アジアの天使のレビュー・感想・評価
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「この国で必要な言葉は
「メクチュチュセヨ」と、それと「サランヘヨ」」
「まるでバカだなお前は。そういう下らない常識を越えるためにビールと愛があるんだよ」
嘘ばっか吐くお兄ちゃんのセリフ。
これを、いかにも浅はかな感じと名言感を持たせて言えるのは、さすがオダギリジョー。
最後、ソルが学の食べてるご飯に黙って箸を横から突っ込んで食べるのが、韓国ならではの信頼を表してるシーンのようでとても良かった。
ディープ韓国へ迷いこむ体験
主人公と一緒に韓国人社会の深いところまで入り込むような映画体験でした。
一緒に旅をして、食事をして、段々と家族のようになって行く様子をじっくり見ました。
オダギリジョーさんが格好いい。
池松壮亮くんの、融通がきかない、不器用そうな演技がとてもよかった。
チェヒソさんがとても綺麗だった。
おじさんの天使は、要るのか?という気持ちにもなったけど、このちょっとふざけたところが、この映画の面白いところなのかも。
缶ビールがとても美味しそうだった。
ビール&ビール&ビール
その日暮らしの2組の家族が、偶然知り合って旅をします。最初から最後までお互いを繋いでいるのは、ビール🍺!😊。まあ、安く酔っぱらえるので、人との交流にはもってこいなのでしょう。天使は…このストーリーなら要らないかな。
最後、とんでもない飛び道具出てきます…
韓国を舞台に、オダギリジョーと池松壮亮演じる日本人兄弟と韓国人兄妹の交流を描いたロードムービー。
皆、揃いも揃って〝金なし〟〝夢なし〟の、社会の底辺を生きている。
旅の中で修復されていく兄弟の絆や、言葉の壁を超えて関係が築かれていく様は、韓国の田舎町の情景と合わさって非常にエモい。
エモいまま終わってくれれば良かったのに…
タイトルにもある〝天使〟だけど、ホンマに出て来てどうするん?笑
しかも、ハッキリ見える姿で!それも、芹澤興人というトマホーク級の飛び道具で!?笑
『くれなずめ』でも、こんな仰天展開だったけど、最近この手の壊し方が流行ってんの?
くれなずめは、序盤からまあまあ笑かし入ってたけど、今作は最後の最後まで結構シリアスな展開だったんで、そのギャップたるや…苦笑
剛やソルには見える天使の存在が、物語の中で何の役割を持っていたのか?そこが、イマイチ分からず…
これは、どう解釈すればいいのだろう…汗💦
なんかよくわかんない感情も“サランヘヨ〜”
なんか気になる、なんとも言えない感情も“愛してる”に変わる可能性が沢山ある。
資本主義社会の搾取に対する皮肉や固定観念を捨てろというメッセージ性を感じた。
やたら色んなところで出会うし、「アジア人のおじさん天使を見た」「母と妻を胃がんで亡くす」という共通点から運命を感じずにはいられない2人。
ソルへの海辺での告白が「お前嘘つけ〜」っていうセリフじゃなくって本音なのが良かった。“サランヘヨ”になるかわかんないけど、そんな感情。多くの恋がそうなんだよね。
韓国語と日本語で会話しあっても全く通じないのにどことなく通じるところにも笑えるし、オダギリジョーのキャラが際立っていてここにも笑えるし、泣けるし、全体的に良かった。でも少し短くても良かったかな。
最後の5人が無言でお腹いっぱい食べるシーン、本当に美味しそうで、韓国料理が恋しくなった。
やっぱり池松壮亮はいい!彼の声がいい!もっと彼の作品が観たい!
【『ベルリン天使の詩 日韓合作バージョン』 日韓の二つの”家族”が、様々な”相互不理解”を乗り越えて、”相互理解”に至る過程を、ロードムービー形式で描き出した作品。】
ー 石井裕也監督、オリジナル脚本作。ー
◆石井監督は、前作「茜色に焼かれる」でも、「ぼくたちの家族」でも様々な問題を抱える”家族”の喪失と、再生を描いて来た。
そして、今作でも同様のスタンスで【国交正常化以降最悪の状態にある日韓関係】を背景に、日韓の二つの”家族”が、”天使”をキーワードにしながら、壁を乗り越えて行く姿を、ロードムービー形式で描いている。
<日本の家族>
・妻を癌で亡くした売れない小説家の剛(池松壮亮)は、幼き息子と共に、兄の亮が住む韓国・ソウルにやって来る。
ー 剛が、韓国語が話せないところが、今作の一つの成功点であると思う。
”何時でも、必要なのは相互理解だ!”
