「生まれてきてくれてありがとう。すべては赤ちゃんのために。」ベイビー・ブローカー ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
生まれてきてくれてありがとう。すべては赤ちゃんのために。
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恵まれない出自を持つ人達と祝福されずに生を得た赤ちゃんが主人公である。彼らは話が進むにつれ「万引き家族」がそうであったように疑似家族となっていく。それは微笑ましくもある。
過去の是枝作品である「万引き家族」「そして父になる」「海街diary」に出てくる人達も恵まれない出自の子どもだったり、あるいはそうした過去を抱えた大人たちである。この監督の得意とするこうした設定は僕自身の心を揺さぶり涙腺をひどく刺激する。弱いんだなあ。こういうの(自分語りはしないけど金持ちのボンボンである学生時代の友人は「万引き家族」のどこが良いのか分かんないって言ってたな)。
この映画のラストは目まぐるしく、残された赤ちゃんは「どうなるんだ」と心配になるのだが、それは杞憂に終わる。何が何やらという感じでクライマックスを迎えるが、結局はすべての人達は赤ちゃんの幸せのために動く。疑似家族のようだった大人たち(一人の小学生を含む)は自分達の二の舞にならぬよう、また女刑事や養父母になろうとする夫婦の思慮深い行動は赤ちゃんを助ける。
「万引き家族」とは異なり、ハッピーなラストでした。めでたしめでたし。
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