「86分に凝縮されたディストピア」ニューオーダー soleilヾ(´ε`○)さんの映画レビュー(感想・評価)
86分に凝縮されたディストピア
最初の幸せな時間からの、暴動が起こるまでの時間がちと長く感じたけど、貧困層の暴徒がお屋敷に入り込んできたと思ったら使用人もバッシバシに裏切ってお宝持って逃げるし妊婦だとしても容赦なく殺すし、おおおおお…ってなったのも束の間、昔の使用人が妻の手術費をどうにかしてくれないか、、というお願いを主人公の家族全員が体よく断ろうとしてるのに、あたしがなんとかする!と使用人の男の子を連れて出て行く。
正義を貫いたから家での残虐な暴動に巻き込まれなかったんだね、よかったねーと思いきや、もっとひどいやん。
金目当ての下級兵士に誘拐されて、布団もないアスファルトの床で雑魚寝、レイプされるわ、拷問されるわ、お風呂は水をホースで浴びせられるだけ、という信じられない地獄に突き落とされ、兵士同士の抜け駆け施策に主人公も使用人も使われて、結局色気を出しすぎた兵士のせいで地獄の生活場も無くなってよかったねーと思いきや。
主人公をやっと家に連れて帰ってくれるのか、そこだけハッピーエンドか、うんうんと思いきや。
身内の不祥事は隠せ、と言わんばかりに善人の使用人の家で守るべきはずの軍人が主人公を射殺、息子はその隠れ蓑にされて射殺され、お母さんは公開処刑。
もう、なんなのよ…
結局軍事国家になると、暴力を支持できる人が一番強いんだな。
で、あんなに暴動起こしててもブルジョワのお家の方はちゃんと守られてるってところに、暴力とお金の切っても切れない関連性が垣間見れる。
ライムスターの宇多丸さんがオープニングの絵のタイトルをラストにドンっと出すのがスマートだ、と言ってたけど、読めなかった…!なんてタイトルだったんだろか。
追記:初めてトラウマ級に脳みそにこびりつく作品だった。