「【”現代にウルフウォーカーを呼べないかな?生物の中で一番偉いと勝手に思っているニンゲンに”全ての命は平等だ、共存しろ!”と言って貰いたい・・。” ”分断する事の愚かさ”を描いた作品でもある。】」ウルフウォーカー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”現代にウルフウォーカーを呼べないかな?生物の中で一番偉いと勝手に思っているニンゲンに”全ての命は平等だ、共存しろ!”と言って貰いたい・・。” ”分断する事の愚かさ”を描いた作品でもある。】
ー森林を開拓し、狼を駆逐しようとする”護国卿”は明らかに、現代の人間をシンボライズした人物だろう・・。彼なりの”行動理由、思想”もきちんと描かれているのだが・・。ー
■印象的なシーン、他
・人間と狼が一つの身体に共存しているウルフウォーカーのメーヴとイギリスから来た女の子、ロビンが徐々に親しくなり、ある日ロビンも(メ―ヴに噛まれたため)ウルフウォーカーになり、行方不明になっているメーヴのお母さんを探すシーン
-二人とも、”あの国”では、異端者なんだよね・・。同じ匂いがしたのかな・・・。
イングランドとアイルランドとの関係性は、今でも良くはなっていない・・。
一時期のアイルランド解放戦線による凄惨なテロは最近起きていないが・・。
狼と護国卿の軍との戦いを見ていたら、ふと、思い出してしまった・・。-
・メーヴが、おぢさんの腕の傷や、ロビンの傷を不思議な金色の光で癒すシーン
-けれど、お母さんの傷を癒すには、みんなの力が必要で・・。-
・メーヴのお母さんの居場所が分かり、ロビンが助け出そうとするシーン
・メ―ヴが母を助けようとする思いと、ロビンが”護国卿”の配下で狼猟師として働く父親を大切に思う気持ちが、複雑に錯綜してしまう部分。
・劇中にしばしば流れるケルト風の音楽の心地よさ。
-昔、聴いていた”ザ・チーフタンズ”の曲を思い出す・・。-
・護国卿の軍団が迫り、絶体絶命の中現れた大柄なオスの狼の本当の姿は・・
-あ、お父さんも噛まれていたね・・。-
<あのラストシーンは、とても良い。
狼と人間が共存している身体を持つ、二組の親子がいつの間にか、家族になっていて・・。幸せな風景である。
様々な緑を基調とした映像の色合いも、とても風合の良い生命讃歌のアニメーション。
今作は、中世アイルランドに伝わるウルフ伝説がベースであるそうだが、
北欧って、夜が長いから様々な妖精たちを主人公にした物語が多いのかな・・、と思った作品でもある。>