スパイの妻 劇場版のレビュー・感想・評価
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売国奴と言う人は憤懣やるかたないでしょうが
撮影技術を語ることはできないが、画面の色彩や音声、美術に映画の真実味を味わう。
台詞もあえて時代を感じさせる言い回しになっていて新鮮だが、役者、特に蒼井優が物語の心を演じ切って素晴らしい。
共犯者になるという形の独占欲
スパイと言う言葉とは裏腹に、女の影に翻弄される妻のラブストーリーだった。
妻という1人の女の大胆な独占欲、内容がどうであれ犠牲もかえりみないで共犯者になるという愛情表現。
唯一の共犯者になってからの生き生きした様は呆れる程に楽しそうで、命懸けた亡命劇も素敵な逃避行みたいにみえてしまった。
賞を取った重みは感じなかったが、演技に魅了され引き込まれた。
正義の心で怒る人は幸せになれない
2020年映画館鑑賞111作品目
蒼井優&高橋一生&東出昌大
主要な3人のお芝居がとてもよかった
蒼井と高橋は想定の範囲内だが東出はあの役にピッタリとはまった感じがする
スパイの妻らしいが厳密にいうと夫はスパイではない
洋装はけしからんらしいが兵隊だって洋装じゃん
坊主憎けりゃ袈裟までもとか馬鹿馬鹿しい
だから軍隊とか嫌いだ
会社の忘年会の余興に製作しておいた短編映画を上映する洒落たセレブ
あの時代もみんながみんな困窮していたわけではない
満州で夫が知ってしまったのはいわゆる731部隊の人体実験
右寄りの人たちは騙されてはいけないとか中共や反日左翼のでっち上げだフィクションだと主張するだろう
左寄りの人たちは戦争の悲惨さとか日本人残酷とか共通の歴史認識とか千年経っても日本人は許されることはないなどと抗議するだろう
だがちょっと待ってほしい
映画は娯楽である
面白ければいいのである
政治的メッセージは必要ない
ユーモアが無ければ監督の言い訳も読む価値ない
歴史は新しい資料が見つかれば教科書の内容がひっくり返って嘘になってしまう儚い学問だ
歴史の評価を無視すればこの映画は面白い
ハラハラドキドキした
黒沢清監督の最高傑作
個人的には日本の軍国主義も左翼だと思っている
究極の愛国左翼だ
左翼はエリート意識が強く全体主義で分断と評し自分と違う考えを見下す
大東亜共栄圏とアジア共同体の考えはよく似ている
保守なら鎖国政策か海外と貿易で儲けて海外の土地は武力で奪うのではなく金銭で買い取るだろう
外国人は出て行けというムラ社会は良くないが
保守なんて所詮ヘタレなのだ
あと玄里が唐田えりかにちょっと似ていてドキッした
脚本も演技もカメラも今一
支那の日本軍の描き方が、まるで愛知トリエンナーレ的。脚本にも無理があり、演技もおかしなところばかり。カメラワークもひどい。これで何かの賞が取れたというなら選者のレベルもかなりひどい。訴えるものも余韻も何もない、久しぶりの金返せレベルで残念だ。
蒼井優がヤンデレじみてる(^_^;)
ヴェネツィア国際映画祭で監督賞(銀獅子賞)を授賞した黒沢清の作品。
もともとこの作品はNHKのBS4Kのチャンネルにて放送されたテレビドラマだそうで、それを音響と映像の質感を劇場用にアレンジされた「劇場版」だそうで。
イ・チャンドンのバーニングといい、今年の37セカンズといい、NHK製作の作品は質が高い!
