AWAKEのレビュー・感想・評価
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昨日まで 選ばれなかった 僕らでも
事前情報はほとんど知りませんでしたが
たまたま近所でやってたので観賞
かつて行われたAI対プロ棋士の対戦から
着想して作られたオリジナルストーリー
感想としては
・見た目以上に熱い勝負の世界
・将棋がわからなくてもOK
・プログラミングわからなくてもOK
・吉沢亮の陰キャ大学生相変わらず絶妙
・登場人物全員のキャラ付けが絶妙
・勝ちとは結局何か
など想像以上の良作で驚きました
人づきあいが苦手で友達もいない少年
清田英一は父が好きだった将棋に
のめりこむとメキメキ上達し
奨励会でプロ棋士を目指しますが
そこは自分より強い奴がうじゃうじゃ
そこで出会った浅川陸にライバル心を
燃やし浅川さえ倒せればいいと
思って将棋を打つ日々
そんなライバル心にかられた清田の
将棋は自由度が低く遂に浅川以外にも
勝てなくなり
とうとう将棋の道すら諦めてしまいます
その間に浅川は最年少プロ棋士の道を
一直線に歩んでいました
そもそも将棋で友達が出来ればいいと
くらいに思っていた父の思惑は外れ
清田は将棋以外にやりたい事が
見つからず大学でもぼっちでいたある日
父のパソコンに入っていた将棋ソフトの
自由な打ち手にショックを受け
将棋のAIプログラムを作りたいと
学内のAI研究会を訪ねプログラミングを
1から磯野の手ほどきを受け将棋AIの
プログラムを作り上げていきます
浅川は連戦連勝で将棋界のホープ一直線
清田は学内の将棋研究会も負かせない
有様でしたがソースコードが公開された
他の将棋プログラムを取り込むなど
強化を施した結果研究会を負かし
「5段並だ」と言わしめるレベルに
なってきました
そんなとき浅川は失意の黒星を喫します
清田はここで自らのプログラムに
目覚め、覚醒を意味するAWAKE
という名をつけその後AI将棋の
協議会でAWAKEは優勝し名を売ります
そんなときニコニコ動画を運営する
ドワンゴ社からAWAKEとプロ棋士の
対局をネット生放送する「電王戦」が
企画されプロ棋士側は浅川が参加すると
聞いたとき清田はかつてのライバルと
こうした形でまた戦えることに複雑に
感じつつも今の自分が手塩にかけた
AWAKEは絶対に負けられないと
覚悟を決めさらなる改良に熱が入ります
対する浅川は電王戦参加が決まってから
やっとパソコンを導入しAWAKEと
対戦してみると全く勝つことができず
日に日に追い詰められていくことに
なり焦りだします
その間清田はAWAKEに勝てたら
100万円という企画に参加し電王戦を
盛り上げようとしていましたが
終了ギリギリに勝ってしまった人が
表れてしまいます
その一般人との敗因はAI特有の
人間味のない「警戒感の無さ」
まんまと人間の罠に引っかかって
しまうというものだったのです
負けたくない清田は修正を申し出ますが
すでに修正期限を過ぎており却下
そんなルールはいらないと激高しますが
磯野は「これはプロが打つ筋ではない」
と窘めます
そして本番
浅川がどんな手に出るか
注目されましたが・・
浅川はその100万円が出た時の
戦法を取り
清田はあっさり投了して
浅川の勝利でした
これで将棋連盟側のとりあえずの
面子は保たれたかのようで
敗北した清田は笑みすら浮かべる
表情で勝利した浅川を
見つめるのでした
つまり浅川はプロが打つ将棋を捨て
AWAKEに勝つためだけの戦法を
選んだわけですからプロのプライドを
捨ててしまった時点で表舞台で
活躍し続けた浅川を実質的に清田の
AWAKEは「プロを倒した」ことに
なるわけです
TVゲームなどではボスキャラの
行動をパターン化して倒すのは
定石ですが
横綱が変化で勝てば非難されるのと
同じですね
この映画とにかく登場人物の
キャラクター描写が丁寧で感心します
将棋が題材である以上押し黙るシーンが
多いのですがだいたい考えていることが
わかりやすいので見やすいです
昨日まで選ばれなかったけど
明日を待っていた男たちの勝ち得たもの
