アジアの天使のレビュー・感想・評価
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日韓も家族は同じ・・☆
「舟を編む」の石井裕也監督の作品とのことで鑑賞。
思っていたものとは、少し違っていたが、それなりに面白かった。
前半は、移動シーンが長くて少し退屈で寝落ちしそうになってしまったが、
中盤から色々なエピソードが登場して面白くなる。
韓国映画は、ほとんど見ないので 韓国の役者さんは誰も知らない。
池松壮亮とオダギリジョーは、安定した演技で楽しませてくれるが、
子役の佐藤凌が、池松壮亮の無口な息子役をすごく良い雰囲気でやっていて
存在感がある。
物語は、淡々と過ぎてゆく。
インパクトのある映画ではないもしれないが、意外と印象に残るような気がした。
ある共通点で縮める人間関係
人と人の距離を縮めるのは共通点の確認だと思っている。趣味や好きな食べ物、異性の好み、出身地や母校、どんなことでも共通点があれば親近感が湧くものだ。
本作では登場する日本人兄弟(とその息子)と韓国人の3兄妹が縮まるのはある共通点があったから。それはちょっと意外なもので、でもとても重要で重い内容のもの。お互い親近感が湧くのもわかる。あの流れはよかった。
他にも池松壮亮が韓国語を理解していない状況で起こるすれ違いは面白いし、オダギリジョー演じる兄貴の軽薄な感じもいい。3兄妹の関係性も悪くない。ラストの食事シーンなんかは韓国映画っぽくて好きだ。
でも、なぜだか物足りなさを感じてしまう。天使のエピソードのせい?どうなったのかハッキリしない結末のせい?よく考えたらロードムービーの構図だからもっと面白くなってもいいはずなのに。全体としての印象はパッとしない。
石井作品の秘密がたくさん詰まっている気がした
例えば我々がニューヨークやロサンゼルスに行ったとして、現地の白人や黒人にいきなり日本語で話しかけるだろうか。たとえ拙くても英語で話しかけるか、英語がまったくできない場合は「日本語わかりますか」くらいは最初に聞くだろう。
ところがソウルや北京に行ったら、現地の韓国人や中国人にいきなり日本語で話しかける人が多いと思う。そういう人は次のように弁解するかもしれない。仕方がないだろう、韓国語も中国語も習っていないし、英語は世界の公用語として習っている訳だからと。しかし韓国や中国に行くのに少しは現地の言葉を覚えるのが筋ではないか。英語が世界の公用語と言うなら、日本語ではなく英語で話しかければいい。
このあたりに世界の中での日本人の立ち位置みたいなものがある。それは植民地根性と無関係ではない。そして当方の中にも、残念ながら同じようなバイアスがある。
冒頭から石井監督の仕…続きを読む
オダギリジョー、池松壮亮、韓国好きには良い映画
私も61%の1人です。
でも韓国映画は好き。
そして、池松壮亮とオダギリジョー。
天使と運命の人とか、寒い内容なのですが、池松壮亮はもちろん、オダギリジョーの演技で面白くなってます。
また、所々にいい加減さとコメディ要素があってクスッと何度も笑えました。
韓国人はきらいなのですが、韓国は好き。ノスタルジックで、アジアの雰囲気。裏路地とか市場とか、映像だけでワクワクします。
いつも強い口調の韓国人と、いつもヘラヘラしている日本人の、それぞれ悪いところがありつつ、、、中身は同じでみんないい人たちだね。
大切なのは相互理解だね。
天使とかちょっと引いてしまう失笑部分もあります。あとヒロインがちょうどいい〇〇なところもどうかと思いながら見ていましたが。納得。
茜、、の夕日は酷かったけど、今度の朝日は良いね…続きを読む
【先入観】
天使は、背中の肩甲骨のところから羽が生えた白人の裸の男の子って、いつ、誰が決めたんだろう。
きっと、ルネサンスの画家が何かのきっかけで描き始めたのが、いつの間にか、人気が出てしまったってのが理由じゃないかと思う。
ルネサンス初期の、フラ・アンジェリーコの「受胎告知」で、マリアに懐妊を告げる天使は、服を纏った大人の女性で、羽はカラフルだ。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」の天使は男だけど大人だ。モン・サン・ミシェルの大天使ミカエルも大人の男性だ。悩む。
妖精にも小さい緑の叔父さんがいるって話はよく耳にするので、本当はなんでも良いのかもしれない。
妖精は、キラキラした女性か女の子のイメージだ。
それに、昔、アフリカの何処ぞの国の人が、キリストは黒人だったと言っているのをテレビで見て、なるほど、それもありだなと考えたことも思…続きを読む
短絡、曖昧、無理解…そこから共通認識を─
想像以上にステレオタイプな表現が満載で、予想通り淡々とした作品だったけれど、期待以上に笑えて、じんわりと来ました。
あらゆるものが敢えて対比的に描かれているような印象で、その効果は絶大です。
しゃべりまくる兄貴の存在ばかり笑えたし、寡黙な学には色んな事柄や感情を見せられました。時として映像そのものが何かを語っているような錯覚にも─ちょうど道路の真ん中や橋の上や砂浜でエンジェルを見るが如く─、奇跡的なものがたしかに見えました。そしてそこでまた笑ったり・・・
スタッフロールやタイトルバックがアルファベットで貫かれていたところもまた、この作品のみ本質だなーと噛みしめたりして、とにかく隅々まで色々と堪能できた気がします。
国への感情と人への感情は別
簡単に言ってしまえば日韓交流の話。
劇中でも語られますが、日本人が嫌いな韓国人は64パーセント、韓国人が嫌いな日本人は60パーセントということです。そっちが嫌い嫌いいうから日本人も嫌いにならざるを得なかったと思うので、自分もその60パーセントの1人です。
