「映画としては良いが原作好きにはあまり…」ザ・ファブル 殺さない殺し屋 わわこんにちさんの映画レビュー(感想・評価)
映画としては良いが原作好きにはあまり…
映画としては面白かったと思います。岡田准一
の超絶アクションは特に凄まじく、これを見る為にお金を払っても良いと思えるほどでした。
少しケチをつけるなら、最後の平手友梨奈のシーンが音楽流して感動演出でとにかく泣かせようとしてるのが邦画感満載であまり好きではなかったですが、展開上そうせざるを得なかったと思いますのでそこは仕方がないかと。
しかし原作ファン(全巻所持)としては、正直面白くなかったです。
まずヒナコのキャラが表面的には同じに見えますが、根本がかなり違います。映画ではかなり暗い人で、常に絶望の中にいるダークな雰囲気でしたが、原作ではそんなことは無いです。特に最後のウツボが殺されたあとに手を合わせるシーンは、原作ではスズキが「あんたの事は信用していたが嫌いじゃなかったよ」と言い、手を合わせたのを見て自分も助けてもらっていたことを考え、後から手を合わせるのですが、映画ではさっきまで殺すと怒り狂っていたヒナコが突然手を合わせていて、これではヒナコという人間が変わってしまっていると思いました。
さらに個人的に気になったのは、スズキのキャラです。原作では怒鳴るのははヒナコが地雷を踏む直前のシーンのみであり、ヨウコに倒された後のウツボと会うシーンでも落ち着いて怒りながらも、やり返すためにウツボ手を組もうと冷静に話し合っていましたし、ましてやウツボも壁を殴るなど感情的なシーンはありませんでした。
他にも原作と比べると粗が多く、やはりお世辞にも良いとは言えません。
ただ、原作関係なく映画としては面白いと思いますし、この長さでありながら無駄なシーンはほとんどありません。何より岡田准一のアクションシーンは本当に見応えがあります。