映像は美しいです。
黒沢清の作品は「CURE」しか観てませんが、「CURE」同様に長回しを多用する美しいカメラワークが観れます。
特に、街の様子を高橋一生の視点で長回しで映す場面は当時の様子と雰囲気が感じ取れます。
また、美術セットの作り込みが素晴らしいです。
高橋一生の会社にある倉庫にある小道具や、軍の施設にある尋問部屋等は物凄くリアルで、黒沢清独特の少し不気味な雰囲気とNHK作品のリッチさが丁度よく合った気がします。
この作品、照明をかなり明るくしているので、そこはドラマっぽい映像だと思ったのですが、最後まで観ると当時のモノクロのフィルム映画を彷彿とさせたかったのかもしれません。
照明の明るさを逆に人物の心情の陰りを見せる意図でやっていたのだとしたら「お見事!」
この作品では劇中で小型の映画フィルムが出て来て、それがかなり重要なものになってきます。
そのフィルムに映し出されてる映像の白い部分が逆に不気味な
雰囲気を醸し出していました。
スリラー要素も好きです。
今回は「CURE」を彷彿とさせる所だけでなく、濱口竜介が脚本として参加してるだけに「寝ても覚めても」の二人の関係性を思わせる、平穏だけどどこか不穏さを感じる要素がありました。
キャスト陣も悪くないです。
特に東出昌大演じる軍人は、彼の"棒演技"が逆に人物に異質な不気味さを醸し出していました。
内容は満州の「731部隊」という当時の太平洋戦争における日本軍最大のタブーとも言える話題を扱ってるだけに、攻めた内容に驚きましたし悪くないと思います。
けど個人的には聡子が怖い…というかヤンデレに近い行動に「う~ん…」となりました
個人的にストーリーの展開は「スパイ」の嫌疑がかけられた高橋一生の妻の行動を描いていて、最初は高橋一生が謎めいた人物のように思えますが、途中からその蒼井優演じる聡子の行動の方が怖くなります。
彼女は公衆の面前でも夫にハグをしてしまうくらい夫に愛がある…というか愛が重いです。
そして、彼女が起こす行動も彼女なりの夫への愛ゆえということを理解出来ても、正直ドン引きしてしました。
なので、この聡子の存在が自分はこの映画から少し気持ちを離してしまいました。
そして、個人的にラストのストーリー展開も読めてしまった上に強い印象が残らなくてそこまで強く心に残らなかったです。
「731部隊」という扱いづらくて危うい題材を扱っておきながら、ストーリーとしてはそんなに衝撃を感じない所に少しガッカリしています。
映像面では非常にシャープな作りになっていて綺麗なので、観ている分には美しいと思えて退屈はしません。
なので、黒沢清がこの作品で賞を獲れたのはそういう所かなと思うのですが、いかんせん色々な所でそんなにずば抜けて無い上に好きじゃない所も目立ってしまって、言うほど好きになれませんでした。
全く荒唐無稽だと確信して作成されたあざとい映画です?!
人体実験や生物兵器の関東軍の存在はアメリカも知っていたし、自分たちもしていた。
知りたいのは、データと実績。戦後、データと実績を中国などに秘密にして入手するかわりに関係した医官は無罪放免で大学教授。
これらはNHK特集の内容。
映画のもとの内容もNHKドラマで、映画はNHKエンタープライゼス。
つまり、映画の内容は全て荒唐無稽。
賞をとるため、731舞台を映画にしたかったんでしょうね。
でも、蒼井優の演技はお見事!失神しそうです、映画みたいに?それだけでも映画料金以上の価値があります、ストーリーは気にせず、演技に、全集中の呼吸!
とても好みな日本の映画
日本の良き映画を観た!
いろんな蒼井優さんの作品を観ていますが、
最近の中では、群を抜いて素晴らしかった!
演出も良いのだろうなぁ…。
高橋一生さんは、本当に上手いなぁ〜上手くて、なんだか怖くなるぐらい。
ストーリーも日本が舞台のスパイ映画ってのも、とても新鮮でドキドキしたし、
昭和なセリフまわしも立ち居振舞いも、とても好み。
あと、聡子の妄想シーンで、草壁弘子の優作へのバッグハグはエロかったなぁ~。
黒沢監督と高橋一生と蒼井優、この3人のコラボレーションをもっと見たい!
