AWAKEのレビュー・感想・評価
全94件中、41~60件目を表示
吉沢亮vs若葉達也
スタイリッシュで無駄のない映画
目が覚める、眠りから覚める、覚醒
若手プロ棋士vs最強将棋ソフトの青春ドラマ。題名のAWAKE(目が覚める、眠りから覚める、覚醒)がこの作品の全てを表している。将棋の醍醐味を存分に味わえる作品であり、ラストの電王戦は見応え充分でスクリーンに釘付けになった。欲を言えばもう少し意外な結末が欲しかった。
2021-9
予想以上の面白さ
評判が良いから元々期待はしていたが、見事予想以上の面白さだった。
驚く程台詞が少なく、音楽の盛り上げと表情や体の動きから将棋の対局の状況を表現している場面があり、究極なのは将棋を指す音の強弱と手の動きだけで感情や状況を説明しているシーンがある。それらの演出は将棋のルールを全く知らない人にも局面の緊張感などがしっかり伝わる演出になっていて、観る側に高度な理解力を求めるようなニッチなものではなく、誰もが楽しめる作品になっている。
プロ棋士になる夢は敗れるが、将棋を諦めきれず仲間と試行錯誤や挫折を繰り返しつつ将棋ソフトという違う角度からリベンジを果たす主人公の成長ストーリーで、いろいろなものが欠落していた人間が自分の開発したソフトと共に成長していく様子はつい応援したくなる。また、ライバルのプロ棋士は天才と称されつつも苦悩と孤独を抱え、勝ち負けへの拘りと誇れる将棋の指し方への拘りに揺れる姿は共感できるところがある。男同士のプライドがぶつかる熱い戦いはぐっと力が入るほど興奮した。最後の対局の後に見せる主人公の表情が良かった。
年明けから背中を押されるような良い作品に出会えた。
「好きなこと」に関わる方法
清田英一(吉沢亮)はかつて奨励会(日本将棋連盟の棋士養成機関)で棋士を目指していた。奨励会では地元で「天才だ」と周りから言われるような子供たち(2020年時点では計170人が加盟)が一堂に会し、その中から年間2人というプロ棋士への狭き門をくぐりぬけるために子供たちが日々切磋琢磨していく。英一はその中で日々努力していくのだが、ある時を境に対戦で負けに負け、さらに浅川陸(若葉竜也)というライバルにも負け、ついに奨励会を去りプロ棋士を断念する。
その後大学に入った英一だったが、小さいころから友達を作らずに将棋しかやっていなかったため、人付き合いの仕方を知らず、大学では孤立していた。そんなときひょんなことから将棋ソフトの存在を知り、将棋ソフトを作りたいと考えた英一は人工知能研究会に入り、そこで実質たった一人の研究会メンバーである磯野達也(落合モトキ)と出会う。パソコンのキーボード打ちすらまともにできなかった英一はその後メキメキとプログラミングスキルを身に着け、自分で将棋のプログラミングまでできるようになった。その後コンピューター将棋の大会で優勝したのをきっかけに棋士との対局である電王戦の出場を申し込まれる。その対戦相手の棋士がかつてのライバルであった浅川陸であった...。
僕がこの映画を観て感じ取ったことは、「好きなこと」を楽しむ方法は一つではないということである。
奨励会に入っていた人のほとんどはプロの棋士になることはできない。では、プロの棋士を目指して日々努力を積み重ねた人がその道をあきらめたら、そこで人生というものは終わってしまうのか?今まで努力していた日々は無駄であったのか?そんなことはない。この映画のキャッチコピーにもなっているが、「夢の終わりは人生の終わりではない」のである。
具体的に見てみる。この映画には奨励会をやめてプロの棋士への道をあきらめた人たちが出てくる。はっきりと作品内で明らかにされているのは英一以外だと2人くらいだろうか。一人目は新聞記者の寛一 郎(中島透)。彼は辞めた後新聞会社から声がかかり、将棋のページを担当する記者になる。2人目は大学の将棋サークルに入っていた。
