「スマホで遊んではいけません。」おとなの事情　スマホをのぞいたら　ガバチョさんの映画レビュー（感想・評価）

ゲーム感覚で自分の秘密を他人に晒してはいけません。人に言えない事、言ってはいけない事を隠すことで表面的な平穏が保たれているのが人間社会ですから。「禁断のゲーム」に踏み込んで、スマホから次々に明らかになる各人の「秘密」に右往左往して大混乱する様子が、実にテンポよく展開し面白い。暴露される秘密自体は、さもありそうな事ばかりで興味もないが、その時のやり取りが緊迫感があって実に面白い。ごまかそうとする者、下手な言い訳をする者、開き直る者、人間性が直接現れてしまう。完全にアウトなのは、よその彼女を妊娠させたり、仲間内の女性と不倫しているカフェのマスターくらいだが、どの「秘密」も当事者には深刻だ。この混乱を破局で終わらせるのは簡単だが、「雨降って地固まる」ではないが、何とか全員和解にもっていった。大洪水や月食の話は無理くりな感じがするが、そのおかげで話がまとまったようだ。
「ワンシチュエーション」で制作費がお安そうだと最初は思ったが、7人が協力してシーンを作り上げていくのは、さぞ大変だったのではないかと推察する。これだけの人数が集まっていると、各役者の個性や力量が歴然と現れてしまう。それがこの映画の楽しみでもある。