「【”負けても輝く”三者三様の人生を背負った男達がリングで闘う訳を描く。後編でも安達紳の脚本は冴え渡り、リング上で北村匠海と森山未來が躍動するラストの戦いのシーンには、引き込まれた作品である。】」アンダードッグ 後編 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”負けても輝く”三者三様の人生を背負った男達がリングで闘う訳を描く。後編でも安達紳の脚本は冴え渡り、リング上で北村匠海と森山未來が躍動するラストの戦いのシーンには、引き込まれた作品である。】
ー 後編は、6戦一回6KOの元悪童の大村龍太(北村匠海)と、森山未來演じる末永晃の戦いがメインとなる。
そして、前編同様に二人と関係性を持つ、女性達や知り合いの描き方が、前編以上に作品に厚みを持たせている。-
◆感想<Caution !内容に触れています。>
・前編で、まさかの結果に終わった末永は、妻(水川あさみ)に離婚届を叩きつけられ、自分をヒーローと持っていた一人息子太郎にも、冷たい態度を取られる。
ー ”噛ませ犬”から”負け犬”に。あの結果では、仕方がないか・・。-
・だが、且つて児童養護施設でボクシングごっこをしていた、若き天才ボクサー大村龍太と再会する末永。そして、彼は、徐々にボクシングでもう一度世界チャンプを目指す気持ちを取り戻して行く。
- 森山未來の真骨頂の演技である。ダンサーとは言え、森山さんの年齢で体脂肪率一桁は凄すぎる。デニーロ・アプローチも真っ青である。-
・児童養護施設で出会った加奈(荻原みのり)との間に子も出来て、幸せの絶頂だった大村に襲い掛かる刃。
- この下半身まひになった男の存在は、前編から描かれており、脚本の巧みさが際立つ。-
<後編の末永晃と大村龍太(北村匠海)とのリング上での戦いは、前半よりも更に凄みを増し、観る側に迫って来る。
カメラの使い方も絶妙であり、臨場感が物凄い。
そして、ボクシング映画の面白さを再認識するのである。
終了のゴングが鳴り、お互い抱き合い、大村が末永にかける言葉。
”世界チャンプになれよ・・”
邦画のボクシング映画の秀作である。>
■今作は、本当は映画館で観たかったのだが、上映館が少なく、物理的に鑑賞出来なかった。
あとは、上映期間も短かった記憶がある。
何故に? 長いから?
どこかの映画館で、今作をかけてくれないだろうか・・。
そして、後編。なんと、先がない二人の闘いになるなんて、予想もできませんでした。それだからこそ、そこからの再生を微かに感じさせるところが、秀逸な脚本だなぁ、と感心、感動するばかりです!