劇場公開日 2020年10月16日

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「正義の心で怒る人は幸せになれない」スパイの妻 劇場版 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0正義の心で怒る人は幸せになれない

2020年11月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

知的

2020年映画館鑑賞111作品目

蒼井優&高橋一生&東出昌大
主要な3人のお芝居がとてもよかった
蒼井と高橋は想定の範囲内だが東出はあの役にピッタリとはまった感じがする

スパイの妻らしいが厳密にいうと夫はスパイではない

洋装はけしからんらしいが兵隊だって洋装じゃん
坊主憎けりゃ袈裟までもとか馬鹿馬鹿しい
だから軍隊とか嫌いだ

会社の忘年会の余興に製作しておいた短編映画を上映する洒落たセレブ
あの時代もみんながみんな困窮していたわけではない

満州で夫が知ってしまったのはいわゆる731部隊の人体実験
右寄りの人たちは騙されてはいけないとか中共や反日左翼のでっち上げだフィクションだと主張するだろう
左寄りの人たちは戦争の悲惨さとか日本人残酷とか共通の歴史認識とか千年経っても日本人は許されることはないなどと抗議するだろう
だがちょっと待ってほしい
映画は娯楽である
面白ければいいのである
政治的メッセージは必要ない
ユーモアが無ければ監督の言い訳も読む価値ない
歴史は新しい資料が見つかれば教科書の内容がひっくり返って嘘になってしまう儚い学問だ
歴史の評価を無視すればこの映画は面白い
ハラハラドキドキした
黒沢清監督の最高傑作

個人的には日本の軍国主義も左翼だと思っている
究極の愛国左翼だ
左翼はエリート意識が強く全体主義で分断と評し自分と違う考えを見下す
大東亜共栄圏とアジア共同体の考えはよく似ている
保守なら鎖国政策か海外と貿易で儲けて海外の土地は武力で奪うのではなく金銭で買い取るだろう
外国人は出て行けというムラ社会は良くないが
保守なんて所詮ヘタレなのだ

あと玄里が唐田えりかにちょっと似ていてドキッした

野川新栄