感動出来ちゃいます
あまり公開している映画では
ないようですがやっていたら是非
おすすめします
映画である意味とターゲッティングに疑問……
将棋関連ということで事前情報をあまり入れずに見に行きました。
「泣き虫しょったんの奇跡」は観ました。
本作の扱うAWAKE事件や将棋ソフトに勝ったら100万円!についてはリアルタイムで観ていました。
世界コンピュータ将棋選手権にはクラスタで参加する程度には熱心です。
この映画に出ている俳優さんは一人も知りませんでした。
一言で言えば電王戦におけるAWAKE事件と、その前段としてのAWAKEができるまでの映像(ただしノンフィクション前提ではない)ということになるでしょうか。
映画冒頭で「電王戦 阿久津主税八段vsAWAKE戦に着想を得て」と断り書きが入ります。
実際にすべての要素について詳しい訳ではないので、どれだけフィクションの要素が入るのかは分かりません。AWAKEの開発者と、対戦した棋士の名前は置き換わっています。「電王戦」「電王手さん」「デンソー」「ドワンゴ」などの固有名詞はそのまま登場。AWAKEの開発当初にBONANZAのオープンソース化に沸き立つ場面がありますが、これは少し時期がずれているような気がします。
映画ではAWAKE開発者と対局したプロ棋士が奨励会で何度か対局した関係であるとされていますが、実際の阿久津主税八段は1999年にプロになっており、AWAKE開発者の巨瀬さんは2002年研修会入会なので対局はしていません。
リアリティという意味では、開発者が大学で開発を行い、パートナーが将棋同好会に他流試合をしにいく点も疑問。大学に将棋部くらいないのか?同好会が強くなったAWAKEに歯が立たず、「強い。4・5段はある」と言う場面があるが、大学の将棋部ならアマ4・5段は普通に在籍していておかしくない。エンディングロールで協力に棋士個人名はなく、「日本将棋連盟」しか確認できなかったが、あまり口出しはしなかったのだろうか。
この映画を見に行く話をしたとき、ネットの知り合い(女性)が出演者にイケメンが複数出ている、という反応だったので嫌な予感はしましたが、別に俳優陣にどうこう、というのはありませんでした。
残念に感じたのは3点です。
(1) 映画である必要がない。将棋関連で言えばNHKで「うつ病九段」をやっていましたが、あのサイズで収まる題材だと思います。
(2) もっと表現方法があった、もっと説明の仕方があった。冒頭の長い符号のやり取りは映像化すれば良いと思った。思いの外時間が長いのでいつまでやるのか、という気分になった。また、AWAKEとの対戦で右側にずっとプログラムコードが流れていたが、実際とは違うと思われ、事実と違うデフォルメだとしても、ものすごい勢いで候補手が更新されていくとか、ノード数が猛烈な勢いでカウントされていくなど、コンピュータ将棋ソフトの凄さが可視化される表現方法があったように思う。また、先手・後手の評価値が正反対になっていなかったり、コンピュータ画面に表示される情報が常に1文字ずつ出てくるタイプライター型だったのも古臭い表現方法で勘弁してくれよ、という気分になった。
(3) 開発者がプログラミングしている時間、プロ棋士がAWAKEと事前対局している映像の時間がとにかく長い。内容に対して119分の上映時間はうんざりするほど長いので、100分程度に収めることができたのではないか、という点。
とりあえず映画内の表現でハメ手を使ったプロ棋士、ソフトが選択した訳でない「投了」をした開発者、どちらかを悪者として結論づけることになっていなかったのは良かった。(日本将棋連盟も止めると思うが)
結局、どのあたりをターゲットにしていたのかが分からず、AWAKE事件の映像化だけなら映画じゃなくても…と思った。将棋やコンピュータ将棋に詳しくなくても楽しめるような娯楽作品ならば、もっと説明的な部分があっても良かったし、ハメ手を「コンピュータの弱点」で片付けるのではなく、水平線効果なども映像化して分かりやすくするなど、工夫が欲しかった。
将棋だけの人生だった。って言うほど生きてないじゃろ?