と息子に言い聞かせながら、言葉の”壁”のため、兄の共同ビジネス者(パク・ジョンボム:今作の制作者でもある。)から手荒い扱いを受ける。そして、兄と共に韓国コスメの商売での成功を目論むが、共同ビジネス者の裏切りで、あえなく撃沈。”だから、韓国人は信用できないんだ!と地団駄を踏む、亮。ー
・二人は、ワカメの取引を始めようと韓国北東部のワカメ産地を目指す。
<韓国の家族>
・元アイドル歌手のソル(チェ・ヒソ)は、屈託した生活を送っている。兄、ジョンウは善人だが無職で、妹のポンはソルから”公務員になれ!”と言われ続けて、ソルを疎ましく思っている。
ソルは、もう一度歌手を目指そうとするが、上手く行かず・・。
そんな時に見た、夜の橋脚に立つ”天使”の姿・・。
日々、閉塞感を抱える3人は、叔母から”たまには両親の墓参りをしなさい!”と言われ、韓国北東部の両親の墓を目指す。
◆序盤、剛と、ソルは偶然、町の市場内の安っぽい店で顔を合わせている。黒いサングラスを掛けながら、歌手を諦めざるを得ない状況に涙を流しながら酒を呑むソルに、亡き妻の面影を見た剛は”日本人特有の曖昧な笑顔”で、話かけるが、日本語が分からないソルに、却って気味悪がられてしまう。
ー 日韓の人間同士の”他意無き相互不理解”を、上手く捉えているシーンである。ー
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<日本の家族と、韓国の家族のロードムービー>
・韓国北東部へ向かう2家族が、ひょんなことから、道中を共にし、剛がソルの窮地を救った事で、2家族は、急速に接近していく。
・そして、<日本の家族>も<韓国の家族>も、道中、様々な経験をする中で、再び心を通わせていく姿。
ー 剛のソルに対する気持ちを、お茶らけた態度ながらも、後押ししようとする亮の優しい心。
ソルの歌手時代のCDを大量にバッグに持っているジョンウのソルを想う気持ちも、じんわりと良い。ー
・”サランヘヨ”と、ソルになかなか言えない剛。
墓参り後、<韓国の家族>の懐かしき思い出がある海岸でソルが出会った”髭のおじさんの天使”(芹澤興人)・・。
ー このシーンは、白い天使の羽ヒラヒラフォーカスからの、あの天使の姿・・。
可なり、脱力する・・。石井監督!ここで、笑いを入れるかね!ー
・天使を再び見たソルに対し、”僕のサランヘヨは、貴女であり、息子であり、亡き妻であり・・・!”と剛が叫ぶように告げるシーンは、沁みたなあ。
・ラスト、<日本の家族>と<韓国の家族>が、<一つの家族>の様に卓を囲んで、黙々と食事をするシーンも、絶妙に良い。
<『日韓の様々な壁』
ー 言葉であったり、文化の違いであったり、過去の歴史解釈の齟齬であったり・・。ー
を、共に旅をする中で少しづつ乗り越えて行く、<日本の家族>と<韓国の家族>の姿。
それぞれの家族内の”相互不理解”も少しづつ解消されていく過程の描き方も、実に上手い作品である。>
ビールと愛さえあれば何とかなる
韓国スタッフ&キャストとオール韓国ロケで撮った石井裕也監督の意欲作。
ちょっと情けない池松壮亮さんとオダギリジョーさんの兄弟も最高でした。
一攫千金を狙って韓国でビジネスをするけど、騙されてしまう兄…オダギリジョーさんってああいう役が似合います。
兄の名言「国が違って言葉が通じなくてもビールと愛だけあればいい」なんとかなる。
ビールをください、と
愛してる…それしか韓国語を話せない弟。
ひょんなことから知り合う韓国の三兄妹と一緒に旅をしながら繰り返し出てくる韓国のcassビール。
ビールとお互いへの思いやりが日韓2家族の距離を縮めていきます。
ロードムービー的な要素もありコメディの要素もあり、ゲラゲラ笑いながらも深いテーマが隠されていた作品。
天使って美しいばかりじゃないですよね。
おまけ
こんなに良い映画なのに…私1人しか観てなかった初日の映画館でした。
んーこれはちっとな...
日韓関係という難しいテーマを軸に
男女の恋愛模様を描きたかったのかも知れないが
日本にも韓国にもいい顔しようとして
どちらの言い分にも加担しないような
そんな雰囲気だった
問題提起なら普段ニュースを見てる人は普通に感じてると思うんだけど
それ以上に特に訴える思想が特にない感じがしたな
なら普通に恋愛ものとして描いてくれたらもっと没入したかも知れないが
それもさせてくれない感じ
エンジェルの存在が真面目な恋愛物とも離れてる
ファンタジー的に話を昇華させる部分もないし
エンジェルの存在は本当意味不明
結局映画では監督が舵を握るので日本人監督という時点である程度決まっちゃうよね
そうゆう意味では日本人監督よりも韓国人監督が描く国籍を超えた恋愛モノの方が
観たかったかな
韓国人の目線で描かれる日本人の方が気になったかな
恋愛、国際問題、言葉の壁、日本や韓国における家族の違いなど
描くテーマは色々あるのに、どんな風に描きどんな映画に転びたいのかが
ハッキリしないようなそんな映画を観た印象でした
キャストはまぁいいのに
脚本が練られてない印象の映画でした
日韓合作なのかな?
こんな中途半端なモノでは日韓友好もないと思ったな
国境を越えられるものとは何か?を提示して欲しかった感じでした
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