、施設にいる子どもも、前向きに生きている。血の繋がりがあるだけで家族でいるような人よりも、幸せだと思ってしまう。家族の在り方。うーん、是枝さん、さすがです。
またお前か
万引き家族に雰囲気そっくりと思ってみてたら是枝かい。似てるけど万引き家族の取り調べシーンは説明的すぎるし説教臭くてこっちのが上だなと思ってたけどおんなじ人間が前回の反省活かしたらそりゃ良くなるわな。是枝好きじゃないから面白いと思ってしまったのも悔しい。ソン・ガンホ効果だと信じたい。
良い話すぎて、なんか落ち着かない。
ソン・ガンホ、カン・ドンウォンもブローカーなのだが、最初から悪人オーラはなく、どちらかと言うと自分の体験を元にした世直し隊のようで、なんとなくストーリーラインが読めてしまう。途中で子どもが増えロードムービー的であり、その中で育つ赤ちゃんを中心とした各登場人物間の関係性の描き方は好きだが、ちょっと間延びしてしまった感は否めなかった。結末があまりにストレートフォワードでちょっとびっくり。
社会の側で見えていない世界
赤ちゃんポストに届けられた子供も子を望む親の元に裏で売買をしている業者がいた。
社会的に子を育てる事が難しい親が実際に多く存在する。それは、目を逸らしてはいけない事だと思う。
この作品は、そんな社会からあまり知る事が出来ない裏側の所にフォーカスされている作品だと思いました。
この作品を自分がどう出来るのか?と言われるとわからない。自分が警察ではない。自分が親ではない。
誰かの為に出来るのかそんな自信もない。
ない事だらけだと痛感させらる事ばかりだと思った。
「生まれてきてありがとう」
この言葉があるだけで多くの人が救われると思う。
今の世の中は、人の繋がりが軽薄になりつつあり、そんな世界で生きている自分は、何者であり、生まれてこなければ考えてしまう。
きっと、誰もが辛い事ばかりではないし、楽しい事もあると思う。
些細なひと言でいいからそんな言葉を求めているんだろうなと感じてしまった。
優しい是枝ワールド…
扱う題材は監督らしい現代の社会的問題、人身売買、孤児など、その他にも殺人、売春と重い。しかし、前半はそれぞれ過去を抱える5人がまるで本当の家族のように楽しげに過ごすロードムービー。それを追う女刑事も何かを抱えてるような描写で。束間の幸せ、そして初めて味わう家族の時間を大切に過ごす5人が切ない。万引き家族を思い出すし、やはり監督の作品に欠かせない家族がテーマになっていると感じた。後半はその切なさ、どこで終わってしまうのだろうと、一気に加速していく。ラストはウソンと会えるシーンが見たかったけど、これが良いのかもしれない。
どうかラストの写真の様にもう一度…
泣けましたまだ涙止まらない みんなみんな、良い人で傷を抱えていて愛が欲しくて… 優しさに愛に溢れていた。 この女優さん大好き ドラマは数本みたけど映画は初めてで やっぱり演技うまいなぁ ヘジン役の子 田舎くさくて可愛らしい♡ 産まれてくれてありがとうのところは号泣しました(´༎ຶོρ༎ຶོ`) 赤ちゃんもなんて愛らしくてお利口さんなのだろう。 赤ちゃんが各シーンに映り込んでいるだけで バラバラの他人が段々と家族になる 絆が生まれるのを上手に表していたと思う。 刑事役の2人も優しくて どうかみんなが 幸せに愛し愛されて これから先生きていけますようにと 祈ってしまいました 面白かったです 切なく悲しく愛おしい映画でした。
釈然とはしない終わり方
ソンガンホ扮するサンヒョンは、釜山でクリーニング店を営む傍ら裏で赤ちゃんポストに来た乳児を人身売買していた。 是枝監督作品はこれまで極めて苦手で、犯罪を増長させるような万引き家族や三度目の殺人の様に何が言いたいのかさっぱりわからないのに極めて評価が高いので不思議に感じていた。それらに比べればまだ今回の作品は感動は無いもののまだ理解はできた。でもまた犯罪のアイデアになりそうな展開でもあった。 警察も囮捜査を入れて現行犯で押さえる様に仕組む事もやっており気分が悪い作戦を行っていた。犯罪グループに子供が同行するのも如何なものか。でも結局主犯のサンヒョンが行方不明になるなど後味も悪かった。 確かに殺人犯の母親を持つ子供の未来は無いのかもしれない。でも一時の感情で子育てもたやすくは出来ない。苦しいテーマを友情に託す様な終わり方だったが、いまいち釈然とはしなかったね。
人間の奥底にある愛みたいなもの
話題なったが映画館に行くほどの興味はわかず、配信にて視聴 全く無関係な人達が、一人のbabyを幸せにするために疑似家族になっていく 殺人者も、地震売買犯も、妙に正義に厚い刑事も、それぞれ心にどす黒いものを抱えているが、最終的に全員がbabyに救われる 彼らは法に救われるわけでも、宗教に救われるわけでもなく、ただ無垢な存在に救われたのだろう でも、現実にそこまでbaby.愛せる人は犯罪なんかしないよね、と思ってしまう私もいる 回収されない話、回収のために無理やり殺された人もいたような気はするけど、 それでも何故か最後まで見てしまった