若葉竜也のシリアス役、やっと来たー!
と。あら?なんか最近、痩せましたかね?役作りかねぇ。何にしても、軽いノリのお兄ちゃんかチンピラ続きの印象だった若葉竜也。良かったんですが、台詞の総量、と言うか字数的にはチョイ役の時と変わらんのがw
要するに、おしゃべりで話を進める物語りでは有りません。
AI対人の将棋の勝負。あくまで勝ちにこだわった棋士代表の浅川。強さを認めて欲しかったAI作者の清田。真剣勝負の決着は炎上ネタでしかなかったけど。
ラストが良いです。
初めて、楽しく将棋を指す2人の姿。どちらが強いか?ではなく。どちらが勝つのか?でもなく。本来楽しいはずの将棋を、人とAIが指す未来があっても良いでしょ?的な。
なお、少年の帽子が赤ヘルだったのか、シンシナティだったのかは不明です。
良かった。結構すき。
英一の成長の物語
《 AWAKE 》
目覚める、 起きる、 覚醒。
なんてカッコいいタイトルだろう!
雑然としながらも、新しい何かが生まれようとしてる脳内のような ワクワクするようなエネルギーに満ちているような、そんな空間に佇む 主人公 英一。
もう このポスター に 先ず やられた😝
で、将棋のプロを目指して挫折し、でもコンピュータ将棋を開発するというドラマなんだ…と知る。
将棋の事もコンピュータの事も…ほとんど何も知らない私。大丈夫かな?
でも、皆さんが知らなくても大丈夫だと言ってる!楽しみに待つことにした(笑)
確かに…ルールやプログラミングの事を分かってたら、もう少しドキドキしたり、興奮するかな?と思ったけど…
そこだけじゃなかった!映画の見どころは。
もう 清田英一(吉沢亮さん)、浅川陸(若葉竜也さん)、磯野(落合モトキさん)この3人が本当に素晴らしい!観る前は吉沢亮さん以外の俳優心情 失礼ながら、あまり存じ上げなかった。
でも、若葉さんも落合さんも 本当に 適役で監督さんのキャスティングの目の確かさに感服する!
ストーリー(脚本)も山田監督のオリジナルという。凄くしっかりと構成された脚本だと思う!「?」な所が無い。解りやすい!
それにしても、上映館が少なすぎます!「AWAKE」の公式サイトで調べたら、35館くらいの映画館でしか上映されてません。私も その中の映画館に3時間掛けて観に行きました。観たくても行けない方々がたくさんいらっしゃると思います。DVDを早く出していただくなり、配信とかで皆さんが観られるようにしていただきたい! 是非 観て欲しいです!
【 この先はネタバレを含みつつ感想?を書いて行きます。】
英一は生真面目で 努力家で とにかく負けず嫌いな性格。ただただ 将棋が好き というか、将棋だけは誰にも負けたくない少年だった。
一方、陸は明るくて気さくな天才肌の少年。将棋の指し手の予想で英一に勝った事が切っ掛けで英一は陸に強いライバル心を燃やす。陸も同年代の棋士の中で勝てなかった相手が英一だけだった事で英一を強く意識するようになる。
そして それは20歳になるまで英一と陸の間に ずっと静かに燃え続けた。
この子役さん達が素晴らしい!セリフも多くないのに、英一と陸の心情が伝わる演技!そして、二人ともに大人になった時の雰囲気によく似てて!
とくに英一役の子は声や話し方など違和感がほとんどなかった!
自分では自信があった手を指したのに、陸の天才的な閃きの一手に敗れた事で、英一は将棋をスッパり辞めてしまう。この時の英一の行動は まさに負けず嫌いな性格を表していると思った。
一方、陸は…多分、残念な気持ちだったんだろう…もっと英一と勝負していたかったんだろうな…。
将棋の事でカッとして喧嘩して父に迎えに来てもらった事で、自分の不甲斐なさに嫌気がさす英一…でも、優しいんだ、お父さん。(このシーン座席に横たわる吉沢亮さんが美しすぎて 一瞬 英一が居なくなっちゃった!)(笑)
やりたい事が見つかって「人工知能研究会」のドアを開けて英一が目にした光景!
