「驚きはないが面白さは十分」夏への扉 キミのいる未来へ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
驚きはないが面白さは十分
原作は未読。
山崎賢人といえば漫画原作の実写化で主演を務めることが多いことで有名。オファーがあったら選ばないんかい!というくらい出まくっていた気がする。斉木楠雄の宣伝で山崎賢人本人がマンガ実写化ばかりと言っていたくらい。で、この映画。とうとう海外のSF小説原作の実写化に手を出したか!と思ったのは私だけではあるまい。
原作を読んでいないのでその比較はできないが、なかなかうまく作ったなというのが最初の印象。この手のSFだと、未来の社会を(テクノロジーとして)どれだけ魅力的でどれだけ違いがあるのかを表現できるかがカギになる気がする。本作はそこを潔く諦めた。初期設定を1995年で、未来を2025年という設定にしたのだ。あと4年後!もちろん今の社会とは違うパラレルワールド的な技術開発があっての1995年だから、2025年もたぶん本当の2025年より技術が進んでいるという設定にはなっていた。
なかなか面白いなと思ったのが、コールドスリープから目覚めたときの施設。あれ埼玉県立大学(いろんな撮影で使われる)なのだが、ガラスやエレベーターの窓とかにCGで加工することで未来感を出していたのは少し唸ってしまった。こんなやり方もあるんだな。
ただ、話としては何の意外性もない。黒幕の話や結末はなんとなく予想がついてしまう。ここらへんは原作がSFの古典的作品だから限界があるのかも。原作の設定や面白さを超えていていけ!なんて人もいるかもしれないが、私はこれでもいいと思う。