本当はもっと多いのかもしれない。奨励会の顧問(?)のような人も昔はきっと奨励会に入っていたがプロ棋士にはなれず、指導力が買われて奨励会の顧問になったのだろう。そんなことを言ったら将棋を英一に教えたお父さんだって、将棋サークルのメンバーたちや電脳戦の司会をしていた人たち、それを観戦していた人たちのなかにだって、昔はプロの棋士になりたかった人がいたといえなくもない。多くの人はプロ棋士にはなれなかった。でも、将棋で食っていくことだけが、将棋と関われることではない。指導やサークル、観戦など楽しみ方は沢山ある。それでいいではないか。「AWAKE」はそう訴えている気がした。
話は少し変わるが、「変身」を書いたフランツ・カフカ(1883-1924)は保険局員として働く傍ら小説を書いていた。さらにその小説のほとんどは死後発表されたものであり、つまりカフカは小説で一銭も稼いでいないのである。では、カフカは小説家とはいえないのか?小説で食っていけて初めて小説家と呼べるようになるのだろうか?そんなことを言ったら、生きている間に一枚しか絵が売れなかったゴッホは画家とは呼べないのか?そんなことはない。なぜなら「芸術とは結果ではなく行為である」からだ。同じようなことが、「AWAKE」に出てくる「将棋を楽しむ人たち」にも言えるだろう。
そこに将棋盤があれば。
「プロ棋士VSコンピューター将棋」
なんてワクワクするワード!実話に着想を得たストーリーで将棋が分からなくても楽しめました。
プロ棋士を目指して奨励会に集まる子供たち。地元ではもてはやされた天才たちもプロになれるのはほんの一握りの厳しい世界。上には上がいることを思い知らされる。
同世代の最強棋士浅川に敗れ自ら夢を断った清田。無気力に大学生活を送っていたがコンピューター将棋と出会いそのプログラマーとして再び将棋の世界へ歩を進めて行く。最強ソフト「AWAKE」でまさしく覚醒をとげた清田に吉沢亮。演技力は流石!ただあんなダサいトレーナーを着ててもやっぱりシュッと見えてしまう品の良さ(笑)
そしてプロとして更に先に進む為にAWAKEとの直接対決を受け入れる孤高の若手棋士浅川に若葉竜也。和装がめっちゃんこ似合ってて素敵でした。最近出演作も多いですね!大注目です。
将棋盤を挟んで向かい合い静かなる火花を散らすまさにタイマン勝負。息を呑む音さえ聞こえそうな空間に見ているこちらも窒息しそうになる。将棋の何が凄いって自らの口で敗北を宣言するところだと思う。言い訳もできない。その凛然たる潔さ。本当に美しいと思う。
決戦は後味のいいものではなかったけどプロという看板を背負って勝つことに徹した浅川の決意をひしひしと感じた。二人にしか分からない世界を目線を使って上手く表現していた。
清田と浅川は親友でなければ同志でもない。永遠のライバルでもない。もしかしたら清田は浅川の一番のファンなのかもしれない。将棋は本来は楽しいものだとある棋士が言う。そこに将棋盤があれば言葉はいらない。そんなラストシーンは思わず微笑んでしまうほど心地よかった。
個人的には磯野に「女性に興味があるのか」と詰め寄るところが清田の若さと側面を垣間見れたようでちょっと面白かった😄
地味だけど満足できる作品。
コロナ前は月に一回ほどお遊びで将棋を指していました。めちゃめちゃ弱いですけどね。そして今はときどきアプリと対局しています。
もっとエンターテインメントにしようと思えば出来ただろうけど敢えて抑えて丁寧に作られた感じの佳作。ストーリーのバランスもいい。
役者さんも良かったです。特に清田のお父さん役の中村まことさんと磯野役の落合モトキさん。落合さんは「桐島、~」の好演も光ってましたよね。
ただ、将棋を全く知らない人にはもう少し説明があった方が親切だったかなと思います。あの一手がなぜ負けになるのか、駒の動き方を図で示すなりして誰にでも分かるように表現出来たでしょうに、予算的な制約があったのでしょうか?そもそも棋譜の読み方が分からない人には少年期のあのシーンも呪文を唱えているようにしか見えなかったのでは?