小津安二郎と、笠智衆と原節子みたいに...。
なんとなくみたけど…。
とてもよかった。残酷さもちゃんと描かれていて、時代背景もわかりやすかった。
荒波に揉まれどんどん表情が変わっていく聡子を、見事に演じた蒼井優の凄さがわかる作品だった。
黒沢清監督作品は初めて観たけど、光のあて方や見せ方が絶妙。まるで当時の映画を観ているようだった。
まだ観ていない方は、必見です。
蒼井優の「お見事!」演技なければクソ映画
2013年公開の「リアル 完全なる首長竜の日」というチョークソ映画を見たのを最後に、黒澤清作品は見ていないし、この映画もクソ映画だと思っていた。
しかし、海外で大きな賞も取り、自分の好きな戦中が題材になっているので、ムビチケを購入したうえで映画館へ。土曜日の午後、東京・城東地区の映画見巧者が集まる劇場は中高年を中心にそこそこの客入りだった。
戦中の軍人、とりわけ憲兵が出てくるというのに、アタマ(頭髪)は丸刈りでないし、顔つき、体つき、所作…どれを見ても、当時を再現していない。
高橋一生と蒼井優の浮世離れした夫婦の在り方もおかしい。
蒼井の子供っぽい声、顔、体つき…どれも、この芝居にマッチしないなー、と思いながら見ていた。
しかし、この映画のキモの部分でもある、主役が「反戦」のために取る行動、そのトリックを見て、妙な気持ちがストンと消え、ヒロインともども、「お見事!」と小声で、ささやきたくなる内容だった。
その意味では、戦中の日本の姿をリアルに描くこともなく、731部隊の所業と思しきあれこれなどの題材も、このファンタジー作品を作るための材料にしかなかったのである。
本来なら★2つのクソ映画だが、蒼井の演技に免じて、鑑賞をお勧めしたい、★4つにランクアップしておいてやる。
自虐ネタで賞を貰うのもどうかと思いますよ!❓
関東軍七三一部隊と同じことを連合軍は全てしていますし、これを事前に把握しても米国の動きには影響は無く関心もないようです。
事実、東京裁判で、関係した医学者は処罰されず東大、京都府医大などの教授になりました、それが、問題だと思うのですが。
映画では、日本の恥部に触れた事が称賛されたようです。
ただ、蒼井優の演技が素晴らしい、ただ、それだけでも、映画館で観る価値あり‼️
それとNHKの映像が素晴らしいですね!
いろんな顔見せるよね
高橋一生様を見に行きました。ほんとに芸達者。次の顔が早く見たいです。あんまり好きではない蒼井優、やはり好きではなかったです。演技してます、私って凄いでしょが出過ぎかなぁ。映画はお見事でした。
脚本も演技も演出も良かった
鬼滅のブームにおされ、あまり上映館が少ない中、期待していきました。
スパイものとして騙し合いとミステリアスな展開、演劇チックな演出と演技が、上手く融合されていました。
反戦映画はレビューが下がりがちですが、作品としてもテーマとしても受賞に納得でした。
夫はスパイか?1市民なのか?妻の選択は
戦前のハイソサエティな上流家庭の暮らしぶりが映像化されている。古い洋館に戦前の香り。スパイではないが、義侠心から、満州での日本関東軍による捕虜の人体実験をフィルムに収め公開しようとする夫の貿易家。あくまでも夫を信じながらも浮気の恨みから、同期の軍人にその秘密を話してしまう妻聡子。互いが愛しながらも、心の底で疑いを持つ夫婦同志。夫と地獄におちても一緒にいたい妻聡子だが、夫にまんまといっぱい食わされ、軍事機密の証拠フィルムを恋愛フェイルムに交換されて、戦犯疑惑が無実になる。だが、事実を知って、渡米できず、日本に残った妻の行く先は精神病院。夫に裏切られて悲しくてやりきれず、笑いが止まらないからだ。この国(日本)では、わたくしが、狂っていないことが狂っていることなのです。戦時中の病院での聡子の言葉は重い。まるで横山大観の絵画のように雨あられとふりそそぐ焼夷弾が、幻想的に崩れ落ちる建物とともに美しく抽象的に描かれた。遠藤周作氏の海と毒薬を彷彿させる、生きた捕虜の人体実験、731部隊の細菌実験、おぞましい戦争の傷が、スクリーンごしにモノクロ映像で写されると、この映画のもうひとつの顔が見えるようだ。
精神を崩壊させながらもスパイの夫を愛してやまない女の可愛さがたっぷり堪能できる。賢い妻の聡子と夫高橋一生演じるスパイのだましあいも見どころ。重いテーマを扱いながらも絵画的な光と影の美しさにくぎ付けになった。
《表と裏 そして狂気》
台詞、街並みなど1940年の描写は違和感無し。
それは俳優陣の力量と、映像技術が噛み合っているからだ。
白黒の荒い映像でしか見たことない風景なのに、「今ではない、1940年」が、美しく見えてしまう。
主人公の聡子は「不自由無い生活」から「生きた心地がする生活」へと夫により引き摺り込まれてしまう。
平和で穏やかな女性が、自分自身の「狂気」を操って変化していく。蒼井優さんは「狂気を演じられる」女優さん、今回も実力を発揮しています、良いなぁ!
平和に生きることが幸せなのか?
自分の「狂気」を操って生きることが幸せなのか?
それは人それぞれです。
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