「若干子ども向けのナチス統治下の物語。」アーニャは、きっと来る kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
若干子ども向けのナチス統治下の物語。
癒される山々の映像。あの終盤のシーンは『サウンド・オブ・ミュージック』さえ彷彿させてくれたし、目の保養には最適。1942年の戦争映画とはいえ、ナチスの残虐性はそんなに酷く描かれていないし、13歳の少年ジョーの回顧録のような作品でした。食料を略奪されたことに腹が立つ程度・・・まぁ、ラストには衝撃シーンもありましたが・・・
むしろ、『ジョジョ・ラビット』のように少年とナチ将校の交流みたいなシーンもあったし、親切なおじさん的な雰囲気のトーマス・クレッチマン。徐々にユダヤ人の子供たちを救うことに使命感を覚えていくジョーの成長物語。そんな中でも印象に残ったのが、序盤のクマとの遭遇シーンだったりします。
さらに気になったのは授業中に手を挙げるシーンでした。今でこそドイツではハイルを意味する指を揃えて挙げないようですが、舞台となっている当時の南フランスでも反ナチの表れなのか、人差し指一本を突き出す挙手だったのが驚き。多分、意図された演出だと思う。
アーニャはまだ来ないの??と、すっかり忘れてしまいがちですが、その意外な結末も運命のいたずらを感じて虚しい思いにさせられました。反ナチというより、民族の差別を撤廃しようという内容と、戦争がなければ民族の違いを越えられるようなメッセージもあった気がします。そして、ジャン・レノを見るとどうしてもドラえもんを思い出してしまうのも困ったものだ・・・
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