「旅路のどこかで」ノマドランド MARさんの映画レビュー(感想・評価)
旅路のどこかで
住む家を失い、バンで車上生活を送る主人公のファーン。高齢の女性だが、働く意思はしっかり持っており、過酷な季節労働を続けていく。この生活から決して抜け出せない訳ではない彼女が車上生活を続けるのは、ある理由があるようで…。
現代の遊牧民と呼ばれる、ノマドの人々を描いたロードムービー。
道中で出逢うノマドは、老人の他に若者もいたり、やむなくこの生活を送っている者、ある程度自分の意志で選択している者…と形は様々。
しかし、共通しているのは皆(少なくとも本作の登場人物達は)この生活に誇りを持っている事。逞しい。
出会いと別れの繰り返し。余命数ヶ月でも旅を続ける老婆。悲壮感が漂うも、旅の中で出会った思い出を語るその目は確かに輝いて…。観ているこちらもジ~ンとくる。
そして何よりファーンの旅を続ける理由。暖かなベッドから抜け出しバンに戻った理由は?
バンの方が落ち着くから?それとも、固い決意が揺らぎそうになったから?
更に終盤、彼女が流した涙の意味は?
朽ちた思い出に哀しくなったから?それとも…会えたのでしょうか??
登場人物の想いや、人生について色々と考えさせられる傑作だった。自分には間違いなくできない生き方。彼らの力強さに脱帽です。
敢えてマイナスポイントを挙げるとするならば、ネタバレとは違うけど、予告編で非常に大切な場面が出ちゃっているところでしょうか。。あそこ結構核心部分では…?
そしてエンディングで気づいたのですが、役名と演者名が同じ人が多いこと。
もしかして、ホンモノの人達!?
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