しっかり是枝作品
通底してるのは「万引き家族」。 もう社会で育てるって実現できないですかね?と。 韓国映画でもしっかり是枝作品になっていて良かった。 ただまぁ、作品の内容としては焼き直し感が否めず。 ちゃんと面白いんだけど、斬新さは無かったように思う。
韓国の監督だったら多分がっつり場面入れたんだろうな
奇妙な縁で集まった五人がいつの間にか擬似家族の様相を呈して。薄氷を踏むような危うさと背中合わせ。
儚い幸福の時間がより切ない。
あからさまな暴力場面はなく、あくまでもそういうことになってしまったんだろうなと察する描き方。
多分韓国の監督なら犯行場面ガッツリ入れたのだろうなと思った。
あえて入れなかったことで、全体のガラスのように繊細な穏やかな空間が壊れず終盤へ。
しかし疑似家族好きだね。
この作品でソン・ガンホがカンヌで主演男優賞を受賞。
ずっと応援してきたので、むしろ世界よ遅いわ、て不満に思ったほどです笑。
劇場舞台挨拶のある日に行けて、主要出演者たちみんな勢揃いで感慨もひとしおだった。
ソン・ガンホとイ・ジュンギが空港で互いのファンがどんだけ待ってるかの勝負をしてたらしいが、一番待ってたファンが多かったのはイ・ジウンちゃんだったという。
ちゃんとオチのついたエピソードも置いてってくれたサービス満点。
全員が主人公
話題になっていたので録画しておいたが、 実は嫌韓派なのでずっと観ずにおいていた。 が!いざ観てみれば途中でやめたくなるほど重たいがやめられないほど引き込まれた。赤ん坊のウソンからチーム長の女刑事まで全員にバックボーンがあって深い。ただラストがハッピーエンドだったのが良かった^_^
普通に良作
素敵な人間ドラマが繰り広げられて、
女性であること、子供を産むこと、改めて大切なことを考えさせてもらった。
男性不在で母親にだけ責任があるのか否かについて深く考えさせられる。そして少しだけ時間置いてからのレビューなので、とてつもなく浅いかもですが
韓国の養子制度についても勉強できて、充実した映画鑑賞ができた。個人的に是枝裕和作品で上位に入るくらい好きです。
あと、IUちゃんのカリカリ加減が強調されるような衣装も相まって、心に闇を抱えた生活に問題を抱えたお母さんといった感じで非常にリアルだなと感じた。
子役たちがとても可愛くて癒やされた。
見るべき作品
見終われば良かったと思えるが。
とにかく最初は 女刑事二人が口に食べ物を頬張りながらしかもさらに口に詰め込みながら喋るのが耳障りで不愉快で、韓国の飲食作法の相違を嫌と言うほど見せつけられた。 その上 赤ん坊の母親である女性の立ち振る舞いも 見ていて決して心地いいものじゃない。 と、姑婆婆 の言うようなことを言ってしまう私はまさにもう姑婆婆の域である。 日本人は根本的に立ち居振る舞いが違うのだ。 初っ端の 父親の 金金 と言って暴れる様も なんだろう、これは是枝監督の意向なのかは不明なんだけれど 見ていて 日韓の根本的な違いを感じる。 車にこっそり乗り込んだ少年が海岸で用を足すのも あれは日本人は如何なる場合もトイレに駆け込むのが自然であるように思うので甚だ違和感 なのである。 それと言うのも 顔が似ていて 韓国人と日本人は、ほぼ同種の人も多く 言ってみれば彼らは、飛鳥期か 平安期か 安土桃山期か はたまた 明治か昭和か 渡来して来た時期の差異でしかないわけで、その 面が似た彼らの生活様式がここまで違うと なんだかなあと思ってしまうのだ。 顔がインド人や中東系もしくは白人なら ここまで気にならないのかもしれない。 ストーリーに戻って。 この物語で子を売買する彼らの 根底にあるのは善良であって、海外に転売させる(非常に悪意ある行動)事はなんとしてでも防ぐ、という心意気を持っている。 昔 日本においても 実子として子を斡旋していた産婦人科医師があった。(菊田医師事件) 彼の行いは その事件当時においても賛否に分かれて世間は激論を繰り広げた。 法に反している それは先刻承知だ 承知しているが 子の幸せを願う実子としての斡旋を 医師という立場にあっても 行っていたのだ。 いちいち外れてしまう話をまた戻す。 クリーニング屋のバツイチ前科者親父 擁護施設出身の教会勤務の若者 赤ん坊 赤ん坊の母親 施設を抜け出した少年 の五人が織りなす万引き家族的な集合体の 根底が善良で お互いを思いやる気持ちに 見ている側が 引き込まれて行く。 地下に住んで金持ち夫婦を貶めていくあの話とは 精神の根底が違うので 視聴後の気持ちはやはり圧倒的にこっちが良いのである。
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