「明日は我が身」ノマドランド トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
明日は我が身
ここ数十年で平均所得は100万以上下がり、年収200万以下の非正規雇用者は十数人に一人。コロナ禍でも減税を頑なに拒む。なぜ今の与党は経済弱者を増やし続け苦しめ続けるのか。
こんな日本に将来への希望はあるのか?
10代20代の死因の一位が自殺。さらにコロナ禍で増え続ける女性の自殺者。
漠然とした将来への不安が常につきまとう日本。社会保障に使うと公言し10%に上げた消費税は今、病床数を減らす為に使われようとしている事実。
本作の主人公ファーンのように全てを失う現実は決して映画の中だけの話ではない。明日は我が身。
個人的に望むのはある程度の年齢になったら死を選択出来る社会。晩年の過ごし方で人生の見え方は大きく変わると思う。
それなりに結果を出した後の生に頑なに執着するほどの意味や価値があるとは思わないし、健康寿命が保証されている内がある程度充実した時間を過ごせると感じる。
望んで全てを捨てたイントゥ・ザ・ワイルドのクリスはとても魅力的に見えた。本作のファーンは善意を受け入れずノマド生活を続けるが幸せには見えなかった。
死生観について考えさせられる特別な作品でした。
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