ああ!ここか!AWAKEのポスターは…
もう 機械と本と色んなものがごった返してるような いかにも一人しか居ない部室な雰囲気。だけど、土鍋や調味料なんかが置いてあって、凄くリアル(笑)?窓から射す光がいい!
磯野の頭の良さが解る早口とジョーク。英一の 何処までも課題に真面目に努力する姿に刺激されて、いつの間にか最強のバディになって行く様を落合モトキさんが、本当に魅力的に演じていて楽しい!表情が豊か(笑)特に、電王戦でAWAKEがピンチになった時に見せた祈るような表情が とても素晴らしかった!
英一は完璧だと思ったプログラミングに唯一見つかった弱点の改良を必死に訴えるが、「大人」の磯野になだめられて…落ち着く。英一は言う。
「アイツ(陸)はきっと指さないよ(AWAKEが負けるような本来棋士が指す手ではない…つまり清々堂々としたやり方とは言えない手を)。僕は…定石に囚われない、人間には考えられないものをAWAKEで作りたかっただけ…、でも この機会を逃したら、一生 アイツと戦う事はないと思ったら 無性にやってみたくなった…アイツにAWAKEの強さを認めさせられたら…」と…。
英一と陸のライバルを超えた何かを感じさせる 胸熱なシーンだった。
陸は陸で、得意ではないコンピュータ将棋で 散々苦戦しながら、もがき、対戦に備え挑む!英一のことは意識してないと答えるが、心の中では…ずっと英一とまた勝負したかったはず!人間棋士として負ける訳にもいかない。でも…どうしたらAIに勝てるのか!?
電王戦のシーンは 緊迫した空気と 英一と陸の熱い想いがビシビシ伝わって来て、知らず知らずのうちに、目に涙が込み上げていた。二人の成長と挫折と復活を長年に渡って見て来た奨励会の先生(本当に良い先生)の気持ちになってしまった。
陸が AWAKEの唯一の弱点に至らせる手を誘導する事が分かった時、英一は…
「AWAKE」は英一に生き甲斐を目覚めさせた事だけじゃなくて…
英一の「真の大人」「真の棋士」への目覚めを意味しているのではないだろうか?
英一は幼い頃、勝負に負けたのが分かっていながら「投了」をせずにいて先生から「相手を尊重するように」と注意されるも負けず嫌いで先生の言葉に「はい」とは言えない子だった。成長するにつれ、表面上は「負けました…」とは言うものの、明らかに 悔しくてイライラするような仕草だった。陸に負けた時も…。やけくそな辞め方。
けれど…陸の棋士としてのプライドを捨てても、AWAKEに勝つ為に研究に研究を重ねて…多分、ネット住民が言うようなカンニングではなく、本当に血が滲むような努力の結果 導き出した手である事を 英一は悟ったのだろう。棋士にとっては「勝つことが全て!」
次第に窮地に落ちて行く中、英一の息遣いが乱れていく…
あれは、悔しさ…というより、陸という天才を 認めざるを得ない程に 陸に感動していたのだと思う…。
素直に相手の強さを「尊重」出来た。英一の透き通った瞳の涙のような光が そう思わせた。
「投了します」と静かな声で負けを認めた英一。感動した!吉沢さんの表情 素晴らしかった!
対戦が終わり、初めてお互いを見つめた二人。英一の表情には、暗さも悔いもなかった。英一は成長していた、人間として。
そして陸は…
言葉も視線も合わさずすれ違った時に陸か言う
「強かったな…」
陸は陸で、英一を讃えていた!対戦後 言いたかったけど、照れ臭くて…すれ違いざまに サラッと。いいヤツじゃん(笑)
英一は その一言で満たされた!良かったね!英一!努力は無駄じゃなかった!
