劇場公開日 2021年9月23日

  • 予告編を見る

「大自然で飛び出す快活なアクションが最高」カラミティ 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大自然で飛び出す快活なアクションが最高

2021年9月26日
PCから投稿

引きの画面(遠景)では心の中がサーッと晴れ渡るような鮮やかな色遣いの雄大な描写が広がり、寄り(接写)では表情豊かな各キャラクターの感情や意志が気持ちよくリズミカルに飛び込んでくる。「ロング・ウェイ・ノース」のシャイエ監督が紡ぐこの独特なアニメーションは、今回もまた気の遠くなるほど果てしない大自然を進みゆくロードムービーでありながら、時折、瞬間的に沸点に達するかのような快活なアクションをもダイナミックに展開させ、観客の心を引き付けてやまない。主人公のカラミティ・ジェーンといえば西部開拓時代を代表するガンマンだが、この元祖女性ヒーローとも言うべき人物の幼少期、つまり「エピソード1」の中で彼女が自分の意志で決断し、行動し、何かを成し遂げていく様が力強く、楽しく、感動的だ。ちなみに字幕版では、このフロンティア精神を象徴する物語にフランス語のセリフが息づいており、その無二の混合ぶりも魅力の一つかと。

コメントする
牛津厚信