「蛇足。」ライアー×ライアー よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
蛇足。
森七菜可愛い。
それだけで2時間観れる。
なんてふざけた感想は置いといて(実際何割かは真実だけど)作品自体はとても興味深い。
弟がギャルに変装した私(姉)に恋をしたというのはなかなか衝撃的だ。
湊が透に想いを伝えれないストッパーとしては主に二つ、「透は血の繋がっていない“弟”」であるということと「透が好きなのは私じゃなくて私がなりすましてる“ミナ”」。
この私がなりすましているというのがこの作品のキーポイント。
彼の好きなのは私であって私でない。
その葛藤を森七菜が好演していた。
前半の始まりこそポップで軽めに始まったものの中盤以降はしっかりと湊の葛藤を描いていてとても良かった。
キラキラ恋愛映画を期待して行った人からしたら期待外れかもしれないが、僕はむしろキラキラ恋愛映画は好みではないので楽しく観れた。
予告編とのギャップがかなり激しい映画だと思った。
ただ、2点。
一つは音楽のセンスが壊滅的だという事。
最初の方に透と出くわすたびに入る変なSEがかなり気になり、その後もこの場面でなぜこの曲?というのが多々あった。
そしてもう一つはエンドロール。
エンドロールで付き合い始めた2人のその後が描かれていたが正直いって蛇足。
2人のこれからを想像させる終わり方の方が綺麗だなとは思った。
そもそも、義理とはいえ娘と息子がいきなり僕ら結婚を前提に付き合っていると言ってあんなにすんなり「めでたいじゃない」と認めれるのか?
そこらへんはすっぱりと描かないか続編でしっかり描けばよかったのではないだろうか??
今回が湊が自分の気持ちに正直になり、義弟と付き合い始めるという“出会い”の物語ならばその後の結婚に至るまでの道のりもそんな簡単ではないだろう。
そこをエンドロールでお茶を濁すのではなく続編で一本しっかりと作って欲しかった。
【蛇足】
今回の映画を見て義姉弟の恋愛というテーマで「思い思われふりふられ」を思い出した。
二つとも同じテーマを扱っているがその問いに対する答えが真反対だった。
この二つの作品を見比べてみるのも一興かもしれない。