劇場公開日 2022年4月8日

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「親の愛も「自由」「わがまま」に分類される状況。」親愛なる同志たちへ masayasamaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5親の愛も「自由」「わがまま」に分類される状況。

2022年4月18日
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鑑賞方法:映画館

1962年実際にあった事件を元に作られたロシア映画。この事実はソビエト崩壊まで隠蔽されていたそうで2020制作とはいえ、よくロシアでこの映画作れたなと思う。
終わり方違ってたら許可でなかったかも、、、などと邪推してみる。
粛清された地方のストライキに娘が紛れ込んでいて必死に探す母党員の苦悩の物語。粛清と隠蔽がどのようにすすむかが興味深い。誰もが完全に状況を把握してるわけでは無いし、立場の違いも有るが結果が隠蔽一択なのは権力者への共通の恐怖だ。隠蔽は大国なら自由主義でも存在するわけだが、共通認識としての権力者への恐怖は少ない。
さらにインターネットの時代になり状況は変わりつつあるのはウクライナの件やウイグルの件を見ていても感じる。心底日本に生まれて良かったと思うが、その日本でも大戦突入前には似たような状況があった事、ちょっとした事で自由は失われちゃう事は忘れてはいけないなぁ、、、と思った。

モノクロの画面のカッコ良い構図が、流石ロシア映画の底力を感じさせる。皮肉なタイトルも良い。

masayasama