「いとおかし」いとみち 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
いとおかし
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越谷オサムの登場人物は、「金曜のバカ」でもおおむね屈折していてひと筋縄では行かない連中ばかりだが、この作品の人見知りな女の子もいきなりバイトでメイド喫茶に突入するあたりが振り切っている。とは言え、このお店、立地といいスタッフといい場末感が漂っていて、不祥事がなくても早晩火の車で“燃え燃えキュン”になりそうな気配だが。
三味線版「スウィングガールズ」みたいな話かと思っていたら、どちらかと言うとメイド喫茶寄りの物語だった(原作未読)。あまりしゃべらない主人公の引きの演技と、それをじっくり待つ演出の間合いが良い。泣いたことがないという彼女が、メイド喫茶の同僚に髪を梳かれながら涙をこぼすまでの長回しが白眉。
津軽弁は三分の一くらい聴き取り不能。沖縄を舞台にした映画にはよく字幕がついているが、東北の場合はこれまでどうだったんだろうか。「津軽じょんがら節」を再見したくなった。
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