あと場面場面のつなぎ方に(ん?これでいいの??)と感じるところがありました。
どうやら監督さんは初メガホンで編集も担当されたようですね。初監督作としては素晴らしいのでこれからも注目していきたいです。
ラストシーンはとても温かかったですね。ようやくお二人は将棋を楽しめるようになったんだなぁって。なるほどこのシーンのためにあの伏線があったのかぁと。良きエンドでした。
私の今年の目標に「将棋を強くなる」を追加しようっと。
あとは書くだけだ、山ほどな。
人間とAIの世紀の一戦、勝のはどっちだ。
人工知能に将棋を教える話
昔、パソコンの授業で先生に言われたことを思い出しました。
「パソコンは何でもできるスーパー赤ちゃんなんだ。だけど君たちが上手に導いてあげなければ何もできない」
正にそんな感じの物語だった。
AIが人類に反旗を翻す話はよく映画でみますが、将棋界はすでにAIの侵略を受けていたのですね。
電王戦までの過程も勝敗のつけかたもとっても面白かった。
賢い奴が勝つのか、ずる賢い奴が勝つのか、より勝利に貪欲なのは人間か機械か。
考えさせられるラストでしたね。
ストーリーだけでなく俳優の演技もよかった
吉沢亮の一方しか見てない目
若葉竜也の考え込んだ時の目
二人の目が印象的でした。
劇中、何度も顔のアップシーンが映る、本当に二人はいい目をしてた。
でも一番、目は口ほどに物を言う。を感じたのは奨励会の先生役の方の演技でした。
俳優名はわからなかったけれど。所々で二人を見つめる目が素晴らしかった。
奨励会の試合で「もう次の手がない」と言った後に若葉竜也が起死回生の一手を打った時の顔がもう素晴らしかった。
驚きと悲しみと色々な感情がこもった表情がこの映画一番印象深かったです。
セリフを使わず役者の演技力だけで構成されたシーンが印象的な映画でございます。
---------------------------------------------------------------
劇中セリフより
「後は書くだけだ、山ほどな」
成長するために積み重ねが必要なのは人間もAIも一緒なのかも知れない。
超感動!
才能VS努力
プログラマーと棋士の心理戦を期待したけど、全然違った。将棋の道を挫折した主人公が大学生活の中で、父親が遊んでいたパソコンにインストールされていた将棋ゲームをきっかけに学内の「AIサークル」に入部する。
主人公は何か一つのものに没頭するのが好きらしく、少年時代は将棋の本を夜道の中、懐中電灯を点けながら本に集中し、青年時代でもプログラミングの本に熱中するシーンは清田は「勝つことに努力」するのが好きなのだと思った。
一方湯川は棋士として着実に実績を積み上げており、将棋に負けることがあっても、投げ出さず続けているシーンは、「将棋の才能」があると断言できる。
電王戦で再び清田と湯川は将棋戦うが、その前に清田の作った将棋AIに攻略法が発覚する。その攻略法を湯川は使用するかどうかが見どころ。
この映画で、く才能の意味や努力することの大切さを見させてくれた。
電王戦が懐かしかった
いろいろ元ネタとなる現実の出来事から引っ張ったモノは多いものの。
人間関係のアレンジ具合、青春の匂いを炸裂させた展開など、若手脚本家兼、監督デビュー作としてはかなり好印象。
吉沢亮の「将棋以外にコミニケーション不全な若者」の演技がすごかったのと同時に……
将棋電王戦って、なんだかほんの数年前のはずなのに、もはや懐かしく。
「ああ、まだこの時代にはドワンゴに未来を感じたな、それに引き換え今は……」と、ネット配信ビジネスの昨今事情から、いろんな思いが胸に去来してしまい、途中から映画だけの評価がしにくいモードになってしまいました。
才能のある人が努力をする姿
興味がないジャンルをいかに楽しむか
2021年映画館鑑賞5作品目
1月7日チネ・ラヴィータ
観ようと思った映画が記憶違いでまだまだ時間があったので時間潰しで観ることにした
将棋もプログラムも興味がない
将棋は全くといっていいほどルールがわからない
何を言っているのかさっぱり理解できない
それでも将棋の映画を観てしまうのは日本人だからか
男と男の戦い
女っ気が薄い映画である
前半の1時間は冒頭の将棋対決
女性アシスタント2人以外はゴルフサークルの学生しか女性は出てこない
後半になると相棒の妹やライバルの姉が出てくるしイベントのコンパニオンも出てくる
やっぱり女性は必要
息が詰まる
将棋に詳しい人なら楽しめる
星5の人がたくさんいても不思議ではない
もちろんその真逆の人がいてもおかしくない
吉沢亮の芝居がいい意味でも悪い意味でもやばすぎる
変質者だ
目つきがおかしい
でも最後はニッコリ比較的普通の人になる
ハッピーエンド?
あと浅川の少年時代を演じた子役がなんとなく子供の頃の東山紀之に似ていた気がする
前半の軽快さと後半の不明瞭さ
開発者と棋士
全94件中、41~60件目を表示