劇場公開日 2020年12月25日

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「将棋でぶつける青い炎のような情熱の揺らめき、事実に則りすぎるも緊張感がヒリヒリ伝わる」AWAKE かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5将棋でぶつける青い炎のような情熱の揺らめき、事実に則りすぎるも緊張感がヒリヒリ伝わる

2020年12月15日
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鑑賞方法:試写会

興奮

知的

将棋界で物議を醸した電王戦の裏側をベースに描かれた青春ドラマ。事実に則りすぎている雰囲気も否めなかったが、静かなる闘志を燃やしながらぶつかる青春に心を打たれた。
プロの道を断念した英一は、将棋しかやっていないことと社交的ではない性格が災いし、周りと距離を取れない、やさぐれた日々を過ごしていた。そんなある日、コンピューター将棋の声で英一は目を覚ます。新たにやるべきことを見つけた英一は、培った集中力からプログラミングを習得していき…。今年盛り上がりをみせた「誰にでもある青春」を感じさせる熱きドラマが、この作品にも感じられる。そのベクトルが、棋士らしい静かなる闘志として、画面からひしひし伝わってくる。緊張感から生まれる棋士の挙動や周りの雑音、駒が鳴る音までが一体となって雰囲気をつくっている。そのため、将棋が分からずとも引き込まれるような映像になっている。その一方で、ストーリーが事実に則りすぎてしまっているのが勿体ない。感情の行方よりも展開に重きを置かれたように取れる。若葉竜也と吉沢亮が互いに努力を続ける姿、意識するような視線が熱く痺れる。
将棋史に残る一戦だけに結果が知られているが、あまり予備知識は入れない方が良さそう。熱き戦いに向けた青春の奇蹟、将棋を通して映し出されるドラマに心を打たれた。ネクラが似合う吉沢亮が魅せる強い眼差しと挙動は圧巻。年末の最後に起こる奇跡、ぜひご覧あれ。

たいよーさん。