数年後 英一は見違える程 明るい青年(大人)になっていた!
トイレで見掛けた新聞の陸の活躍を 心から笑って喜んでいる。そして、偶然に、慎一郎君を挟んで陸と 将棋の対戦をする…意地も躊躇いもなく自然に…😆
「二人とも立派な棋士です。でも…二人にはもっと自由な場所で対戦させてあげたかった」「将棋は楽しいものですからね」という 先生の言葉通りに…😊
このラストシーンが、あって本当に良かった!二人のこれからの、友情と繋がりを想像すると 本当に嬉しい😊なんか泣けて来る。
「AWAKE」は熱い想いを秘めた二人の成長と青春のドラマだった!そこに少し大人目線の先輩が加わって、少しだけ特殊な世界の青年達のドラマで、派手さは無いんだけど、感動がじわじわと湧いて来るような素敵な映画だった。そして、勝つという意味や負けを認める事の大切さについて考えさせられた。
この映画が初作品という山田監督。素晴らしい映画だった。
映像も落ち着いていて、とにかく人工知能研究会の部室の雰囲気が凄く良い!几帳面な英一の性格を表すようなキチッと整った寝室と、温かさが滲む父の居場所の雰囲気の違いとか、磯野が卒業した後の部室が 英一によってこざっぱり整頓された感じに変わっている所とか、登場人物の衣装にも 美術スタッフさんのこだわりがいっぱい伝わって来た!
そして、セリフに依らずに表情に語らせる映画らしい映画だと思った!そして 音もなく、ただ駒の音だけが響くシーンも役者の表情のアップが多用されていて、今 英一は…陸は…何を考えているかが良く伝わって来た。
将棋の世界の礼儀作法も興味深かった。
相手がAIだろうと「お願いします」と一礼して始めること…,。負けた方が「投了します」と言わないと 相手の勝ちにならない事 (違うかな?)
若葉竜也さんは…この映画で、初めて知りましたが、陸は本来 冗談も言う茶目っ気のある青年であるというキャラを真面目な勝負シーンだけでなく笑顔が素敵な側面も自然に演じられていて、もっと活躍されても良いのに!と思ってました。が、来週辺りから?朝ドラの「おちょやん」に出演されるようで、楽しみになりました。
落合モトキさんは…多分、あちこちで活躍されてるような気がするのですが、…英一の努力と才能を認め、英一の夢に前のめりで応援する先輩の人の良さと頼りがいのある懐の大きさを本当に魅力的に演じていて、素敵な役者さんだと思いました!
そして、英一を演じた吉沢亮さん。今年は「青くて痛くて脆い」も大学生役、しかも他人との距離を置きたいネクラな人物という 同じようなタイプの青年役でしたが、「青くて~」の楓と この英一は似て非なるもの!全く別人でした!吉沢亮さんの役への没入ぶりやこだわりは本当に素晴らしいと改めて思います!吉沢亮さんは英一は今まで演じた役の中でも一番くらいに好きな役だと仰っていて、映画への出演もストーリーの面白さに惹かれてとの事でした!英一の挫折と成長を細やかな演技で感動させていただきました!
その都度、全く違うキャラになりきる吉沢さん。今年は「一度死んでみた」に始まり、「青くて〜」「さくら」そして「AWAKE」と4作品を観る事が出来た事は コロナ一色に染まりそうな一年に、次々に楽しみと喜びと生き甲斐😊も与えていただき、本当にファンとしてありがとうございました!に尽きます!
来年は大河と 「東京リベンジャーズ」で会えるのを楽しみにしています!
