劇場公開日 2021年6月25日

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「コテコテなのは方言だけ」いとみち Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5コテコテなのは方言だけ

2021年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

祖母の影響で、主人公の津軽方言は、若い人や隣接地域の人が話せないほど、”コテコテ”らしい。
自分も理解できなかったが、それもまた楽しかった。

一方、自分は三味線の方も、もっと“コテコテ”の展開を期待していた。
しかし、高橋竹山の高弟(祖母役の西川洋子)が出ているにもかかわらず、三味線のシーンに乏しい。
駒井蓮は全く弾けなかったらしいが、9ヶ月(?)の猛特訓で映画に臨んだらしく、それなりに頑張っていたのだが。
(ちなみに、駒井が三味線を習った師匠と、西川とは流派が違うらしく、両者のセッションは微妙にズレている可能性があるらしい。)

“BGMがすべて津軽三味線”という、“コテコテ”の三味線映画でも良かったはずだ。
駒井の三味線の技量がイマイチなら、BGMで盛り上げれば良いのである。
一番残念だったのは、メイド喫茶のコンサートでで主人公が弾き終わった後、三味線と全く関係ないありきたりなBGMが流れたところだった。
あたかも三味線では役不足であるかのように・・・。

また、この種の映画で、クランクインからクランクアップまでが19日というのは、長いか短いか自分は分からないが、中身が物足りない感じがする。
アップダウンの起伏に乏しく、台詞も次が読めてしまうほど、“予定調和”な感じがするのだ。
原作ものらしく、ストーリーが動かせないのは理解しているが、もう少し奇抜なアイデアをもっている脚本家を起用するべきではなかったか。

期待が大きかっただけに、残念作だった。

Imperator