「いろいろハマりました」十二単衣を着た悪魔 うみうしさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろハマりました
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伊藤雷を演じる、伊藤健太郎氏が目的の鑑賞。
後半との対比を考えたら、初期の雷はもっと卑屈でもいいかも。
記者会見で話題になったキスシーンですが、その前に倫子が泣き出すシーンがハマりました。
「私はあなたの持ち物」などと、自分に対して諦めと恐怖の中にいた「モノ」としての倫子が、雷から「人間」として扱ってもらえた嬉しさと安堵感に、共感して泣いてしまったのが一度目のヤマ。
雷と倫子が「絶対にひとりにしない、ずっと一緒に生きていく」と約束するのが二度目の(個人的)ヤマ。
「雷と出会って倫子は弱くなった」
「弱くなったんじゃない、幸せになったんだ」という会話が三度目のヤマ。
久しぶりに出仕した雷が、メソメソしてるのも、それを許す女御も好き。
六条さんを庇う雷も、雷の言葉に心動かされて六条さんを励ます女御も、その後雷と女御のふたりが心通わせる場面も好き。
そして一番のヤマは、現代に戻ったあと倫子を想って泣き崩れる雷の演技!
健太郎氏の泣きの演技は数々見てきましたが、今作が最高でした。
ほんとに素晴らしい。
エンドロールの泣き顔が容赦なくブサイクで、そんな顔を惜しげもなく晒す、役者としての健太郎氏を、またいつか観られることを熱望してやみません。
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