本当に「AWAKE」は最高なクリスマスプレゼントでした🎉😊
▲6八玉と△2八角
藤井聡太二冠は言う、“将棋ソフト”(AI)と人間は「対決の時代を超えて、共存の時代に入った」と。
今では、プロ棋士はソフトを“コーチ”として、研究に取り入れている。その歴史的いきさつを描いた作品である。
映画にも出てくるが、2013年(本当は2009年)にBonanzaのソースコードが公開され、ディープラーニングによって急速にソフトが強くなり、あっという間に人間を抜き去った。
冒頭では、「2015年の“AWAKE vs 阿久津戦”にインスパイアされた物語」と出る。
しかし“インスパイア”どころか、劇映画でありながら、一部は“再現ドキュメンタリー”と言っていい。
ストーリーは、2つの指し手を巡って進行する。
まず、初手▲6八玉。定跡にない手で、清田が奨励会を辞める浅川戦で指した手。さらに、清田がソフト作りにのめり込むきっかけとなった手だ。
そして、△2八角。ソフトの全幅探索の“バグ”に目を付けて、人間が誘導したハメ手だ。
自分のような“ど素人”でも、これらの手の異常さは理解できる。
しかし、この映画を観る人の多くは将棋を全く知らないであろうから、この肝心なところの意味内容がつかめず、あまり楽しめないのではないかと思う。
ストーリーは、清田が主人公とはいえ、途中から別世界の人間となった浅川の活躍も同時並行的に描かれる“タンデム”式に進む。
タイトル戦に敗れたため、清田の作ったソフトとの勝負をテコにして、もう一段の高みに昇ろうとする浅川。清田もまた、浅川に挑むラストチャンスと、心を震わせる。
奨励会時代のエピソードと真っ直ぐにつながっており、自分はなるほど! と感動した。
この映画は、「ソフト vs 人間」ではなく、フィクションを導入して、あくまで「人間 vs 人間」の物語へと展開させるのだ。
しかし、浅川のストーリーはスッキリしない。
清田は言う、「俺はプロの気持ちは分からない」。
そしてプロである浅川の選んだ答えは、実際の「AWAKE vs 阿久津戦」と同様、「あいつなら、あの手は指さない」はずの“ハメ手”だった・・・。
“再現ドキュメンタリー”なら、この通りだろう。しかし、劇映画であれば、もっと別の展開もありえたはずだ。
その結果、かなり生々しく、後味の苦いストーリーになってしまった。
この映画の演出面で感心したのは、クライマックスである。
清田は、浅川の指した3手目の▲6八飛を見て、すべてを悟ったはずだ。
しかし、映像は清田の表情を一切映さない。浅川の表情は映すのに対して、何手進んでも清田は後ろ姿のままで、その表情はうかがい知れない。
そして、AWAKEの指した△2八角の後で初めて、何度も小刻みにうなずく清田の顔が映されるのである。
自分には、「お前は、どうしても負けられないプロ棋士なんだなあ」と語っているように思えた・・・。
ドキュメンタリー的要素もあるので、いささかペースの悪い作品である。
ただ、伏線はしっかり回収されるし、ラストもきれいに終わるし、何より将棋という特殊世界のリアルが、良く描けている佳作ではないかと思う。
着眼点が良いので次回作に期待したい新人監督さんです。
オリジナル作品でありながら、将棋のAI(開発者)対プロ棋士のドラマという大衆が興味を持つ題材を選んでくる時点で、この監督さんは将来性があるなと思いました。
個人的な傾向として新人監督の作品を好んで鑑賞していますが、大体は画がきれいなだけでテーマがよく分からないアート(っぽいだけの)作品だったり、手垢まみれの青春ものだったりするので二度目は観ません。
が、この監督さんは着眼点が良いので次の作品も観たいと思いました。
ただ、難点もいくつか。
1.冒頭のキャストコメント動画が全くプラスになっていない。
若葉竜也がリップサービスのつもりかもしれませんが「将棋をまったく知らない」と平然と発言しているんですが、これを聞いて良く思う観客はいないでしょう。
本人の好感度ももちろん下がるし、観客は「将棋を知らないで、なんとなくフリで演じてんだなコイツ」ってずっと思ったまま鑑賞しなきゃいけなくなります。
まぁこれは製作者の判断で付けているから監督さんが悪いわけではないかもしれませんが。
