「瑞々しい」夏への扉 キミのいる未来へ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
瑞々しい
ドSFラブロマンスだった。
俺の頭では追いつかない事もあるのだが、ハッピーエンドなので良しとする。
オーソドックスな展開であるので、原作は随分と昔のものなのかもしれない。とはいえ、物語としてつまらないかと言うとそうでもない。
むしろ、大好物だ。
主軸の恋愛譚に、藤木氏演じるヒューマノイドが小気味良いアクセントになってて、緩衝材として非常に優秀なギミックだった。
受付嬢しかり、本作でヒューマノイドを演じた方々はどなたも素晴らしかった。
色々と思い返すに、時間転移装置だけではタイムスリップは完成せず、コールドスリープシステムがあって成立するのかと思う。
タイムリープ理論もよくは分からないのだけれど、世界は1つではなく個人と同じ数だけ存在するならば、パラレルワールドの概念からも外れるような気がしてる。
その人の世界だけが繰り返される。
…まぁ、よくはわからないのだけれども。
1つだけ引っかかってるのが、なぜ30年後の世界のこの場所に戻ってこなければならないというような言い回しになってしまったのかだった。
アレのおかげで結構混乱してる。
過去に戻ってそのまま生きるという選択肢がなぜ不可なのか?干渉する人間や事柄を極力抑えないと、想定した未来に辿り着かないからなのだろうか?
だからこそコールドスリープが必須という仮説に行き当たったのだが、いまいち座り心地は悪い。
以上の点から、この手の話は1人ではなく複数人で行った方が良いかと思われる。
1人だと消化不良のままだからだ。
でも、まぁ、ハッピーエンドだったし、清原さんは10年の歳月を経て魅力的にもなってたし、良しとするか。数十年の時を経ても、2人なら気持ちは照れくさい程瑞々しくて…三木監督ってロマンチストなんだろうなぁと推察する。
楽しかったです。