「映画単体としたら甘く見ても★★★くらいだと思うが、どうしても原作と比べて観ていると原作のプラシーボ効果(?)であと★一つ半くらい上げたくなってしまった。」夏への扉 キミのいる未来へ もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画単体としたら甘く見ても★★★くらいだと思うが、どうしても原作と比べて観ていると原作のプラシーボ効果(?)であと★一つ半くらい上げたくなってしまった。
(原作既読)①ハリウッドも映画化していないロバート・A・ハインラインの名作中の名作を日本が映画化⁉️大丈夫かいな、と興味半分・不安半分で観に行きました。②現在のハリウッド映画等と見比べるとどうしてもチープ感が漂う研究所セットや未来世界セットではあるが、かえって原作のアナログ感が味方してこれはこれで良いようにも思う。ただ、ドラマ部分の家やオフィス等の空間のやっぱりチープ感と言うかリアリティの乏しさは如何ともし難い。③2時間ちょっとの間で30年後に行ってまた30年前に戻ってまた30年後に行かねばならないので、それを考えれば脚色はよく纏めている方だと思う。かなりはしょっているし、強引なご都合主義が所々に出てくるのは仕方ないが、藤木直人扮する原作にないピート3というロボキャラを登場させたことで上手くそのあたりは処理出来ている。ただまんまと罠に掛けられほぼ全てを失った主人公のショック・悔しさ・絶望感は演出・演技とも描写不足でコールドスリープから目覚めたあとの主人公の行動の動機がいまいち説得力がない。原作を読んでいるから理解できる部分多し。⑥主人公を籠落する悪女が夏菜なのは美貌と色気が足らん!と思ったが、30年後にブーちゃんメイクをすることを考えれば他の美人女優が尻込みするのもわかるような気がする。⑦いまや日本映画の若き逸材清原果椰がヒロインなので原作より登場回数がかなり多い。でも一番安心して見ていられるんだよね。ラスト、セリフは無いが27歳になった女性の佇まいを見事醸し出している。⑧猫好きとしては猫のピートにももう少し活躍してほしかったなぁ。⑨高梨臨は朝ドラ「花子とアン」以来の再見だかずいぶん落ち着いた女優になった。