2.脚本が荒く、主人公の感情の流れ、ライバルの感情の流れが分かりにくい。
幼少期の将棋対決では主人公がライバルに勝利しているのに、時間が経過して十代後半になると主人公が何故か将棋で弱くなっています。
同性代のほとんどに勝てなくなっていますが、この理由がよく分かりません。
そして、ライバルに負けたことで棋士の夢を諦めるんですが、主人公はすでに誰にも勝てなくなっているんだからライバルが特に強いことが引き立ってません。
同性代のトップと圧倒的な落ちこぼれなので、2人が特別なライバル関係にはとても思えないんです。
それから将棋のAIソフト開発者という夢を見つけた主人公と、プロ棋士になったライバルの半生がずっとカットバックで交互に描かれるわけですが、主人公の半生もライバルの半生もそんなにドラマが起きないし、お互いの人生が交差もしないので、全然盛り上がらない面白くない下りが続きます。
後半で再び将棋のAI(開発者)対プロ棋士として対戦することになるわけですから、このドラマをもっと盛り上げるために、途中でもっと伏線をバラまけた気がします。
「定石ではない自由な手」にこだわり続けたが故に転落し、そして、だからこそ再起できた主人公。
どんな手段を使っても勝たなければいけない宿命のプロ棋士の悲哀。
そういう二人のキャラ造形、感情の流れをもっと丁寧に構築出来ていれば、最後の勝負がもっと盛り上がったと思います。
あと、相手をリスペクトするために素直に「負けました」と言える主人公になるのは最後だけで良かったと思います。
幼少期は素直に負けを認められない性格だったので、ラストに「負けました」と言うための伏線か、やるなと思っていたら、指導者にすぐ矯正されていたので勿体ないと思いました。
矯正されないままだったら、負けを認めない人間だったら、ラストに「負けました」を言うことでもっと感動があったと思いました。
3.画作りがやや下手。
ラストの方で特に目立ったんですが、ずっと揺れてる画が多かったです。
カメラマンが下手なのか監督の指示か分かりませんが、揺れずにそのカットで撮りたいものをちゃんと決めて、固定して撮って欲しかったです。
臨場感を演出しているつもりかもしれませんが、どのカットもずっと揺らいでいるから気持ち悪いだけです。やるならここぞというところだけで手ぶれの画を使って欲しいと思います。
4.ラストが将棋会館の廊下で終わればベターでした。
ラストが空港のロビーで偶然再会した主人公とライバルが子どもを介してまた将棋するシーンで終わるんですが、その前の将棋会館の廊下のシーンが良かったので、そこで終われればベターでした。あのラストは蛇足でした。
編集も監督さんがご自身でされているようでしたが、あれを切れないのなら別に信頼できる編集マンを見つけて監督さんは編集は止めた方がいいです。そのほうがもっと良い映画を作れます。
色々と辛辣なことも書きましたが、今年観た新人監督さんの映画の中では37セカンズのHIKARI監督の次に良かったです。
【"彼らはプロ棋士の心を持って戦った" 後半の高揚感が素晴らしき作品。それは、吉沢亮を始めとする、若手俳優の"表情表現"が、素晴らしいからである。】
■今作品の魅力
-棋士とAIが、雌雄を決して盤上で戦うテーマ性が、良い。-
- 清田英一を演じた、吉沢さん始め、ライバル浅川陸七段を演じた若葉竜也 (近年の躍進振りは瞠目している。)変人天才プログラマーを演じた落合モトキ(チンピラ役のイメージが強いが、良い役者です。)清田と同じく奨励会を抜けられず、今は新聞記者である男を演じた寛一郎。彼らの熱演が、この作品を支えている。-
■唯一、もう少しブラッシュアップして欲しかったシークエンス
・"運命のニ八角"の部分。定石に捕らわれない手を打つAIの瑕疵の部分の掘り下げが、欲しかった。将棋を知らない人には、理解し難いかも知れないから。
〈非情な将棋界を描いた映画、本に秀作が多いのは、その苛烈な世界で生きる人々が魅力的だからだろう。今作品はその魅力をしっかりと、伝えている。〉
■蛇足
デン◯ーさん。社名、バッチリ映っていましたね!
<2020年12月26日 刈谷日劇にて鑑賞>
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