「前野朋哉の場面 声は中村倫也のままでお願いしたかったです」私をくいとめて カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
前野朋哉の場面 声は中村倫也のままでお願いしたかったです
みつ子(のん:能年玲奈)は小さい会社勤めのひとり暮らしの女子(30前後設定)。ひとり暮らしが楽で、他人と密に長くいるのが苦手。飛行機も超苦手。多重人格ではなく、独り言を言うわけではないが、自分の中のもうひとりのAとのやり取りを日常として精神のバランスを保っている様子。Aの声は中村倫也が担当。下着は攻めているものの、男性経験はほぼなしかな。好きと思える会社の取引先の年下の営業マン多田クン(林遣都)との付き合いもストレスを感じてしまう。パニック障害傾向あり。
原作は綿谷りさ。後半のネガティブに切れるところと前半ののんならではのほのぼのムードのギャップが見どころ。
会社の先輩(臼田あさ美)も大事な心の支え。この先輩の憧れの男性社員がかなりのキモキャラ(ご本人には悪いが、どこがイケメンなのかさっぱりわからん🙏)。圧巻は東京タワーでの、まるで織田信長に藤吉郎(豊臣秀吉)が懐で温めた草履を用意したエピソードを超えるほどのシモベと化したシーン。片膝をつき、反対のふとももに彼氏の足を乗せ、足用ホカロンを貼る手際の良さに、口がポカンでした。
「みんな生まれながらのおひとりさまなんだよ。人といるためには努力が必要。」深い。深すぎる。痛い。痛すぎる。
若い男をさりげなく自慢する「山田真歩」とそのお連れのワンピのトーンダウンの共有はなかなか面白かった。まあ、それだけだけど。
みつ子自身の一番のトラウマは会社の課長に食事デートに誘われたエピソード。映画館(ヒューマントラスト渋谷でした)のカットに引き続き、あのビルの一階の Tomorrowland での刺繍がかわいい高いワンピースやパンプス、バッグの衝動買いからの背伸びした厚化粧デート後の強烈な自己嫌悪と相手に対するねちっこい呪いの言葉。お給料の2ヶ月分ぐらいは買ってたので、妄想なのかもしれないが、なんか、今日が初出勤の水商売のティーンエイジャーみたいで、うんと痛々しかった。おじさんコーラスグループの映画(星屑の街)では水玉模様のワンピースがすごく似合ってたのにね。
嫌いな人の披露宴で貰った日帰り温泉チケットはやっぱりツイテなかったね。
橋本愛(さつき)はキレイでした。のんのセリフにもちょっとあったけど、遠くに行ってしまった感を、こちらもしみじみ感じてしまいました。ふたりで泣くシーンはとても自然で、いいお芝居でした。ゴメンって言っちゃいけないところだったけどね。やはり後で、みつ子には腹にいちもつあったみたいで、荒れてましたね。もう、イタリア行かないんじゃないかな。飛行機駄目だし。
飛行機のなかの「君は天然色」のシーンはなかなか楽しめました。のんが天然だからね~ かれこれ、40年前の歌なんだけど、色褪せないですね。大瀧詠一は亡くなってしまったけど、のんのテーマソングとして復活って感じでした。
隣人のホーミー(モンゴル人?)は近所迷惑だわ。管理人通して、苦情を言わないと大変なことになるね。
足立区の商店街と古い住宅公団と思われる団地の部屋はなかなかのんちゃんにお似合いでした。コロッケ2つで80円は安い。さすが、足立区。北区の十条商店街も安いけど、あの惣菜屋のオヤジのニタニタがスゴく良かったから、若いふたりの密な関係を期待して、楽しめました。托鉢坊主の例え(映像化)は面白かったです。イライラする若いふたりでした。玄関あけたら、2分でベッドですよね。普通。
スタッドレスタイヤなしで、一泊したら、次の日も帰れないので注意しましょうね。彼女と泊まる口実でしょうけど。サイドテーブルのシードルは4%で、氷要らんでしょう。あぁ、じれったい。ホテルの廊下の電気の点滅はウルトラマンのカラータイマーのようでした。Aは飛んで行ってしまいました。
だらだら書いても仕方ないので、もうおしまいにしますね。