劇場公開日 2021年3月26日

「アマゾンプライムがしつこいほど、勧めるから…」ノマドランド うさぎさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アマゾンプライムがしつこいほど、勧めるから…

2024年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

アマゾンプライムのおすすめにしつこいくらいでてくるものだから、根負けして鑑賞した。

始めの場面でアマゾンで働く姿がでてくるので、そういうことかなと思ったけど、この映画はアマゾンの宣伝になったのだろうか?

貧困のゆえに、車上生活をせざるおえない人々を描いた映画で、アメリカ社会の矛盾をつくものだと感じていたけど、話しが進むにつれてそれだけではないように思えてきた。

アメリカでは、開拓精神と呼ばれる、自己責任論的が根強く、皆医療保険すらない社会では、ノマドと呼ばれる、このような人々は負け犬と見做され蔑まされてしまうのかもしれない。

だから彼らの名誉を守るため、またアメリカ社会で共感を得るために、普通の暮らしを望めばできるが、あえて、ノマドを選んだ、誇り高き遊牧民的精神の人びと的な描き方をしているのだろう。

主人公に心を寄せる初老?の男性が、急病で入院、手術を受けるシーンがあったが、支払いはどうしたのだろうと思った。車上生活者に、そんな高額医療費を払えるはずがないし、病院も相手にしてくれないだろう。結局は、サブプライムローン不動産で大儲けした息子夫妻に援助を頼んだのだろう。そして息子が迎えにくることになった。彼は、普通の暮らしをすることはできたが、あえて、ノマドを選んだということを言いたいのだろう。

主人公もきっと、旦那の闘病生活で、貯えをすっかり吐き出してしまい、今の生活になってしまった。でも、姉に頼れば、普通の暮らしは十分可能だったが、あえて、ノマドという、誇り高い?生活を選んだということを言いたいのだろう。

異民族の寄せ集め国家のメンタリティーは日本人にはわかりにくい。映画は、かっこよくまとめたけど、本質はどうなのだろうか。自分には、拝金主義のアメリカというイメージが強いけど、実は、そんなことはないということを描きたかったのか、それとも、拝金主義に対する大いなる皮肉なのか。

アマゾンは、貧しい人々に職を与えていると前向きに考えるか、安い労働力で大儲けしていると見るべきなのかどちらだろう。アマゾンプライムがしつこいほど進めるし、アマゾンが撮影を許可したところをみると、アメリカでは、前者の考えが主流なのだろう。

原爆投下をいまだに正当化する人が多い社会だからね、力(お金)が正義ということなのだろう。

うさぎさん