「【”好いた者同士の関係性は、月の満ち欠けの如し” ”長年連れ添っていれば、相手に隠し事が無い訳ないじゃない!”妻帯者にとっては、前半ホラー、後半ヒューマン風合のワンシチュエーションコメディ映画。】」おとなの事情 スマホをのぞいたら NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”好いた者同士の関係性は、月の満ち欠けの如し” ”長年連れ添っていれば、相手に隠し事が無い訳ないじゃない!”妻帯者にとっては、前半ホラー、後半ヒューマン風合のワンシチュエーションコメディ映画。】
ー東山さんが"もてない独身中年な訳ないじゃない!キャスティングミスじゃないの?”などと、楽しく妄想しながら劇場へ。
成程ねえ。
オリジナル映画は、未だ見ていません・・。-
■今作の面白き所
1.前半、”誰かのスマホ”の着信音が”ニャイン!”とか、”You got mail!”(今時、この設定する?)とかなるたびに、”因縁の”7人の男女が怯えた顔で、スマホが置かれたテーブルを見るシーン。
- 嫌だよねえ。杏ちゃん(小南晴夏)の浮気性の旦那を持つ新婚妻の気持ちは分かるけれど・・。あと、”杏”って名前も、ナカナカキツイなあ、東出君。(ゴメン)-
2.次々に暴かれていく、相手に隠してあった”事柄”と、足掻く男、園山零士(田口浩正)の姿。だが、彼の足掻きにより、混乱の度合いが増す過程が、オカシイ。
- 三平(東山紀之)のスマホと機種が一緒だからって、交換って”ちっちゃいなあ”(ダブルミーニング)。ー
3.だが、妻、園山薫(常盤貴子さん:私事であるが「京都人の密かな愉しみ」以来、ファンである。特に着物姿。)にも”穿いてないよね!”と言うメールが・・。
- ”うわわわわ・・。常盤姉さん、駄目ですって。そんな事しちゃ!” -
4.叩き上げの美容外科医、隆(益岡徹)と、資産家の娘で精神科医の絵里(鈴木保奈美)の六甲夫妻にも、”娘から、頼られているのは”俺だ!私だ!問題で”亀裂”が入るシーン。そして、致命的な”妻のライバル精神科医”からの隆への予約確認メール。
- うーん、男としては、かかりつけの精神科医が妻なのは嫌だなあ。ー
◆この辺りまでは、”ブラックだなあ、身に覚えがあると、ホラーだなあ・・。”
などと思いながら、クスクス笑いながら鑑賞。
(けれど、イロイロと思いだし、少し冷や汗・・)
が、後半、三平のカミングアウトの辺りから、映画のトーンは徐々に、変わる。
”泣かせに来たな。その手には乗らないよ!”
などと想いながら、そして脚本の瑕疵が少し気になりながらも、
三日間を励まし合いながら、生き抜いた彼らが再び絆を取り戻す姿に、少しジーンとしてしまったよ。
(これは、私が20代、エクストリームクライミングをしていた影響であろう。冒頭のコンビーフのシーンは、雪山遭難時のワンシーンかと思ったものなあ・・)
<人間だから(”相田みつを”みたい・・)、好きな相手がいても、他の人に目移りしたりする事はあるだろう。(実感こもってます!)
その結果、離婚したりする方もいるのだろう。
けれど、一度築いた”一番大切な人”との関係性は、出来れば最後まで全うしたいモノであるなあ・・、と思った作品である。>
■蛇足
・今作品を私が観に行くと、家人に言ったら”一緒に行きたい”と言われた。
(彼女は東山さんのファンである。一度、”私の方がハンサムだろう?”と言ったら、鼻で嗤われた。(涙))
けれど、彼女がこの作品を観て、私の過去の行状をイロイロと思いだし、不機嫌になられてもなあ、と思い
”ご免、独りで観たい”
と言ったら、何かを察知したらしく、了解してくれた。
何が言いたいかと言うと、劇中でも述べられていたが、長い事夫婦でいると、相手の思っている事が何となく分かるのであるという事が言いたかったのである。
・好きなワンシチュエーション映画、ロマン・ポランスキー監督の「おとなのけんか」を少し思い出した。