「大切な言葉は暗闇の中で実母の声となる。」ベイビー・ブローカー momoさんの映画レビュー(感想・評価)
大切な言葉は暗闇の中で実母の声となる。
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ソン・ガンホの演技観たさに鑑賞。
今回も擬似家族を描き続きてきた是枝監督ワールド韓国版でした。
そんなにバッドエンドでもないのに、なぜか鑑賞後、スカッとした感じがしなくて。
曲のせいかな?とも思いましたが、描き方も大きいかなあ。
ウソンの満面の笑みとか、顔の表情を強調せず、可愛らしさみたいなものはあえて見せないようにしていたのかなとも思いました。
そうすることで誰もが捨てられ貰われていくベビーの顔を自分に置き換えることができるからか。
一方で、サッカー大好きヘジン君の表情は豊かで微笑ましく、作品の陰鬱さを和ませる役割をになっていました。
そして、大切な言葉は暗闇の中で。
視覚を遮られた上で聞こえる、生まれてきてくれてありがとうという声は、まるでそれぞれの実母から言われているかのように染み入ります。
ホントのそれぞれの実母は決してそんな事は言わないんだけどね。だからこそ欠落した言葉を貰うのは誰からの言葉が曖昧になる暗闇が良いよね。
刑事が女性だったことは大きいでしょう。あれがいかつい男の鬼刑事だったらあんな母性溢れる海のシーンは有り得ません。
3年後、ソン・ガンホ演じるサンちゃんも面と向かってウソンに会わせてあげたかったな。
擬似家族全員集合は難しいですね。
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