「熱病にうなされるような映像体験」溶岩の家 sugar breadさんの映画レビュー(感想・評価)
熱病にうなされるような映像体験
とにかく映像に圧倒される。カーボベルデの黒々とした岩石ばかりの山道をワンピースで闊歩する主人公マリアーナの力強さ。
住民の大半が、生きるために出て行くこの島に、異邦人である彼女が感じ始める連帯と愛着。
昏睡状態の患者レオン、バイオリン弾きの老人バソエと息子達、末娘ティナ、島で唯一の白人女性エディット、その息子?、犬を殺した少年タノ、島の女アマリアやアリーナ。住民達は言葉少なく、説明はほぼされないので相関関係は曖昧だ。それよりも荒々しい映像と土着の音楽に身を委ねた方が良いだろう。
木につるされた点滴、裸足になったら足の裏が暖かい大地の感触、波が風にあおられ横なぐりに吹く霧雨、祭の喧騒、印象的なショットの連続である。
そしてマリアーナ役イネス・デ・メディロスの比類なき存在感!
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