映画の冒頭で「やっぱり韓国人は嫌な奴だな」と思いました。(意図しているのでしょうが)
日本人と韓国人の家族同士が偶然一緒に旅をすることによってお互いの事を好きになっていく(もっとも6人の中で相手に敵意を持っていたのは1人くらいでしたが)という展開で、いざ顔を付き合わせて関わってみると文化や考え方の違いもあるけれど、病気の前では何人でも無力だし、ビールはおいしいし(自分は酒飲まないので仲良くなれないかもしれない(笑))、天使は見えるし(?)と同じな部分もいっぱいあるんだよ、という映画でした。
ビールと愛は国境を越えるのだ。
なになに?邦画でオール韓国ロケとな。
どんな感じだろう。なんか興味湧いた。
ソウルに住んでいる兄に呼ばれて、日本から息子を連れてやってきた弟。妻を癌で亡くして間もない設定だ。
一方の韓国人家族は、上から兄、姉、妹の3人兄弟。こちらは若い頃、両親を亡くしている。
全く繋がりの無かった2つの家族が、たまたま乗り合わせた電車で合流し、なぜかみんなで韓国人家族の墓参り。ロードムービーだったのね。
主人公は池松壮亮、相変わらずのゴニョゴニョ優柔不断系。兄のオダギリジョーは、フワフワの軽ーい感じ。この2人のキャスティング、ばっちりでした。特にジョー君、通訳をしながらチョコチョコ笑わせてくれた上に、なかなか深い重要な役割でした。息子役の子も、とても良かった。殆ど喋らないんだけど、演技にひきつけられました。
勿論、韓国の俳優さん達も素晴らしかった。
リアルな展開な…続きを読む
君に捧げるほろ苦いブルース♪
天使をだれが演ったかはさておき、石井監督の絶好調さは、特筆もの。
茜色...は観ていませんが、この映画制作に困難な状況でも今年3作目の公開とは!
私好みの監督ではないが、今回の天使の映画に関しては、ここに来たかという意外性が逆に人生の進路に迷う大人には、ぴったりはまるかもしれません。
ソルと剛の不器用な愛の形が祖先の墓参りというロードムービーという体をとりながら、人が心の距離を縮めていく姿にうたれた
まさにほろ苦い人生でした!
韓国キャストに完敗
池松、オダギリ、子役の子、今作の演技が現在世界トップレベルの韓国映画界に響いたか?
韓国キャストの演技は、私に響いた。
テーマの狙いは理解できるが、アウトプットが不十分。
評論家受けするだろうが、一般的な映画ファンにはどう響くか?
「ビールください」=「側にいてください」
日本人兄弟と弟のひとり息子。そして韓国人3兄妹。2組6人が韓国の地で偶然出会い何故か共にひと時を過ごすことになるってお話。
2組の視点から描かれてるので結構せわしなくて説明不足なエピソードも多い。それぞれのバッググラウンドを自分なりに考察しながら観ていく感じでした。
韓国では「ビールください」と「愛してる」が言えれば生きて行けるが口癖の兄。地に足が着かずふわふわしていていつの間にか居なくなっていそうな人。オダギリジョーこういう役ほんとに似合う。池松壮亮は相変わらずクセのある言い回しで弟のキャラがより一層謎深い仕上がりになってました。血が繋がっていたところでお互い分かり合えないことばかり。それが他人なら尚更だし国が違えばもっと尚更な訳で。それでも誰かと食べるごはんは美味しいのです。
全体的になんのこっちゃかよく分からなかったですけど、それでも要所要所…続きを読む
天使は可愛いのか?
このキャストでなければ成立しなかった。。
とても変な作品😓
とにかく、学くんが可愛すぎる。
何処にいくのか?
どうしたいのか?
何を伝えたいのか?
わからない。
天使は可愛いって誰が決めたのさ✨ね?
とっても変で素敵な作品💖
7/2(金)では2番手以降に入るかな…。
今年75本目(合計139本目)。
テーマとして、「日韓を取り巻くお互いの認識論(歴史上の事情も絡む)」という深いテーマを扱っています。ただ、このことを全面に押し出すと、内容がセンシティブに過ぎるため炎上しかねず、よってこのテーマは最初の30分ほどで提示されますが、表立ってそれが表現されることはなく、日本から韓国に訪れた男性と、たまたま知り合った韓国の家族とがともに韓国国内を移動することで、「お互いの文化などを尊重する」ということを伝えたかったのだろうと思います。その点は十分に認識可能で、理解できないわけでもないです。
ただ、この点はどうしても日本国内ではタブー視されることが多く、真向から取り上げるなら取り上げる、取り上げないなら取り上げないで統一しないと、何を伝えたいのか意味が取りにくくなってしまい、特集や予告などからわかる範囲だと2番手以降にならざるを得ないよ…続きを読む
『アジアの家族』となった6人の天使たち
5月公開の『茜色に焼かれる』から間もない石井裕也監督の新作。すべて韓国で撮ったとのこと。
ソウルで暮らす二つの家族の困窮を描く第一章。
日本人の家族。「仕事がある」という兄の言葉を真に受け、息子を連れてソウルに来た弟。怪しい仕事を手伝い始めたが、兄も騙されてすべてを失った。
韓国人の家族。元アイドルらしき長女は細々と芸能活動を続け兄と妹を養っていたが、所属する事務所を解雇された。
第二章は二つの家族が同じ時を過ごすロードムービー。
どん底に落ちた彼らの何とも温かい触れ合い。これは気持ち良かった。言葉が通じなくても深いところで共鳴する何かがあった。
そう、彼らは『アジアの家族』となった。
ファンタジーとして昇華した。
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